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「この人おかしい」と思った夜に後悔した。業者・サクラを見破るサイン

最初から「なんか変だな」と思っていた。でも失礼かもと思って無視した。その結果、2時間分の感情を無駄にした。業者やサクラには必ず共通のパターンがある。気持ち悪いくらい、判を押したように同じ。3回の遭遇と1回の「危うく」経験から、

27・女性の体験
·橘みあ·6分で読める

「はじめまして、素敵だと思いました」は失敗のサインだ。


最初のメッセージがこれだった。丁寧だし、変なことも書いていない。なのにスマホを握った手に、わずかに汗をかいた。何かが引っかかっていた。でもわからなかった。何が引っかかっているのかが。


その「引っかかり」の正体を突き止めるまでに、3回の遭遇が必要だった。


業者・サクラのプロフィールに共通する「均一さ」


振り返ると、3回とも同じパターンだった。


写真がプロすぎる。プロが撮ったかのような照明、角度、補正。でもプロフィールには「会社員」「フリーランス」と書いてある。一般人がそこまで整った写真を持っているケースは少ない。特に全カット同じような雰囲気で、表情のバリエーションがない写真は要注意だ。笑顔、笑顔、笑顔。全部同じ角度、同じ光、同じ補正。本物の人の写真フォルダに、そんなに統一感があるはずがない。


自己紹介文が「テンプレ感」がある。「趣味は映画鑑賞と料理です」「明るい性格です」「気軽にメッセージ下さい」。悪くないが、具体性がゼロ。好きな映画のタイトルもなく、料理のジャンルもなく、「明るい」とはどういう意味かの説明もない。どこにでも当てはまる言葉だけで構成されている。1回目と3回目の業者の自己紹介が、文字通り一字一句同じだった。コピペだと気づいたのは後から比べたとき。


年齢と写真のミスマッチ。プロフィール上は30代と書いてあるのに、写真の肌感・雰囲気が明らかに年齢と合っていない。あるいは写真が極端に若く見える。年齢詐称はともかく、写真そのものが別人の可能性がある。外国の一般人の写真を使っている業者も多く、光の入り方が日本の室内と微妙に違うことがある。


登録日が「つい最近」なのに、プロフィールの完成度が高い。始めたばかりのはずなのに、回答欄が全部埋まっていて、写真も複数枚用意されている。本当に始めたばかりの人のプロフィールは、たいてい少し雑だ。「とりあえず書いてみた」感がある。それがない人は、用意周到に作ってきた可能性がある。


メッセージでわかる、3つの異変


プロフィールをすり抜けてきたとしても、メッセージのやりとりに必ず異変が出る。


返信が速すぎる、かつ長すぎる。送った直後に「読んでいただいてありがとうございます。私もそう思っていました。○○さんのプロフィールを拝見して、特に△△のところに共感しました」という長い返事が来る。テキストを打つには速すぎる速度で、整いすぎた文章が来る。コピペか、あるいはAIが生成している。返信が遅れた後に来た長文も同様だ。「返事が遅くてごめんなさい、でも」と始まる温かみのある長文は、待っている間に貯めておいた文章テンプレートだったりする。


質問への回答が微妙にズレる。「今どこに住んでますか?」「都内のほうです」「都内のどのあたりですか?」「住んでいるところの近くです」。答えを避けている。追い詰めると話題を変える。私が3回目に遭遇したアカウントは、出身地を聞いたら「東日本の方です」と言った。東日本って何県だ。「仕事は何してるんですか」「IT関係です」「どんな仕事ですか」「色々やってます」。これだけズレると、もはや職業を確認する気がなくなる。それが狙いだ。


急にLINEや他のサービスに誘導してくる。「アプリよりLINEの方が使いやすくて」「こちらのサイトも使ってて、そっちに移りませんか」。アプリ外への誘導は、基本的に全部アウトだ。サクラはアプリの監視を逃れるために外に出たがる。業者は別サービスへの誘導で収益を得ている。LINEに誘導してから「実は友人が良いサービスを知っていて」と話を進める手口は、今でも多く報告されている。


「危うく」の経験——直感を無視した代償


3回とも怪しいと思っていたのに、確信が持てず、2〜3日やりとりを続けてしまった。その間に費やした時間と感情は、戻ってこない。


一番引きずったのは、2回目の相手だ。写真がきれいで、プロフィールの文章も読んでいてそれほど不自然じゃなかった。でも4日目に「最近仕事がうまくいかなくて」という話になって、「実は投資で少し資産を増やしてるんですが」と続いた。


喉が冷えた。


「詐欺だ」と確信した瞬間、返信せずにブロックした。でも4日間のやりとりがあって、少し心を動かされていたので、ブロックした後しばらく画面を見ていた。信じかけていた自分への苛立ちと、信じさせようとした相手への怒りが同時にあった。4日分の感情を処理するのに、1週間かかった。


あの冷えた喉の感覚、今でも覚えている。「おかしいな」と思った最初の直感は、正しかった。その直感を最初の日に使っていれば、4日分の感情は消費しなくて済んだ。


見破ったあとにすべきこと


怪しいと判断したら、迷わずブロック・通報の両方を実行する。通報だけでは相手から見えている状態が続く場合がある。ブロックと通報をセットでやること。


やりとりを証明するスクリーンショットは通報前に保存しておく。アプリ運営への報告には証拠があった方がいい。「変だった」という感覚だけでなく、具体的なメッセージの内容を残しておく。スクリーンショットを保存してからブロックする順番にする。


外部サービスへの誘導があった場合は、絶対に踏まない。URLをクリックするだけでフィッシング被害に遭う可能性がある。LINEへの誘導も、個人情報の漏洩リスクがある。


「直感がおかしいと思った時点でアウト」というルールを自分に課した。確信がなくていい。「なんか変」で十分だ。その感覚は、積み重なった情報処理の結果だ。理由を説明できなくても、体が先に知っている。


知らない人に「素敵だと思いました」と言われて嬉しくなる気持ちは、人間として当然だ。業者はその当然の感情を狙っている。それを恥じる必要はない。ただ、次からは「嬉しい」と「正しい」を分けて考えるだけでいい。


「素敵だと思いました」という文章が、誰に対しても同じ文章で送られているという事実は、嬉しさを一切否定しない。でも「あなただけに送っている」わけではないことを、頭の隅に置いておく。それだけで十分だ。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

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