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初デートの沈黙が怖かった夜。後悔しないための話し方を学んだ

Pairsで知り合った彼との初デートに、話題を100個用意していった。恵比寿のビストロで席についた瞬間に頭が真っ白になった失敗から、初デートで本当に使える会話の作り方と、沈黙への向き合い方がわかった話。

27歳・女性の体験
·橘みあ·4分で読める

正直に言う。初デートの沈黙が怖かったのに、また会いたかった。


恵比寿のビストロ。予約したのは私で、ちゃんと下調べもした。3,000円台でコースが頼めて、照明が暗すぎず明るすぎない店。マッチングアプリ「Pairs」で話しかけてきた彼、佐藤くんは待ち合わせ場所に3分早く来ていた。第一印象は悪くなかった。写真より少し背が高くて、紺色のシャツが清潔感があった。


ところが席に着いた瞬間、頭の中に用意していた「会話ネタ100選」が全部蒸発した。


「あ、これ雰囲気いいですね」と彼が言って、「そうですね、よく来るんですよ」と私が答えた。嘘だった。初めて来た店だった。その嘘がバレないか心配になって、次の言葉が出てこなかった。メニューを眺める時間が長くなって、ドリンクが来るまでの5分が、体感で30分くらいあった。


事前準備が裏目に出る理由


失敗してからわかったことがある。会話ネタを「リスト」として準備すると、かえって使えない。頭の中に「次はあの話題を出す」という意識が入ると、目の前の人の言葉を聞けなくなる。聞いてるようで、次の自分のセリフを考えている。それが相手にも伝わる。


初デートの沈黙は、話すことがないから起きるんじゃない。「正しいことを言わないといけない」という緊張から起きる。正しい返答を探しているうちに、相手の言葉が宙に浮く。


佐藤くんが「最近映画とか観ますか」と聞いてきたとき、「ドライブ・マイ・カーを最近観ました」と即座に答えられれば良かった。でも「映画、好きですか」「まあ好きですね、○○さんは」という往復で終わってしまった。私のことが、相手に全然伝わっていなかった。


沈黙を「怖くなくする」3つのシフト


目の前のものを話題にする方法は、一番シンプルで一番使えた。「会話ネタ」は要らない。店の中を見れば話題は無限にある。「このパスタの名前、読めないですよね」「あの席の人、何頼んでるんだろう」「この音楽、知ってます?」。用意した話題より、今この瞬間の共有の方が距離が縮まる。「今ここにいる二人」という感覚が生まれる。


質問より「自分の感想」を先に言う、というのも変えた。「好きな食べ物は何ですか?」という質問より、「私、カルボナーラだけは絶対失敗する」と言う方が、返しやすい。相手に「答える義務」を課す質問より、「共感か反論か」を選べる発言の方が、会話のテンポが生まれる。


沈黙を「埋めない」と決める。これが一番難しくて、一番効いた。5秒の沈黙が怖くて、変な話題を無理やり出すから会話が迷子になる。沈黙のまま笑って、「何話しましょうか」と言える人は、意外と好印象になる。焦ってない人に見えるから。沈黙の間に、コーヒーを飲む。窓の外を一秒だけ見る。それだけで、空気がリセットされる。


実際に使えた話題のパターン


「アプリ、いつ始めたんですか?」は鉄板だった。お互いに始めた時期や経緯があって、それだけで10分は話せる。「最初のデートでどんな話したか」という共通の文脈でもあるから、妙な連帯感が生まれる。「私は去年の夏くらいです、友達に勧められて」「私も友達に言われて、半信半疑で」という返しから、「その友達は今もアプリ続けてる?」という次の話題が生まれる。


「仕事でいちばん最近ムカついたこと」も意外と盛り上がる。愚痴は親密感を作る。ただし愚痴りすぎると印象が悪くなるので、相手に「それはきつい」と言ってもらったら切り上げる。共感してもらえたタイミングで「でも最近マシになったんですよ」と転換できると、話の着地が良くなる。


あの夜の佐藤くんとは結局2回目がなかった。でもその経験がなければ、その後に続いた7人との初デートは全部うまくいかなかったと思う。


沈黙は、何も起きていない時間じゃない。何かが始まる直前の、息を吸う間だ。


恵比寿のカフェで、沈黙の10秒が永遠に感じた


初デートの恵比寿のカフェ。注文を終えて、二人とも同時に口を閉じた瞬間、沈黙が落ちてきた。10秒。たった10秒の沈黙が、永遠に感じた。手のひらが汗でベタベタになって、心臓がうるさかった。


「何か話さなきゃ」と焦るほど、頭が真っ白になる。用意していた質問リストが全部飛んだ。


沈黙を怖がらなくなるコツ


沈黙は敵じゃなかった。3回目のデートで気づいた。渋谷から代官山まで歩いている時、会話が途切れた。でも隣を歩いている彼は全然気にしていなかった。「あ、あの店新しくない?」と自然に次の話題に移った。


沈黙が怖いのは、自分だけだった。相手は気にしていないことが多い。それを知ってから、喉の奥のつかえが消えた。沈黙の間に周りを見渡す。メニューを見る。窓の外を見る。そこから自然に話題が生まれる。会話は準備するものじゃなく、その場で拾うものだった。


沈黙は敵じゃない。むしろ味方だった。恵比寿のカフェで言葉がなくても心地よい時間。それが相性の証だった。沈黙を楽しめる人と出会えた。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

このテーマを読む:初デート体験談

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