「アプリ消した?」と聞かれて詰まった夜。付き合う前に確認すべきこと
Pairsで出会った彼に、4回目のデートで「アプリもう消した?」と聞かれた。私はまだ消していなかった。喉の奥がつまって、何も言えなかった夜のこと。付き合う前に確認しておくべき5つのポイント。
代官山の夜、ワインが残り半分。
4回目のデートだった。Pairsで知り合ったコウスケさんと、代官山のビストロで向かい合っている。ハンバーグを切りながら、彼が急に言った。
「ねえ、Pairsってまだ使ってる?」
フォークを持つ手が止まった。胃の底がすっと冷える。
私は26歳、IT企業の営業。コウスケさんとは3ヶ月前にマッチして、月に1〜2回のペースで会っていた。毎回楽しかった。帰り道にLINEが来ると、心臓がちょっとだけ速くなった。好き……だと思う。たぶん。
でもアプリは消していなかった。
「なんとなく残してた」の正体
「えっと……」
2秒の沈黙が、永遠みたいだった。グラスの赤ワインが照明に透けて揺れている。
「……まだ、入ってる」
コウスケさんの表情が、ほんの一瞬だけ曇った。すぐに笑顔に戻したけど、見逃さなかった。みぞおちがぎゅっとなる。
「別に責めてるわけじゃなくて。俺は先週消したから、どうかなって思って」
彼はもう消していた。私はまだだった。その非対称が、テーブルの上に広がった。
帰りの東横線で、窓に映る自分の顔を見ながら考えた。なんで消さなかったんだろう。コウスケさんのことが嫌いなわけじゃない。他に気になる人がいるわけでもない。
「なんとなく残してた」の正体は、たぶん保険だった。この人とダメになっても大丈夫なように。コウスケさんが本気でも、私はまだ片足を出口に向けていた。それに気づいて、手のひらが冷たくなった。
家に着いてシャワーを浴びている間も、あの一瞬の曇った表情がずっと頭から離れなかった。彼は先に消した。つまり彼は先に覚悟を決めた。私はまだ決められていなかった。その差が、フォークを握る手の震えになって、今さらやってきた。
付き合う前に確認すべき5つのこと
あの夜から1週間、ずっと考えていた。アプリを消すか消さないかは表面の話で、本当に話し合うべきことは他にあった。
友達の恵理に相談したら、恵理は去年Pairsで彼氏を作っていて、「私たちも最初そこで揉めた」と言った。恵比寿のスタバで2時間、恵理の体験と自分の状況を照らし合わせて、見えてきたことがある。
1. 「付き合う」の定義が同じかどうか
コウスケさんにとっての「付き合う」と、私にとっての「付き合う」は同じだろうか。「アプリを消す=独占」と考える人もいれば、「告白してから消す」と考える人もいる。恵理の彼氏は「付き合おうって言葉にするまでは自由」派だったらしい。恵理は真逆だった。そのズレが最初の喧嘩の原因になったと言っていた。
2. 連絡頻度の期待値
「毎日LINEするのが普通」と思っている人と、「用事があるときだけ」の人では、噛み合わない。コウスケさんは毎晩おやすみLINEをくれる人だった。私は返すけど、自分からは送らないタイプ。この差を「冷たい」と取られていたかもしれない。でも言わないと伝わらない。恵理は「うちは最初に『毎日は無理かも』って言った。それだけで全然違った」と言っていた。
3. 会う頻度の現実ライン
「週1で会いたい」と「月2で十分」のギャップは、思っているより大きい。仕事が忙しい時期に「なんで会えないの」と言われたら辛い。先に「繁忙期は月1になるかも」と伝えておくだけで、揉め事がひとつ減る。コウスケさんとは月2ペースだったけど、彼がそれで満足しているかは聞いたことがなかった。聞くのが怖かった。でもそういうのは、聞かない方がもっと怖いことになる。
4. SNSの距離感
Instagramに写真を載せるかどうか。ストーリーに映り込んでいいかどうか。友達に紹介するタイミング。全部、人によって感覚が違う。恵理は「彼氏がインスタのフォロワーに私の存在を隠してた」と怒っていた時期がある。聞けば「まだ早いかなと思って」だったらしい。聞かないと、妄想だけが膨らむ。
5. 「不安なとき」の伝え方
一番むずかしいけど、一番大事なやつ。不安を感じたとき、すぐ言うタイプか、溜め込むタイプか。コウスケさんは「アプリ消した?」を聞けるタイプだった。私は聞けないタイプだった。あの夜、聞かれるまで自分からは絶対に言わなかったと思う。「どっちが悪い」じゃなくて、伝え方のクセを知っておくだけで、すれ違いの半分は防げる。「不安だから聞いてるんだよね?」とコウスケさんに後から言ったら、「うん、俺も怖かった」と返ってきた。お互いに怖がっていたのに、怖さの出し方が違っただけだった。
アプリを消した朝のこと
コウスケさんとの5回目のデートの前日、Pairsを開いた。最後にログインしたのは2週間前。新しいいいねが17件溜まっていた。
1件も開かずに、アプリを長押しした。「削除しますか?」。画面がぼやけた。涙だった。なんで泣いてるかわからなかった。保険を手放す怖さか、コウスケさんへの気持ちを認めた安堵か、たぶん両方。
削除ボタンを押した。指先が震えていた。
翌日、新宿の焼き鳥屋でコウスケさんに言った。
「あのさ、消したよ。アプリ」
「……うん」
彼は笑わなかった。代わりに、テーブルの下で私の手を握った。指先がちょっと冷たくて、ああこの人も緊張してたんだ、と思った。焼き鳥の煙の向こうで、彼の目が少しだけ赤くなっていた気がした。
あの夜を経て気づいたこと
確認してから付き合うか、付き合ってから確認するか。順番に正解はない。ただ、「聞けない」を放置すると、気づいたときにはもう手遅れになっていることがある。
あの夜から3ヶ月経った。コウスケさんとは今も一緒にいる。週末は恵比寿のカフェで朝ごはんを食べるのが、いつの間にか習慣になった。アプリを消した朝のことを時々思い出す。17件のいいね。開かなかったあの17件が、今のこの関係を守ってくれた気がする。
あの夜、聞いてくれてありがとう。聞かれなかったら、私はまだ片足を出口に向けたまま、中途半端に笑っていたと思う。
保険を捨てた日に、恋が始まった。
よくある質問
付き合う前にアプリを消すべきですか?↓
相手にアプリを消したか聞くのは重いですか?↓
付き合う前に確認すべきことを切り出すタイミングはいつですか?↓
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。
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