毎朝おはようを送り続けた2週間のこと
義務になっていた。でも最後の朝だけは、本当に送りたくて送った。
マッチングした翌朝から、おはようのLINEを送るようになった。
最初のきっかけは彼女からだった。「おはようございます、今日も頑張りましょうね」という短いメッセージが、朝7時に届いた。起きたばかりで頭がぼんやりしていて、何も考えずに「おはようございます、良い一日を」と返した。それが習慣になった。
1週間目は心が弾んでいた。朝起きてスマホを見るのが楽しみで、彼女のメッセージが届いていると、胸のあたりがあったかくなった。返信を考えながら歯磨きをして、電車の中で送る。それだけで一日の始まりが少し違った。
2週間目、「義務」になった
8日目から変わり始めた。
前日深夜まで仕事が詰まっていて、朝起きてスマホを開いた瞬間に「あ、送らないといけない」と思った。最初に浮かんだのが「楽しみ」じゃなくて「義務」だった。
毎朝おはようを送るという行為は、いつの間にか「送らないと関係が壊れる気がする」という緊張に変わっていた。
彼女はどうだったのだろう。同じように感じていたのか、それとも本当に毎朝楽しみに送っていたのか。直接は聞けなかった。
「毎日連絡」が関係に与える影響
後になって他の人の話を聞くと、同じ経験をしている人が多かった。毎日連絡し合うことで「安心感」は生まれるが、同時に「返さなきゃいけないプレッシャー」も生まれる。そのプレッシャーが、本来なら自然に生まれるはずの「会いたい気持ち」を先食いしてしまうことがある。
LINEで満足してしまうと、実際に会う動機が薄くなる。「今日も話したから十分」という錯覚が、関係を前に進ませない。
毎日連絡することの利点と落とし穴
利点は「存在感を保てること」だ。毎日連絡している人のことは、忘れない。他の候補者より頭の中に居続ける。
落とし穴は「連絡の中身が薄くなること」だ。毎日送るためにネタを探すようになって、「今日は特に何もないんですが」「私も」というやりとりが増える。それは会話でも関係でもない。
最後の朝
2週間目の終わり、14日目の朝に気づいたことがある。
その日は珍しく早起きして、外が明るくなる少し前に目が覚めた。窓から空が少しずつ白んでいくのを見ていて、「彼女も今頃起きているかな」と思った。
スマホを開いてメッセージを打った。「おはようございます。今日、空がきれいです」。
その朝だけは、送りたくて送った。
義務でも習慣でもなく、ただ「伝えたい」と思って送ったメッセージへの返信は、いつもより少し温かかった気がした。
毎日連絡することより、一通に込める気持ちの方が、ずっと相手に届く。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。