お金の価値観が違う夜、後悔して気づいたこと
「今日は出します」という言葉を彼に受け入れてもらえるまで4ヶ月かかった。付き合って半年で10回以上話し合ったお金の話。デートの費用分担——お金の価値観が違う相手と付き合ってわかった、早めに話すべき理由。
「今日は出します」と言えるまで4ヶ月かかったのに、受け入れてもらえた。
付き合って半年の間に、私たちのお金の話は少なくとも10回は話し合われた。笑える話じゃないけど、今なら笑える。あの頃の自分たちは、二人ともお金の話に不慣れすぎて、お互い傷つかせないようにしながら傷つけ合っていた。
最初のデートは神田のビストロだった。彼が「好きな店があって」と言って選んだ店で、コースで2万円くらいした。払おうとしたら「いいです」とカードを出されて、正直なところ内心「えっと」と思った。ありがたいけど、なんか重かった。次のデートも払われた。その次も。
「半分出させてください」と言うたびに「いいよ」と言われた。でもなんとなく、彼の顔が「えっ」という感じになっていた。気のせいかもしれなかった。でも毎回そうだった。
お金の価値観が違うカップルに起きること
「割り勘派」と「男が出す派」が付き合うと、どちらも相手への気遣いから動いているのにすれ違う、という構造が生まれる。
私の側から言うと、「払ってもらうことへの申し訳なさ」が積み重なる。感謝はしている。でも毎回払ってもらうと、「相手に負債を作っている」という感覚が出てくる。デートの提案をするとき、「高いところを言ったら悪い」と思って遠慮する。行きたい場所より「相手に負担をかけないところ」を選ぶようになる。
彼の側から言うと(後から聞いた話だけど)、「払うのが好きなのに、受け入れてもらえない」という気持ちがあったらしい。彼は「奢ることで喜ばせたい」という気持ちが強くて、私が割り勘を求めることが「気持ちを拒否されてる感じ」に映っていたと言っていた。
どちらも悪くない。でも擦り合わせないと、どちらも傷つく。「お金の話はなんとなく」でいると、なんとなく傷つき続ける。
「お金の話」を早めにするコツ
「正直に、どうしたいですか」と聞いたのは、付き合い始めて3ヶ月目だった。恵比寿のカフェで、コーヒーが来てから、切り出した。
「出したいんですよ、本当は」と彼は言った。「でもあなたが気を使うのも嫌で、だから複雑で」と続いた。
私は「払ってもらうのは嬉しいけど、申し訳ない気持ちになる。毎回だとその気持ちが積み重なって、デートが少し重くなる」と正直に言った。
「それは言ってほしかった」と彼は言った。「わからなかったです、言ってくれて良かった」
そこで決めたルールが「特別な日は彼が出す、普段のデートは割り勘」だった。誕生日、記念日、どちらかがしんどいとき——そういう日は彼に任せる。それ以外は半分にする。
このルールにしてから、デートが軽くなった。「今日割り勘だから、ここ食べたい」と遠慮なく言えるようになった。彼も「今日は俺が出す日だから、どこでも行こう」と言えるようになった。
Pairs、with、Tinder——アプリでの「お金の話」はいつするか
アプリで知り合った相手との場合、最初のデートでの支払いは「どちらが出すか」という雰囲気が読めないことが多い。初対面でいきなり「割り勘で」と言うのも変だし、毎回奢ってもらうのも続かない。
一番やりやすいのは、2〜3回目のデートで軽く触れること。「私も出したいんですけど、どうしたいですか?」と聞くのが一番シンプルで、相手が「いや、出します」と言えば素直に受け入れ、「じゃあ割り勘で」と言えば迷わず割る。
大事なのは、どちらの形でもすり合わせること。「出してもらっていいの?申し訳ない」という気持ちが積み重なってからでは遅い。
お金の話は無粋、という感覚があるかもしれない。でも話さないまますれ違う方が、もっと無粋だ。お金の使い方は価値観の一部で、価値観を話せない関係は、遅かれ早かれどこかで詰まる。
彼とは今でも同じルールで続けている。たまに彼が「今日は俺の日にしたい」と言う日がある。そういう日は素直に「ありがとう」と言う。それだけでいい、と今は思っている。あの恵比寿のカフェで正直に話したことが、今も関係の土台になっている。
お金のルールを決めた後の変化
ルールを決めてから、デートが軽くなった。吉祥寺のカフェで「今日は私ね」と自然に言えるようになった。彼も「じゃあ次は俺」と笑った。会計のたびに胃がキリキリしていた頃が嘘みたいだった。手のひらの汗が引いて、食事を純粋に楽しめるようになった。恵比寿のイタリアンで、お互いのパスタを交換しながら笑い合えた。お金の問題をクリアにしたことで、心臓のあたりに余裕が生まれた。些細なことだけど、大きな変化だった。
お金の話は恋愛の中で一番しにくい話題だ。でも一番早くした方がいい話題でもある。恵比寿のイタリアンで笑い合えるようになったのは、あの喧嘩があったから。心臓がバクバクしながら言い合った夜は辛かった。でも翌日から、デートの帰り道が軽くなった。手のひらの汗が引いて、食事を純粋に楽しめた。言いにくいことを言える関係は、言いやすいことだけ言う関係より、ずっと長続きする。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。