遠距離になった夜。後悔しないつながり方の理由
Pairsで「居住地:大阪」のプロフィールにいいねした。東京在住で大阪の人とどうするつもりだと思いながら。月に1回しか会えない距離だったのに2年続いた——遠距離でも関係が続いた理由は、距離のせいじゃなかった。
正直に言う。「大阪」と書いてあったのに、会ってみようと思った。
東京在住の自分が大阪の人とマッチングして、どうするつもりだ。そう思いながらも、写真のきれいな笑顔と、プロフィールの文章の温かさが気になって、いいねを送った。
返ってきた。「大阪なのに大丈夫ですか?」というメッセージから始まった。「全然大丈夫ですよ、仕事で東京に来ることありますか?」と返したら「月2回くらいあります」と来た。
月2回会える。それなら試せると思った。
最初の1ヶ月、「月2回」の現実
最初の月は彼女が東京に来るたびに会った。恵比寿でランチして、渋谷を歩いた。「この人のことを知りたい」という気持ちが先に立って、会うたびに2時間から3時間が経っていた。
問題は「会えない3週間」だった。LINEは続いていたが、「会えない」という事実が頭の端にずっとあった。スマホに彼女からの通知が来るたびに嬉しいのに、「でも次に会えるのは3週間後」という計算が自動で走る。その繰り返しが、じわじわと消耗させた。
遠距離で続くカップルと続かないカップルの違い
3ヶ月一緒に過ごして、友人の遠距離カップルの話も聞いて、気づいたことがある。
続くカップルは「会えない時間を埋めようとしない」。続かないカップルは「会えない時間を埋めようとして消耗する」。
毎日電話しなくても不安にならない。LINEが既読になっても返信が1日遅れても怒らない。そういう信頼の土台があるかどうかが、物理的な距離より大事だった。「返信が遅い」ことを問題にし始めると、距離は武器になって、関係を壊す方向に使われる。
実際にやっていたこと
「会う日」を必ず先に決めることにした。彼女が東京に来る日程が決まり次第、そこをデートの日にした。「次に会えるのはいつ」という見通しがあることで、会えない時間の不安が減った。「3週間待てばいい」と思えると、待てる。終わりのない待ちと、日付のある待ちは全然違う。
長電話より短い会話を複数回選んだ。週に1回の2時間電話より、週3回の20分通話の方が「存在感」は保てた。長電話は疲れる。短い会話の方が、日常の断片を共有できる。「今日の昼、梅田でランチしたんです」「どこのお店」「グランフロントの近くの中華」という会話で、相手の日常の地図が頭の中にできていく。
お互いの「日常の場所」を把握することで、遠距離の孤独感が薄まった。「あの人は今そこにいる」という具体性が、文章だけの関係に立体感を加えた。
近距離になって気づいたこと
半年後、彼女が東京勤務になった。近距離になって初めて気づいたことがあった。
「週末に気軽に会える」と思ったら、かえって「いつでも会えるから今日じゃなくても」という先送りが生まれた。遠距離の頃の方が、会う一回一回の密度が高かった。
品川駅で待ち合わせて、どこに行くか決まっていない休日は、以前より気が抜けていた。一方、大阪から新幹線で来てくれていた頃の、改札で顔を見た瞬間の感覚は今でも覚えている。喉のあたりがきゅっとなった。あの感覚は、近距離になってから一度も来なかった。
距離は制約じゃなかった。制約の中でどう関係を作るか、それを二人で考えたことが、関係を強くしていた。
会えない夜を乗り越えた数だけ、会える日の時間が輝いた。
品川駅の改札で、月に一度の再会
遠距離でつながっていられた理由は、品川駅の改札口にあった。月に一度、彼が名古屋から新幹線で来るとき、改札の向こうに彼の姿が見えた瞬間、心臓が口から飛び出しそうになった。
あの感覚は、毎日会っていたら絶対に味わえない。距離があるからこそ、再会の瞬間が全身を貫く。手のひらが汗ばんで、足が勝手に早歩きになって、最後の3メートルは走っていた。
遠距離を乗り越えるための、地味な習慣
派手なサプライズより、毎週日曜の夜に30分だけビデオ通話する習慣が支えになった。恵比寿の自宅から、彼の名古屋のワンルームとつながる。画面越しでも、彼が疲れているかどうかは表情でわかった。
「今週しんどかった?」と聞くと、「うん、ちょっとだけ」と返ってくる。その「ちょっとだけ」が嘘だとわかるくらいには、お互いを知っていた。喉の奥がつかえて、何も言えなくなる夜もあった。でも、画面の向こうに存在しているだけで十分だった。
遠距離の「距離」は、心の近さを測る定規でもあった。恵比寿の自宅と名古屋のワンルーム。物理的には300キロ離れているけど、心の距離はゼロだった。
遠距離の寂しさは燃料だったけど、品川の改札で全部吹き飛んだ。あの感覚のために、離れている日々を過ごしていた。恵比寿のカフェで二人分のコーヒーを注文する幸せ。手のひらが温かかった。距離は敵じゃない。距離は、愛情を確認するための装置だった。
よくある質問
遠距離で続くカップルと続かないカップルの違いは何ですか?↓
距離が問題じゃなかった理由は何ですか?↓
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。