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初めて会う前夜、友達に居場所を送った理由と、その後起きたこと

「なんかもしものときのために」と思って、待ち合わせ場所と相手のプロフィール名を友人にLINEで送った。大げさだと自分でも思っていた。でもその夜、その「もしも」が半分くらい起きた。過剰反応だと思っていた安全対策が、

29・女性の体験
·橘みあ·6分で読める

正直に言う。待ち合わせ30分前に居場所を送ったのに、何も起きなかった。


「今日初めて会う人いるんだけど、なんかあったときのために」と友人の千波にLINEした。相手のプロフィール名、待ち合わせ場所(恵比寿駅の西口改札)、待ち合わせ時間(19時)、使っているアプリ名。送りながら「大げさだな」と思っていた。


千波から「気をつけてね、23時になっても連絡なかったら電話する」と返ってきた。ちょっと大げさだと思った。でも正直、少し安心した。スマホをポケットにしまって、駅に向かった。


その夜、23時になっても私は帰っていなかった。


何が起きたか——前半は普通だった


待ち合わせ相手は、プロフィール通りの人だった。33歳、IT系の会社に勤めていると言っていた。普通に話せて、最初の30分は問題なかった。仕事の話、週末の過ごし方、好きな映画。恵比寿の夜の空気の中で、会話は普通に続いていた。


恵比寿から渋谷に移動して、居酒屋に入った。ここまでは計画通り。問題が起きたのは2時間後だった。


「次の店、知ってる場所があるから」と言われた。「どのあたりですか」と聞いたら「渋谷の奥の方で、ちょっとわかりにくいかも」という答えが返ってきた。「奥の方」が何を指しているか、はっきりしなかった。どこかに連れて行かれる、という感覚が腹の底に生まれた。


「今日はここで失礼します」と言おうとしたとき、「もう1軒だけ、すぐそこだから」と畳み掛けられた。声のトーンが変わっていた。さっきまでの感じとは少し違った。


喉が固くなった。お腹の下の方がすっと冷えた。テーブルの上の生ビールのグラスを見た。まだ半分ある。関係ない情報が頭に入ってきた。


「ちょっとトイレ」と言って席を立って、洗面台の前で千波に電話した。「今渋谷にいる。次の店に誘われてるんだけど、どこか分からなくて」と伝えた。千波は「帰れる?」と言った。「帰る」と答えた。


席に戻って「今日はここまでにします」と言った。相手は少し不満そうだったが、強引に引き止めることはしなかった。


帰りの電車の中で、手が少し震えていた。大したことは起きなかった。でも「起きていたかもしれない」は確実にあった。千波に送った1通のLINEが、あの夜のなにかを変えた。


初めて会う前にやること、全部


あの夜の経験を経て、今は以下のことを全部やるようにした。習慣になった。


相手の情報を第三者に送る。プロフィール名、待ち合わせ場所、時間、アプリ名。これを出発前に必ず友人1人以上に送る。「大げさ」とは思わなくなった。スクリーンショットをそのまま送れば1分で済む。「今日会ってくる」という一文だけでも、送っていない状態とは全然違う。


帰宅連絡の時刻を決めておく。「23時までに連絡がなければ電話して」という約束をしておく。自分が返事できない状況になっていたとき、外から確認してもらえる仕組みを作る。この仕組みがあるだけで、相手もそれを知らずに「外から見ている人がいる」という事実が生まれる。


最初の待ち合わせ場所は必ず公共の場所。改札前、駅の出口、商業施設の入口など、人が多く、監視カメラがある場所。「わかりにくいから直接店まで来て」という相手の提案は断る。初回の待ち合わせ場所を相手に指定させない、というルールを持っておくこと。


1軒目の場所は事前に調べておく。「どこでもいいですよ」で相手に任せると、自分がその場所を知らない状態で連れて行かれる。事前に候補を1つ用意しておいて「ここどうですか」と提案できる状態にしておく。自分が知っている場所で会うと、それだけで状況の把握がしやすくなる。


終電の時間を頭に入れておく。「遅くなっても泊まれるから」という発言が出た場合の、断る理由として使える。「終電があるので」は完璧な退場理由だ。終電がなくなってからの展開を、相手は計算していることがある。終電の時間を知っておくことは、その計算を崩す。


「危ない人を見抜く」より「危ない状況を作らない」


あの夜の相手が本当に危険な人物だったかどうかは、今でもわからない。「もう1軒だけ」は純粋な誘いだったのかもしれない。それが確認できないのが、初対面の怖さだ。


でも、わからないということ自体が問題だ。初対面の相手の意図を読むのは難しい。だから「相手を見抜く」ことに頼るのではなく、「状況のコントロール」を自分が持つことの方が意味がある。


知っている場所で会う。終電の時間を把握している。外に連絡できる状態がある。席を立てる(トイレに行ける)。この4つが揃っていれば、たいていの「おかしい」状況から抜け出せる。


日程変更を嫌がる相手、場所の変更を受け付けない相手、事前のビデオ通話を拒否する相手——これらは全部、何かを隠している可能性がある。拒否反応そのものが情報だ。提案を断られる側には、断られる理由がある。


あの夜、千波に送った1通のLINEが、安心の土台になった。「大げさかも」と思いながら送った情報が、あの夜の私を守った。


アプリで会う前の、心の準備について


もう一つ、あの経験から気づいたことがある。「この人は安全かどうか」を判断する基準を、事前に持っておくということだ。


会ってみないとわからないことは確かにある。でも、「ビデオ通話を拒否しないか」「場所の変更を受け付けるか」「日程変更を急かされないか」は、会う前に確認できる。これらが全部スムーズにいった相手と会うのと、どれかが引っかかった相手と会うのとでは、出かけるときの心持ちが違う。


「断られたら嫌かも」と思って確認しないのは、確認しないことで自分のリスクを高めている。断られること自体が、一つの情報だ。ビデオ通話を強く嫌がる相手は、会ったときに何かしらの「見せたくない理由」を持っている可能性が高い。それが体型でも、顔でも、既婚であることでも、何かがある。


何も起きなければ「大げさだったね」と笑えばいいのに。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

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