マッチングアプリの業者・詐欺。最新の手口と見分け方
1週間やりとりして「この人いいかも」と思った相手が業者だった。恵比寿のスタバで「投資の話を聞いてみませんか」というLINEを見た瞬間、手が冷たくなった。気づけなかった理由と、今ならわかるサインを書く。
「投資の話を聞いてみませんか」——目が覚めた。
1週間やりとりした人だ。仕事の話、趣味の話、「次に会ったら〜」という未来の話まで。恵比寿のスタバでアイスラテを飲んでいるときにLINEの通知が光って、その一文を見た瞬間、スマホを持つ手が冷たくなった。
後で調べたら、「普通に見えるやりとりが最初に来る」のが最新の業者パターンだった。
「この人いいかも」のあとに来るもの
まず知っておくべきことがある。業者は、最初から怪しいわけじゃない。
日曜の夜にソファで毛布にくるまりながらアプリを開いて、よさそうな人からメッセージが来ていたらどうするか。「はじめまして、映画好きなんですね。最近何か観ましたか?」——この一文がスパムだと気づける人は少ない。返信するだろう。私はした。
5日目に「好きかもしれない」と思い始めて、7日目に投資の話が出た。その5日間の感情が、判断力を鈍らせていた。
2026年時点で多い業者・詐欺の3パターン
パターン1:投資・副業誘導型(最多)
最初の数日は普通の恋愛トーク。ある程度関係ができたところで「最近副業で少し稼げるようになって」「一緒に試してみませんか」という展開。FX・仮想通貨・MLMなど。成功のスクリーンショットを送ってくる。渋谷のマークシティのスタバで検索して、同じ手口の記事が10件以上出てきたときの背筋の寒さは忘れられない。
パターン2:LINE誘導型
最初のメッセージで「アプリより使いやすいので」とLINEへの移動を急かす。アプリの通報機能を逃れるための手口。
パターン3:有料サイト誘導型
「もっと詳しく話したいけど、このサイト経由だと安心」と別の有料サービスへ誘導する。
見分けるサイン、5つ
①プロフィール写真が「完璧すぎる」。プロのモデルのような写真、実在しない顔。②最初のメッセージが早すぎる。マッチング直後の数分で長文が来る。③「あなただけに」「特別に教えたい」という言葉。④LINEへの移動を急かす。⑤会おうとすると「仕事で忙しい」「今は無理」と理由をつけて会わない。
この5つのうち2つ以上当てはまったら、ほぼ確定で黒だと思っていい。
「怪しい」と思ったときにやること
返信を止める。アプリ内の「報告・ブロック」機能を使う。お金に関する話が出た時点で即無視する。
一番難しいのは、ここだった。「でも、もしかしたら本当にいい人かもしれない」——この言い訳が頭に浮かぶ。信じたい気持ちが、見えているものを見えなくさせる。あの1週間で学んだのは、違和感を感じた瞬間に検索するクセをつけること。「マッチングアプリ 投資 誘い」で検索して何も出てこなければ本物かもしれない。でも出てきたら、そこで終わりにする。
投資の話、副業の話、「一緒に稼ごう」という話が出た瞬間、どんなに前のやりとりが良くても、関係ない。
友達が引っかかったケース——新宿のカフェで聞いた話
私はLINEをブロックするところで止まれた。でも友達は、止まれなかった。
新宿のルノアールでビールを飲みながら聞いた。友達は2週間やりとりして、3回電話して、「この人なら信頼できる」と思い込んでいた。FXの口座を開設して、最初に3万円入金した。翌日「利益が出てる」と画面を見せられて、追加で10万円入金した。
「利益」はブラウザ上の数字だった。出金しようとしたら「もう少し待ったほうが」と言われ、1週間後にアカウントごと消えた。13万円。友達はルノアールのテーブルに額をつけた。
消費者ホットライン(188)に相談した。返金はできなかった。
業者に引っかかりやすい状態がある
孤独なとき。寂しいとき。アプリで全然マッチングしなくて、ようやくいい人が来たと思ったとき。——「信じたい」気持ちが最大になっている状態が、一番危ない。
平日の夜、一人暮らしのアパートで毛布にくるまりながらアプリを開いている瞬間。LINEの通知音が鳴って、「今日も返事が来た」と胸がじわっとする瞬間。その温かさが本物かどうか、冷静に見る余裕がない。
だからこそ、「少しでも怪しい」と感じたらまず検索する。その10分が、数万円と数ヶ月の時間を守る。
通報とブロックは、誰かを助ける行為でもある
業者をブロックしただけで終わらないでほしい。アプリ内の「通報」機能を使う。報告が集まれば、その業者のアカウントは凍結される。次に同じ手口に引っかかりそうな誰かを守れる。
PairsもOmiaiもwithも、通報機能はプロフィール画面の右上にある。30秒で終わる。自分が助かったなら、次の誰かも助けてほしい。それが、アプリ全体の安全を作っている。
好意は簡単に偽装できるけど、違和感は偽装できない。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。