「愛情表現」の違いが、すれ違いを生む
同じくらい好きなのに、なぜかうまくいかない。それは愛し方が違うからかもしれない。
「ちゃんと好きって言ってるのに」
Pairsで出会った彼と付き合って3ヶ月が経ったころ、私はじわじわと不安になっていた。
好きかどうかと聞かれたら、間違いなく好き。彼だってそう言ってくれる。なのに、なぜかいつも微妙にズレている感じがした。中目黒の川沿いを歩きながら、「最近どうかな」と彼に聞いても、「普通じゃない?」と返ってくるだけ。この「普通」が、じわじわと喉の奥に刺さった。
私が「好きだよ」「会いたい」「昨日夢に出てきたよ」とLINEを送っても、彼の返信はいつも短い。スタンプひとつとか、「おれも」の三文字とか。言葉が少ない人なんだと思っていた。でも、ある日の夜、彼が突然「おまえ最近元気ないよね」と言った。
「えー、そう見える?」
「うん。なんか心ここにあらずって感じ」
気づいてくれていたんだ、と思った瞬間、ちょっと泣きそうになった。彼は言葉でこまめに気持ちを伝えるタイプじゃないけど、ちゃんと私を見ていた。そのとき初めて、「伝え方が違うだけで、愛情がないわけじゃないんだ」という感覚が、頭じゃなくて体のどこかに落ちてきた。
5つの愛情言語という考え方
心理学者ゲイリー・チャップマンが提唱した「愛の5つの言語」という考え方がある。人それぞれ、愛情を感じる方法と、愛情を表現する方法が違う、というものだ。
1. 言葉による肯定:「好きだよ」「ありがとう」「それ似合ってる」といった言葉
2. クオリティタイム:一緒に過ごす時間の"質"、スマホを置いてちゃんと向き合う時間
3. 贈り物:プレゼントだけじゃなく、「これ見てあなたを思い出した」というコンビニのお菓子でも
4. サービス行為:料理を作る、荷物を持つ、面倒なことを率先してやる
5. スキンシップ:手をつなぐ、隣に座る、頭をなでる
これを知ったのは、彼と付き合って4ヶ月目に友人に勧められた本だった。読み始めて数ページで、「あ、これ私たちのことだ」と思った。私の愛情言語は明らかに"言葉"で、彼のそれは"クオリティタイム"だった。
なぜすれ違いが起きるのか
私は言葉で伝えることが愛情の証だと思っていた。だから毎日LINEを送り、会うたびに「好き」と言い、23時に「今日も楽しかった」と打ち込んでいた。一方で彼は、スマホを置いてただ隣にいることに、言葉の百倍の意味を感じるタイプだった。
「ちゃんと好きって言ってるのに伝わらない」と私が感じていた裏で、彼は「一緒にいるのにスマホばっかり見てる」と感じていたらしい。後から聞いて、胸に刺さった。私は言葉を送り続けて満足していたけど、彼が求めていたのはもっとシンプルなことだった。ただ、目の前にいること。
この構造は思ったより多くのカップルに当てはまる。言葉で愛情を確認したい人と、行動で示してほしい人。プレゼントに喜びを感じる人と、「物より時間をくれ」という人。お互いが「こんなにしてるのに」と思いながら、相手には届いていない。すれ違いの原因が「愛情の量」じゃなくて「愛情の届け方」にあるとしたら、こんなにもったいないことはない。
with でマッチングした男性と2ヶ月で別れた友人は、別れた後に「あの人、毎週末必ずご飯作ってくれてたんだよね」と言っていた。「それって好きってことだったのかな」と、少し遠い目をしながら。気づいたのが遅すぎた、と。
相手の愛情言語を知る方法
「どの言語を持っているか」を探るのに、一番手っ取り早いのは直接聞くことだ。「何をしてもらうと一番嬉しい?」「デートで一番好きな時間ってどこ?」みたいな聞き方で、意外と核心に近づける。
ただ、聞くのが難しい関係もある。付き合い始めや、マッチングアプリで会って間もないころなら、観察の方が使いやすい。
見るべきポイントは3つある。
1. 相手が「してくれる」こと:人は自分がされて嬉しいことを、相手にもしようとする傾向がある。料理をよく作ってくれる人は"サービス行為"が言語かもしれない。
2. 相手が「求める」こと:「もっと連絡してほしい」と言う人は言葉の言語、「もっと会いたい」と言う人はクオリティタイムかもしれない。
3. 相手が「不満を感じる」こと:不満の裏側に、満たされていない愛情言語が隠れている。
私の場合、彼が「最近2人でいるときスマホ多くない?」と言ったとき、最初は「え、そんなに?」と思った。でも、それが彼なりの「もっと私だけを見てほしい」という訴えだった。言葉にならない不満は、愛情言語のヒントになる。
愛情表現は、練習できる
自分の「デフォルト」と違う表現を使うのは、最初は少し照れくさい。言葉で伝えるのが得意じゃない人が「好きだよ」と言うのも、スキンシップが苦手な人がそっと手を握るのも、ぎこちなくて当然だ。
でもそれは、練習でどうにかなる。
私は彼に合わせて、LINEを減らして横にいる時間を増やした。吉祥寺のカフェで、スマホをカバンにしまって2時間ただ話した。「なんか今日いつもと違うね」と彼が言った。「マジで?」と返しながら、内心どきっとした。たったそれだけで、何かが変わった気がした。
彼も変わった。ある日突然「好きだよ、ちゃんと言わなすぎだったな」と言ってきた。不意打ちすぎて、「え、急にどうした」と笑ってしまったけど、喉の奥がじんとした。彼なりに、私の言語を学ぼうとしてくれていた。
5つの言語のどれが正解ということはない。ただ、相手の言語で話しかけないと、どれだけ声を張り上げても伝わらない。愛情は「ある」だけじゃなくて、「届く形で渡す」ことで初めて機能する。
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愛は量じゃなくて、翻訳の問題なのかもしれない。
よくある質問
愛情表現の違いでカップルがすれ違う理由は?↓
好きなのに上手くいかない関係はどうすればいい?↓
愛情表現のタイプにはどんな種類がある?↓
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。