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断るのが苦手だった夜、後悔して変えた丁寧な断り方

Pairsで最初の3ヶ月、誰も断れなかった。「ちょっと予定が…」を繰り返して自然消滅を待っていた。それが優しさじゃないと知ったのは、相手に「もう返信しなくていいです」と送られてきた日。断る側も断られる側も、誠実にできる方法がある。

28歳・女性の体験
·橘みあ·6分で読める

正直に言う。3ヶ月誰も断れなかったのに、変えた。


断ることが、ずっと苦手だった


Pairsを始めてから最初の3ヶ月、私は誰も断れなかった。


気が乗らない相手からデートに誘われても「ちょっと予定が…」とごまかして、次の週も「来週も難しそうで…」とまたごまかす。相手がしびれを切らして連絡を止めてくれるまで、ひたすら曖昧な返事を送り続けていた。


それが「優しさ」だと思っていた。ちがった。


ある日、4回目のメッセージをごまかした相手から「もしかして嫌いですか」と来た。喉の奥が詰まった感じがした。嫌いじゃないけど、好きでもない。でも「嫌いじゃないです」と返したら、また続く。その夜、23時にスマホを置いたまま天井を見ていた。


私がやってきたことは優しさじゃなくて、ただの先送りだった。



メッセージ段階で断るとき


デートの前、まだやりとりの段階で「この人とは会いたくないな」と感じることはある。ルックスじゃなくて、会話のテンポが合わないとか、なんとなく価値観が遠いとか、うまく言葉にできない「ちがう」感覚。


そのとき、私が今使っているのはこういう一文。


「ありがとうございます。正直にお伝えすると、他に気になっている方がいて、今は新しくやりとりを進めるのが難しい状況です。良いご縁がありますように」


これだけでいい。


理由は一行あれば十分。「合わないと感じた」という本音をそのまま書かなくても、「他に気になる方が」という一言があれば相手は「自分に問題があったわけじゃないかも」と受け取りやすい。傷つけゼロは無理でも、傷を小さくすることはできる。


詳細はいらない。「どんな人ですか?」「どこが合わなかったですか?」と聞かれても答えなくていい。断りの説明は一度で完結させる。


追加で謝り続けるのも逆効果。「本当に申し訳なくて…」と何度も重ねると、相手は「何かひどいことをされた人」みたいな気持ちになってくる。一度、丁寧に、それで終わり。



デートのあとで断るとき


5回目のデートのあとで断られたことがある。恵比寿のワインバーで3時間話して、「また連絡するね」と言って別れた翌朝、LINEが来た。


「昨日はありがとう。楽しかったし、あなたのことが好きなんだけど、正直に言うと恋愛感情として続けていくイメージが持てなくて。これ以上会うのは誠実じゃないと思った」


最初は「えー」って声に出た。でも読み返すたびに、じわじわと「ちゃんと言ってくれた」という気持ちが出てきた。


逃げずに言葉にしてくれた人を、嫌いになれなかった。


デートのあとで断るときは、「楽しかった」という事実があるなら入れていい。お世辞じゃなくて、本当に楽しかったなら。その上で「でも恋愛として続けるイメージが持てない」と伝える。「合わなかった」「なんか違った」はぼかしていい。相手が知りたいのは「なぜか」より「どうなるか」だから。


やってはいけないことがある。


ゴースティング。返事をしないで消えること。これだけはしない。「既読無視されたのかな」「もう少し待てばいいのかな」と相手を宙づりにするのは、断る勇気がなかった自分のためだけにやっていること。相手の時間を、勝手に奪っている。


「友達としてなら」という逃げ道を作るのも苦しくなる。友達になりたいわけじゃないのに「友達として」と言われた相手は、どこに気持ちを置けばいい。


「今は忙しくて」も、断りじゃない。「じゃあ落ち着いたら」という希望を持たせてしまう。忙しさは終わるものだから。



断られたとき


with で3週間やりとりした人に断られたとき、最初に送った返事がこれだった。


「そうなんですね。教えてくれてありがとうございます」


それだけ。


正直、もっと言いたかった。「どこが合わなかったんですか」って聞きたかった。でも聞いても変わらないことはわかっていたし、相手にとって説明は義務じゃない。理由を教えてもらったところで、納得できるとは限らない。むしろ具体的に言われるほど傷が深くなることもある。


断られたときにやることは、三つだけ。


1. 「教えてくれてありがとう」と一言返す

2. 追わない、言い訳しない、責めない

3. 断られた理由を聞かない


これだけで、相手への礼儀は十分に果たせる。感情が追いつかなくてもいい。「残念でした」という気持ちを無理に消す必要もない。ただ、それを相手にぶつけない。


中目黒を歩きながら「なんでだろう」と考えて、答えが出なくて、コーヒーを飲んで、それでいい。マッチングアプリの縁は、合う人に出会うための「数」でできている。一つの断りが、どこかの出会いへのルートになっている。



断ることは、相手への最低限の誠意


断るのが怖いのは、相手を傷つけたくないからじゃなくて、嫌われたくないからかもしれない。


私はそうだった。断ったら怒られるかも、陰口を言われるかも、そう思っていた。でも実際に丁寧に断ってみると、ほとんどの人は「ありがとうございます」と返してくれた。怒った人は一人もいなかった。


断らずに消えることの方が、よっぽど相手の時間を奪う。


断ることに慣れてから、アプリが少しだけ楽になった。会いたい人にだけ会えるようになったし、自分の「なんかちがう」という感覚を、ごまかさなくてよくなった。


断ることも、断られることも、どちらもまともにできる人間になることが、マッチングアプリを長く続けられる唯一の理由だと思っている。


「yes」を言い続けることじゃないのに、断れなかった。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

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