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自己肯定感が低かった夜、後悔した恋の話

Pairsで初めて告白された夜、嬉しいよりも先に「なんで?」が頭を占領した。笑顔で「ありがとう」と言いながら、喉の奥に何かがつかえた。自己肯定感が低かった頃の恋愛がなぜうまくいかなかったか、27歳の私が辿り着いた答え。

27歳・女性の体験
·橘みあ·6分で読める

正直に言う。自己肯定感が低かったのに、好きと言われるたびに疑っていた。


「なんでこんな私を好きになってくれるんだろう」


付き合うたびに、思っていた。


27歳の頃、Pairsで出会った彼とはじめて両思いになった夜も、正直それだった。渋谷のカフェで告白されて、嬉しいよりも先に、「なんで?」という言葉が頭を占領した。笑顔で「ありがとう」って言いながら、喉の奥に何かがつかえたまま帰り道を歩いた。


理由を探した。「優しいから」「私に断れない雰囲気があるから」「もっといい人がいないから」。全部、暗い方向から答えを引っ張ってきた。好意を受け取るより先に、解体していた。



確かめるために、傷つける


問題は、そこで止まらなかったこと。


「本当に好きなのか」を確かめたくて、わざと冷たくした。「忙しいから」とLINEを既読スルーする。3日後に「ごめん、見てなかった」と送る。彼が「大丈夫だよ」と返してくれるたびに、「まだいる。じゃあ、本物かもしれない」とほんの少し安堵した。


でも、次の週にはまた試していた。


5回目のデートのとき、中目黒の川沿いを歩きながら彼が「最近、なんか俺のこと嫌いになった?」って聞いてきた。真剣な顔だった。私は「そんなことないよ、なんで?」と笑って返した。その笑い方が自分でも嘘くさいのわかってた。


来てくれたら「本物かもしれない」と思う。来なくなったら「やっぱりそうか」と思う。どちらの結末も、最初から不幸な方向を向いていた。試すことが目的じゃなくて、「自分には価値がない」という答えを証明することが、目的になっていた。


彼とは3ヶ月で別れた。「なんか一緒にいても不安になる」と言われた。そうだよね、と思った。私が一番そうだったから。



なぜ、そうなっていたのか


別れてしばらくしてから、友人に紹介されてwithのアプリを入れた。でも、マッチングして最初の数回のやりとりで毎回同じ感覚が戻ってきた。「この人、なんで私に話しかけてくるんだろう」。


消した。また入れた。また消した。そのループをくり返した頃、ようやく「あ、アプリの問題じゃないな」と気づいた。


カウンセリングに行ったのは、その3週間後のことだった。吉祥寺の小さなオフィス。初回45分、終わって外に出たら急に泣けてきて、駅前のベンチでしばらく動けなかった。


カウンセラーの人に言われたことがある。「相手の好意を疑う前に、まず受け取ってみたことは?」


「マジで?」と思った。受け取る前に疑うのが普通だと思ってたから。


「自分に価値がない」という前提がある限り、「好き」という言葉は素直に着地しない。着地しないから確かめる。確かめるために試す。試されると相手が疲弊する。疲弊すると離れる。やっぱり自分には価値がなかった、となる。完全にループしていた。外側じゃなく、内側に原因があった。



気づきの瞬間は、静かだった


カウンセリングと並行して、自己肯定感に関する本を何冊か読んだ。正直、最初は「こういう本を読む自分、ちょっと恥ずかしい」と思ってた。でもある夜、23時のリビングで読んでいて、一行に目が止まった。


「自分の価値を、他者に確認してもらおうとするな」


刺さった、というより、静かにストンと落ちた感じ。


そうか、私がずっとしていたのは「私を好きでいてくれること」を根拠に、自分の価値を証明しようとすることだったのか。それって相手への愛情でも信頼でもなくて、自分の安心のために相手を使っていたってことか。


胸が痛かった。でも、やっと本当のことが見えた気がした。


自己肯定感は、誰かに与えてもらうものじゃない。それは、自分の中で少しずつ積み上げるしかないもの。誰かに「好き」と言われても補充できないし、誰かに去られたからといって本来は減るものでもない。ただ、当時の私にはその土台がなかった。だから恋愛が、常に「確認作業」になっていた。



今の私がやっていること


完全に変わったわけじゃない。正直に言う。


今でも「なんで好きなんだろう」と思う瞬間は、ある。Omiaiで出会った今の彼が「一緒にいると落ち着く」と言ってくれたとき、0.5秒くらい「本当に?」と思った。


でも、そこで止めた。


以前の私なら、その「本当に?」を引っ張って確かめようとした。冷たくしたり、連絡を減らしたり。でも今は、「受け取る」を選ぶ。理由を探さなくていい。好きと言ってくれる言葉を、まず素直に受け取る。それだけのことが、3年前の私にはできなかった。


実際にやってみてよかったことをいくつか書いておく。


1. 「ありがとう」だけ言う練習をした。好意を受け取ったとき、説明も疑いも挟まず「ありがとう」だけ返す。最初は不自然だけど、慣れる。

2. 一人でいることを、ちゃんと楽しめる時間を作った。下北沢の古本屋をぶらぶらしたり、恵比寿でひとり映画を観たり。誰かと一緒でなくても自分は機嫌よくいられる、という実感を積み上げた。

3. 自分が自分に言ってることを、たまに書き出した。「どうせ私なんて」「また同じことして」そういう言葉が頭の中でどれだけ飛び交っているか、書いてみると引くくらい多かった。気づくだけで、少し変わる。


恋愛がラクになったのは、相手が変わったからじゃなかった。自分の内側の話し方が、少し変わったから。



最後に


「なんで好きなんだろう」という疑問は、相手への問いじゃない。自分への問いだ。


その答えを、もう相手に探させなくていい。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

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