遠距離恋愛を続けるために、本当に必要な3つのこと
距離は問題じゃない。問題は、会えない期間に何が積み重なるかだ。
新幹線の改札で、泣くのを我慢した話
25歳の冬、彼が大阪に転勤になった。
付き合って8ヶ月。まだお互いのことをちゃんと知り切れていない、そんな時期だった。新幹線の改札口で「じゃあまたね」と言って手を離した瞬間、喉の奥に何かがつかえた。泣きたいのか、怒りたいのか、自分でもわからないまま、ホームへ向かう彼の背中を見送った。
「大丈夫、すぐ会いに行くから」
その言葉を信じていた。でも、「すぐ」がどれくらいかを、私たちは決めていなかった。
東京と大阪、新幹線で2時間半。距離だけ見ればそこまで遠くない。だけど最初の2ヶ月は、ほとんど会えなかった。お互い「忙しいから」と言い合いながら、本当は「会いたいと言い出せない空気」が漂い始めていた。
結局、その遠距離は2年続いた。壊れそうになったことも一度や二度じゃない。それでも最終的に彼が東京に戻ってきて、今は一緒に暮らしている。あの2年間を振り返ったとき、続けられた理由が3つだけある、と思っている。
1. 「次に会う日」を、別れ際に必ず決める
最初の失敗は、「また来月ね」で別れていたことだった。
来月の、いつ?土曜?日曜?どっちが行く?——何も決まっていないまま新幹線に乗ると、改札を出た瞬間からもう不安が始まる。LINEの返信が遅れるたびに「もしかして会う気ないのかな」と疑い出す。
あるとき、大阪のホテルでチェックアウト前に、彼がスマホのカレンダーを開いた。「次、5月の第2土曜、空いてる?梅田でもいいし、そっち行ってもいいけど」——その一言で、何かが変わった。
具体的な日付がある。それだけで、空港に向かう気持ちが全然違う。
次に会う日が決まっている遠距離は、耐えられる。「いつかまた」という遠距離は、じわじわと崩れていく。別れるときに「じゃあまた来月の第2土曜」と決める習慣をつけてから、私の不安の量が体感で半分以下になった。これは大げさじゃない。
2. 日常の「小さな共有」を、毎日続ける
遠距離を始めた頃、毎晩1時間電話していた。
最初はよかった。でも3ヶ月も経つと、「今日も何もなかった」「こっちも別に」という無言の圧が漂い始める。電話が義務みたいになって、切るタイミングを探し合うようになった。
それをやめて、短いメッセージに切り替えた。
「中目黒のスタバに新しいラテ出てて美味しかった」「仕事でめちゃくちゃミスした死にたい」「帰りの電車で席譲ったら無視されたんですけど」——こんな他愛もないやつを、一日1〜2回送るだけ。
最初は「こんなの送っていいのかな」と思っていた。でも彼から「マジで?それ何ラテ?」「え俺もそれあった笑」みたいな返信が来るようになって、なんか、一緒に同じ時間を生きている感じがした。
会えない時間に、相手の日常に存在し続けること。長い電話よりも、この「短い共有の積み重ね」のほうが、距離を縮めた。Pairsで知り合った友人が言っていた。「毎日電話してたのに別れたの、なんでだろうってずっと思ってたけど、多分話すことがなくなってたんだよね」。声の長さじゃなくて、日常の解像度が問題だったんだと思う。
3. 「遠距離の終わり」を、ふたりで決めておく
これが一番しんどかった。
遠距離を始めて1年が経った頃、彼の転勤がいつ終わるか、まったく見えなくなってきた。「あと1年くらいかも」「いや2年かも」——会うたびにその話になって、会うたびに宙ぶらりんなまま終わる。
吉祥寺のイタリアンで、泡のワインを飲みながら私は言った。「ねえ、いつまでこれ続けるの」。怒ってたわけじゃない。ただ、疲れていた。
「えー……」と彼は少し沈黙して、「2年以内には何か決める。俺が戻るか、お前が来るか、もしくは終わりにするか。とにかく2年以内に結論出す」と言った。
その言葉の重さを、今でも覚えている。ゴールが見えた。期限が決まった。それだけで、またゼロから走れる気がした。
遠距離に期限を設けることに抵抗を感じる人もいると思う。「プレッシャーになるんじゃないか」「ちゃんと言い出せない」って。でも、ゴールのないマラソンを走り続けられる人はいない。なんとなく続けている遠距離は、お互いを消耗させるだけだ。
遠距離が終わる本当の理由
距離で別れたカップルを、私は何組か見てきた。
Tinderで知り合って遠距離になった友人は、1年で別れた。「距離が辛かった」と言っていたけど、話を聞くと「最後に会ったのがいつかわからなくなっていた」「彼が何してるか全然知らなかった」という状態だった。距離より先に、お互いへの解像度が消えていたんだと思う。
「何してるかわからない」「本当に好きでいてくれるのか」「会えない間に変わっていく」——遠距離を壊すのは、ほとんどの場合この3種類の不安の積み重ねだ。距離そのものじゃない。不安が積もって、それを放置して、ある日突然限界が来る。
その不安を埋めるのが、次に会う日を決めることで、日常を共有することで、終わりの形を話し合うことだった。
具体的にやったことを書いておく。
1. 別れ際に次の日程を決める(「来月第2土曜どう?」というレベルまで落とし込む)
2. 1日1回、どんなに短くても「今日あったこと」を送る(返信が来なくてもいい)
3. 半年に一度、「この遠距離がどこへ向かっているか」をちゃんと話す
全部、地味だ。劇的でもないし、特別でもない。でも遠距離って、その地味な積み重ねしか武器がないと思う。
距離は、問題じゃなかった
2年後、彼は東京に戻ってきた。
引っ越しの日、荷物を一緒に運びながら彼が言った。「あの2年間、俺なんかごめんな」。「マジで?今さら?」と笑いながら、でも胸の奥がじんわりした。
距離は問題じゃなかった、とは言わない。しんどかった。本当に。
ただ、距離より怖いのは、会えない時間に何も積み重ならないことだった。積み重なるものがある限り、2時間半は思ったより遠くない。
距離は縮められなくても、解像度は上げられる。
よくある質問
遠距離恋愛が続かない理由は何ですか?↓
遠距離恋愛を成功させるコツは?↓
遠距離恋愛でよくある問題と対策は?↓
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。