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会話ネタを100個用意した夜。全部使えなかった後悔の話

初デート前夜にスマホのメモへ100個書き出した会話ネタ。翌日使えたのは3個。マッチングアプリで会話が盛り上がる人が使っているのは質問リストじゃなかった。本当に続く会話の「構造」を解説する。

27歳・女性の体験
·橘みあ·4分で読める

正直に言う。100個ネタを用意したのに、全部使えなかった。


翌日のデートで使ったのは3個だった。しかも全部滑った。


渋谷のカフェで、「出身どこですか?」から始めた。「愛知です」「あ、名古屋ですか?」「市内ではないんですけど」——そこで止まった。次の話題に切り替えるまで2秒あった。2秒のうち何かを見つけようとしたけど、頭の中はメモの一覧をスクロールしていた。


会話ネタリストが使えない理由


「ネタ」として用意した話題は、質問の形になりやすい。「好きな映画は何ですか?」「趣味はなんですか?」——これが続くと、相手はだんだん面接を受けている感覚になる。


面接官が好きになる人はいない。


質問は一方向の情報収集だが、会話は双方向の情報交換だ。相手から引き出すより、自分から出す方が会話の温度が上がる。


あとから気づいたのは、「ネタ」を使おうとしている間、私はずっと相手の話を聞いていなかったということだ。相手が話している最中に、次の質問を検索していた。それは相手にも伝わる。


渋谷のカフェの帰り道、「今日楽しかったですか」と自分で振り返って、「楽しいというより、疲れた」と思った。会話の内容ではなく、次のネタを探すことに消耗していた。それが正直なところだった。ネタリストを作ることで、「準備している自分」への安心を買っていただけだった。


盛り上がる話の構造


自己開示から始める


「好きな映画は?」と聞く前に、「最近見た映画でめちゃくちゃ泣いたんだけど」と自分から話す。すると相手は「何見たんですか?」と聞いてくる。質問が来る前に自分から話す形にする。


「先週、一人でずっと行けてなかった中目黒の焼き鳥屋に行ったんだけど、カウンターで隣のおじさんに話しかけられて2時間いた」——こういう話は聞いてみたくなる。


感情の言葉を入れる


「先月、友達の結婚式があって」より「先月、友達の結婚式があって、なんか急に焦った」の方が話が続く。「焦った」という感情が、共感か反論を引き出す。


「そういえば」で繋ぐ


「そういえば、前に言ってた旅行どうだった?」——前回の会話や連絡を「覚えていた」という形で話題に入ると、相手は「ちゃんと聞いてくれてたんだ」と感じる。


実際に盛り上がった話題3種類


「最近失敗した話」

笑える失敗談は場の空気を柔らかくする。相手も「私も先週こんなことがあって」と話しやすくなる。仕事のミス、料理の失敗、道に迷った話——何でもいい。


「子供の頃の話」

意外と共通点が出やすい。どこに住んでいたか、どんな遊びをしていたか、親がどんな人だったか。「あー、それわかる」という共感が生まれやすい話題だ。


「最近感動したこと」

映画でも本でも料理でも、感動した話は感情を共有する入口になる。「それ、私も知りたい」となれば、話がどんどん広がる。


「子供の頃の話」は特に機能した。2回目のデートで下北沢のバーに行ったとき、「小学生のとき一番好きだったもの」という話題になった。相手が「どんぐり拾いを本気でやってた」と言って、私が「わかる、なんかめちゃくちゃ集めてた」と返した。なぜか2人で笑い続けて、15分くらいその話をしていた。「どんぐりランキング」を付けていたとか、どこのどんぐりが一番丸いかを研究していたとか。バカみたいな話なのに、あれが一番盛り上がったデートだった。ネタリストにはそんなこと書いていなかった。


会話ネタより、自分のネタの方が大事だった。


30個のメモを作った夜の自分に言いたい。ネタなんて要らない。今日あった話をそのまま話せ。笑えた話、驚いた話、ちょっと困った話。それだけで2時間は余裕で持つ。


あの渋谷のカフェのデートから半年後、別の人と下北沢のバーで話していた。ネタを一つも用意しなかった。その日あった「タクシーの運転手に道を間違えられて全然違う場所に着いた」話から始まって、3時間いた。よく笑った。ネタを用意しなかったデートが、一番楽しかった。


結局、一番盛り上がったのは


100個の話題を捨てた後に残ったのは、「今日あった嬉しいこと」を聞くことだった。恵比寿のカフェで、彼女が「今日、駅で落とした定期を後ろの人が拾ってくれた」と笑いながら話してくれた。たったそれだけのことで、心臓がじんわり温かくなった。用意されたネタより、その日の感情の断片の方がずっと面白い。手のひらの汗が引いて、自然に笑えた。新宿の帰り道、準備を手放す勇気が、会話を自由にしてくれると知った。


100個のネタより一つの好奇心が勝つのに、用意していた。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

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