アプリを変える前に自分を変えた——出会いのための「自分磨き」の正しいやり方
5つのアプリを試した。マッチングしても続かなかった。問題はアプリじゃなかった。それに気づくまでに1年かかった。
Pairs、with、タップル、Omiai、Tinderを1年間使った。
最初の3ヶ月はPairsで頑張った。マッチングはそこそこできたが、メッセージが続かなかった。「アプリが合わないのかも」と思って、withに変えた。with でも同じ結果。タップルは若い人が多い印象で、Omiaiは真剣すぎて自分には重かった。Tinderはマッチングしても会えなかった。
5つ試して、気づいた。変えるべきはアプリじゃなかった。
5つのアプリを試してダメで、やっと気づいたこと
ある日、友人に「プロフィール見せて」と言われた。写真を見て、一言。「あー、これは難しいね」。
3枚の写真を並べて指摘された。1枚目は暗い室内での自撮りで顔色が悪い。2枚目は飲み会でのグループ写真で誰がメインか分からない。3枚目は大学時代の写真で「今これ?」と言われた。
自己紹介文も読んでもらった。「『映画が好き』って書いてあるけど、何の映画が好きなの?」「『料理できます』って、何が作れるの?」。全ての項目が曖昧で、読んでも「この人と会ってみたい」という動機が生まれない文章だった。
問題はアプリではなく、自分のプレゼンだった。もっと言えば、プレゼン以前の話だった。
「自分磨き」で本当に変わること・変わらないこと
「自分磨き」という言葉には、誇大な期待が込められていることがある。「磨けばモテる」という公式は、正確ではない。
変わること
清潔感・第一印象・会話の引き出し・自信・「一緒にいたい」と思われる空気感。これらは確実に変わる。3ヶ月継続すれば、数字として表れる。マッチング率が変わる。デートに繋がる割合が変わる。2回目3回目と続く確率が変わる。
変わらないこと
顔の造作・身長・生まれた家庭環境・過去。これらは磨きようがない。でも現実的に言えば、マッチングアプリでの出会いにおいて、顔の造作より「清潔感」「表情」「写真の質」の方が影響が大きい。身長より「会話力」の方が継続率を左右する。変えられないものに固執するより、変えられるものに投資する方が速い。
「自分磨きをしても変わらない」と感じている人の多くは、磨く場所を間違えている。高い服を買っても、シワを伸ばす習慣がなければ意味がない。ジムに通っても、会話力が低ければ2回目のデートに繋がらない。
外見の磨き方(清潔感・服装・体型)の優先順位
時間と予算が限られているなら、優先順位がある。
最優先:清潔感
前述の通り、女性が「清潔感」と言う時は視覚的な印象の話をしている。爪・眉毛・髪型・服のシワ・靴の汚れ。このうち一つでも崩れていると、他の努力が霞む。清潔感に投資できる時間は1日5分、コストは月3000円以下でいい。
第二:服装の統一感
服を「量」ではなく「組み合わせやすさ」で揃える。ネイビー・白・グレー・ベージュの4色でまとまる服を10着揃える方が、バラバラなカラーの服を30着持つより使える。GUとユニクロで土台を作って、アクセントを一点加えるだけで十分。
第三:体型
ジムに通う必要は必ずしもない。「スリムに見える服選び」「姿勢を良くする」だけで、印象は大きく変わる。体型が気になるなら、週3回の30分ウォーキングを1ヶ月続けるだけで顔周りから変化が出てくる。
体型改善より姿勢改善の方が、短期間で効果が出る。猫背を直すだけで、顔の見え方・服の落ち感・自信の有無が全部変わる。
会話力の磨き方(傾聴・話題の引き出し・ユーモア)
マッチングアプリで会えた後、2回目に繋がらない理由の多くは「会話」にある。
傾聴
会話は「話す量」じゃない。「相手の話にどう反応するか」が全てだ。相手が話したことに対して「それって、どういう意味?」「それ、もう少し聞かせて」と言える人は、自分が長く話す人より圧倒的に「話していて楽しい」と感じさせる。
具体的な練習方法。日常の会話で、相手の発言の「最後の言葉」を繰り返す。「先週、映画観てきたんだよね」→「映画、何観たの?」ではなく「先週行ったんだ、映画好きなんですね」。この1手で、相手は「ちゃんと聞いてくれている」と感じる。
話題の引き出し
プロフィールに書いてあることを全部記憶しておく。「趣味がカフェ巡りって書いてたけど、最近どこか行った?」。これだけで会話が始まる。話題が「相手のプロフィールから生まれた質問」である場合、相手は答えやすいし「読んでくれていた」という印象を残す。
