お酒の席で失敗した夜、初デートの後悔の話
渋谷の居酒屋、初対面で緊張して生ビールを頼んだ。2杯目が20分後、日本酒も飲んだ。どこで判断力が落ちたかは自分でも定かじゃない。初デートでお酒を飲みすぎた失敗談と、そこから学んだマッチングアプリ攻略のコツ。
正直に言う。初デートで飲みすぎたのに、また誘われた。
渋谷の和食居酒屋。初対面で緊張していたから、メニューを開いてすぐに生ビールを頼んだ。1杯目が来るまでに会話に詰まって、2杯目は20分後に頼んだ。日本酒も飲んだ。
どの段階で判断力が落ちたかは自分でも定かじゃないが、帰り際に「また来週どこか行きましょう」と言ったのは自分だった。彼が「じゃあ連絡しますね」と言って別れた。
翌朝、スマホを見た。昨夜のやりとりの記憶が所々抜けていた。彼のプロフィールを読み返した。「趣味:登山、ゲーム」。会話の中で登山の話が出た記憶はなかった。何の話をしたんだっけ。スクロールしても、前日の会話内容が思い出せなかった。
何が失敗だったのか
彼への印象は悪くなかった。「感じが良い人だった」という感覚は残っていた。でも「どんな人だったか」を翌日説明できなかった。それが失敗の本質だった。
飲んでいる間、「今日はうまくいってる」という感覚があった。会話が途切れなかった。笑いもあった。「楽しい夜だ」と思っていた。でもアルコールが切れた朝、残っていたのはぼんやりした記憶と、「具体的に何を話したか」の空白だった。
初デートは「相手を知る場」のはずだった。飲みすぎることで、その機会を自分でつぶした。相手はどんな人で、何が好きで、どんな話し方をする人か。それを確かめるために行ったのに、帰ってきたときに何も手に入っていなかった。
「楽しかった」と「この人のことがわかった」は、全然違う。アルコールが入ると前者だけが残って、後者が消える。
初デートでのお酒との付き合い方
その失敗から、自分なりのルールを作った。
飲む量に上限を設ける。2杯まで、と決めた。それ以上飲みたくなったら、ソーダに替える。「飲めないわけじゃないが、最初はゆっくり飲む」というスタンスを取るようにした。相手が飲んでいても「私はこのペースで」と言えば、変に思われない。
ノンアルコールを選ぶことを恥ずかしく思わない。「お酒が飲めない」ではなく「今日はゆっくり飲みたい気分で」と言えば、相手も気を遣わなくていい。ノンアルコールのクラフトビールやレモンソーダを選ぶ選択肢は、緊張しているときほど使いやすかった。
居酒屋を初デートに選ばない、というのが一番根本的な対策だった。「お酒の場」がデフォルトの場所より、飲むかどうか自分で選べる場所の方がコントロールしやすい。
2回目のデートで初めて「この人を知った」
彼からは翌週連絡が来て、2回目のデートに行った。今度はランチにした。アルコールなし。
品川駅近くのパスタ屋、テーブル席。昼の光の中で話すと、相手の表情がよく見えた。声のトーンもわかった。1回目の夜には見えていなかったものが、全部見えた。
そこで初めて、彼が登山が本当に好きで、週末は北アルプスに行くこともあると知った。1回目のデートで話したのかもしれないし、話さなかったのかもしれない。確認することはできなかった。
酔って「楽しかった夜」より、素面で「この人を知った昼」の方が、記憶に残り続けた。
お酒なしのデートで見えた「素の相手」
2回目のデートの後、気づいたことがある。お酒を飲まなくても、会話が続いた。
品川のパスタ屋で、水とジンジャーエールで2時間話した。昼の光の中で見る彼の表情は、居酒屋の暗い照明で見た印象と全然違った。「あ、この人って笑うとき目が細くなるんだ」と思った瞬間、胸の奥がじんわり温かくなった。
アルコールが入っていないから、会話の内容を全部覚えている。彼が好きな山の話、仕事で悩んでいること、猫アレルギーなのに猫カフェに行った話。全部。「この人をもっと知りたい」と思えたのは、素面だったからだ。
お酒のデートは盛り上がる。でも「盛り上がった記憶」と「相手を理解した実感」は、イコールじゃない。
初デートの「居酒屋」を避けるべき本当の理由
代官山のブルーボトルコーヒーで初デートした3回目以降、居酒屋を初回に使わなくなった。
居酒屋が初デートに向かない理由は、「お酒」だけじゃなかった。声が聞こえにくい。周りの会話に邪魔される。座敷で距離が近すぎる。メニューを選ぶタイミングで会話が途切れる。
吉祥寺のカフェで初デートしたときは、静かな環境で相手の声のトーンまで聞こえた。笑うときに少し鼻にかかる声、考えているときに左手で頬杖をつく癖。居酒屋のガヤガヤした中では気づけなかったはずの情報が、全部届いた。
初対面の相手を知るには、「静かさ」がいる。お酒の力を借りなくても話せる関係が、長く続く関係だ。
酔って近づくより、素面で隣にいたい。
お酒の失敗を「次に活かす」具体的な方法
あの渋谷での失敗から、デートの前にルールを紙に書くようになった。「2杯まで」「食事の後は解散」「ノンアルを1杯目に頼む」。恵比寿の部屋の冷蔵庫に、付箋で貼っていた。
初デートで「ノンアルコールビールで」と言ったとき、相手が「えっ」という顔をした。一瞬、胸がチクッとした。でも「今日はゆっくり話したいので」と伝えたら、「じゃあ私も」と言ってノンアルを頼んでくれた。
「お酒飲まない人なんですか?」と聞かれた。「飲みますよ。ただ、初めて会う人の前では、ちゃんと話を聞きたいから」と答えた。相手が少し笑って、「それ、すごくいいですね」と言ったとき、みぞおちのあたりが温かくなった。
高円寺のカフェバーで2回目のデートをしたとき、「前回ノンアルだったのに、今日は飲むんですね」と笑われた。「2回目は安心してるから」と返したら、「それ、口説いてます?」と返ってきた。顔が熱くなった。
初デートの「お酒」は、緊張の麻酔じゃない。2回目以降の「お酒」は、距離が縮まった証だ。
酔って近づくより、素面で隣にいたい。
「お酒なし」で成功した初デートの具体例
渋谷の失敗の後、お酒なしで初デートした3回の記録。
1回目:恵比寿のアトレの中のカフェ。紅茶2杯で2時間。「お酒飲まないんですか」と聞かれたけど、「今日は車で」と答えた(嘘だけど)。会話は最初ぎこちなかったけど、30分過ぎてからは自然に流れた。翌日、彼女の笑い方を全部覚えていた。
2回目:吉祥寺のハモニカ横丁の隣のカフェ。ラテアートの話で盛り上がった。お酒がなくても、「共通の話題」があれば場は持つ。
3回目:中目黒の目黒川沿いの散歩デート。テイクアウトのコーヒーを持って、1時間半歩いた。歩きながらだと、向かい合うよりリラックスして話せた。相手の横顔を見ながら話を聞くのは、カウンター席と同じ効果がある。
お酒なしで成立したのに、関係の持久力が違った。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。