ユーモア
「面白いことを言おう」と思うと失敗する。ユーモアは力みから生まれない。「この状況の変なところを指摘する」が、最も安全なユーモアだ。「なんかこのメニュー、説明文が長すぎてもう読む気なくなった」みたいな一言。共感できる観察は笑いを生む。
「内面」の磨き方(自分軸・熱中できるもの・承認欲求を手放す)
内面の話は抽象的になりやすい。でも「内面」を変えた時の効果は、外見を変えた時より長続きする。
自分軸を作る
「どんな人が好きですか」と聞かれた時に、答えられるか。「優しい人」「話が合う人」という答えは、自分軸がない。「休日に本を読む時間を大切にしていて、一緒にそれを楽しめる人」という答えは、自分の生活から生まれている。まず「自分はどう生きたいか」を言語化できると、会話の中に軸が出てくる。
熱中できるものを持つ
ランニング、料理、写真、読書、キャンプ——なんでもいい。「休日、何してる?」という質問に「特に何もしてない」と答える人と、「最近週に一度トレーニングに行き始めて、3ヶ月で5kg落とした」と答える人では、印象が全く違う。話題があることで、会話が動く。
承認欲求を手放す
相手に「好かれよう」と思いすぎると、会話が不自然になる。なぜかというと、相手は「自分が好かれているか」を常に確認しながら話す視線を感じ取るから。「好かれよう」ではなく「楽しもう」という姿勢に切り替えるだけで、会話の自然さが変わる。
承認欲求を手放すとは、「断られてもいい」という状態になること。Omiaiでマッチングがゼロでも、Tinderでいいねが来なくても、「そうか」と思えるようになった時、急に対応が軽くなる。力みが取れると、相手に伝わるものが変わる。
変化は3ヶ月後に現れる——急がないことの価値
「自分磨き」をして、1週間でマッチング率が上がる人もいる。でも多くの場合、効果が出るまでに3ヶ月かかる。
外見の変化は目に見えやすい。眉毛を整えたら翌日から変わる。でも会話力や自信の変化は、数ヶ月の習慣から生まれる。「3ヶ月後の自分に投資する」という感覚で続けることが、続けられるコツだ。
焦りは伝わる。「早く誰かに会いたい」「早く付き合いたい」という雰囲気は、デートで相手に伝わる。その焦りが、相手の引きを生む。磨きながら、急がない。その矛盾が、実は最速の近道だ。
5つのアプリを1年試した後、外見・会話力・内面の3つを3ヶ月かけて整えた。Pairsに戻ったのは、ちょうど3ヶ月後。最初の1週間に、4人とマッチングした。
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アプリを変える前に、自分を変えた。順番はそっちだった。
「自己紹介文」を書き直して変わった話——NG文と改善文の実例
自分磨きで最も費用対効果が高く、しかも軽視されやすいのが「自己紹介文の書き方」だ。外見を変えるより先に、自己紹介文を一から書き直すだけでマッチング率が2〜3倍になったという話は珍しくない。
NG例:よくある自己紹介文
「映画と料理が好きです。休日はカフェに行ったり、友達と出かけたりしています。穏やかで誠実な方と出会えたら嬉しいです。よろしくお願いします」
この文章の問題点は3つある。具体的な固有名詞がゼロ。「穏やかで誠実な人」は誰でも書く。「よろしくお願いします」で終わると会話のきっかけが生まれない。
改善例:具体性のある自己紹介文
「映画は年に80本ペースで観てます。最近ハマったのはアリ・アスター監督の作品で、吉祥寺のミニシアターで一人で観てちょっと引きずりました。料理は再現レシピ専門で、先月は天一のこってりラーメンを家で作ろうとして失敗しました(3回目)。渋谷より下北沢派・コーヒーはミルクあり派・打ち上げより深夜のラーメン派です」
改善版のポイント:映画の本数・監督名・映画館名という固有名詞がある。料理の失敗エピソードという「自分にしかない話」がある。「下北沢派」という一言で趣味の方向性が伝わる。最後の3つの「派」は、相手が「私も同じ!」と言いやすい形になっている。
「よろしくお願いします」で終わるプロフィールと、「下北沢派・コーヒーはミルクあり派」で終わるプロフィールを比べた時、どちらに返信したくなるか。自己紹介文は一度書いて終わりではなく、デートに行くたびに「この話題が盛り上がった」という発見を反映させながら育てていくものだ。アプリを変える前に、この一枚を変える方が先だった。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。