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第一印象で「違う」と思った人と付き合った話

Pairsで出会った彼のプロフィールを見たとき、悪くないけど「ピンとくる」感じはなかった。なんとなく「まあ会ってみるか」で恵比寿のカフェへ行った。第一印象で「違う」と思った人と付き合った話、3回会って全然違う人だとわかるまで。

27歳・女性の体験
·橘みあ·7分で読める

正直に、全部書く。


「なんか違う」は、本当に違うのか


Pairsで彼とマッチングしたのは、去年の2月だった。


プロフィールを見たとき、悪くないとは思った。27歳、IT系の会社員、趣味は登山と映画鑑賞。写真も清潔感があって、文章も丁寧。でも「ピンとくる」という感じではなかった。なんとなく「まあ、会ってみるか」という温度感でメッセージを続けて、恵比寿のカフェで初めて会った。


1時間半後、帰り道の渋谷の改札前で「またご連絡します」と言われたとき、内心こう思っていた。「次は会わなくていいかな」と。


理由をうまく言語化できなかった。嫌いというわけじゃない。でも「合う」という感覚もなかった。笑いのポイントが微妙にずれていた。私がおもしろいと思ったことに、彼は少し遅れて反応する。彼が笑っている場面で、私は「そこ?」と思う。趣味も重ならない。私は音楽と本が好きで、登山はしたことがない。会話は続いたけど、弾んだとは言えなかった。



友人のひとことが、邪魔をした


その夜、同じくPairsで婚活中の友人に「今日会った人、たぶん次はないかも」と送ったら、3分後に返信が来た。


「3回は会ってみなよ。1回目の印象って絶対に嘘だから」


「えー、でも合わないと思ったんだよね」と返したら「1回目に合うと思った人と付き合って、全員うまくいかなかったじゃん私たち」と来た。


……否定できなかった。


私には、いわゆる「第一印象マジック」にやられた前科が3回ある。初対面でドキドキした人に限って、付き合ったあとに「なんか違う」が積み重なっていく。逆に、最初から居心地がよすぎた人とは友達にしかなれなかった。私の直感は、そんなに信用できるものじゃなかった。


渋谷の帰り道で「またご連絡します」と言ってくれた彼に、翌日メッセージを返した。



2回目、中目黒


2回目は中目黒のイタリアンで夕食にした。


「あ、この人こういう話もするんだ」と思ったのは、開始30分後くらいだった。


仕事の話になって、彼が「正直、今の会社あんまり好きじゃないんですよね」と言った。1回目は当たり障りのないことしか話していなかったから、少し意外だった。「なんで?」と聞いたら、ちゃんと説明してくれた。愚痴じゃなくて、構造的な話として。「でも辞めるつもりはないんです、まだ学べることがあるので」と続けたところで、胸のどこかが少し動いた気がした。


笑いのポイントのずれは、2回目もあった。でも今回は「あ、こういう人なんだ」と思って眺めた。嫌な感じはしなかった。1回目より会話が長くなって、21時に入ったお店を出たのは23時を過ぎていた。



3回目、下北沢


3回目は下北沢を散歩した。彼が「映画の話をしたい」と言ったから、レイトショーを見てから歩くことにした。


映画館を出たあと、商店街を並んで歩きながら私は聞いた。


「最初に会ったとき、緊張してましたか」


「してました、マジで」と彼はすぐ言った。「あんな緊張したの久しぶりで、なに話したかあんまり覚えてない」


「私も」と言ったら、彼がふっと笑った。


その笑い方が好きだった。口を大きく開けるんじゃなくて、少し目を細めてから笑う。声も大きくない。でも「本当に笑っている」感じがした。


「最初、あんまり喋れなかったですよね」と続けたら「そうですね、でも今は喋れてる気がします」と彼が言った。確かに、そうだった。あの恵比寿のカフェにいた人と、今並んで歩いている人が、同じ人だとは思えないくらい、話しやすくなっていた。


喉の奥が少し温かくなった。



4回目の告白


4回目に会ったのは吉祥寺だった。


公園を歩いていたとき「好きです」と言われた。


驚いた。でも嫌じゃなかった。驚きと「嫌じゃない」が同時に来て、自分でもよくわからなくて、「少し考えさせてください」と言った。


1週間、考えた。


1回目の「違う」という感覚を何度も思い出した。でも同時に、3回目に笑った顔も思い出した。中目黒で「まだ学べることがある」と言ったときの顔も。あの恵比寿のカフェで、お互い緊張してうまく話せなかった1時間半も。


あの日の「違う」は、彼のことじゃなかった。緊張した状態の彼と、緊張した状態の私が、お互いを測ろうとして測れなかった、ただそれだけのことだった。


「付き合いましょう」と返事した。



半年後にわかったこと


付き合って半年が経つ。


笑いのポイントは今でも少しずれている。彼が爆笑しているところで私は「ふーん」と思うことがある。私が「それ最高じゃない」と言っても彼の反応が薄いことがある。趣味も相変わらず重なっていない。彼はこの間も登山に行っていたし、私は音楽フェスに一人で行った。


でも、ずれていることが「問題」だと思ったことは一度もない。


「そういう人なんだ」と思えるようになったのは、3回会って素の部分を知ったからだと思う。笑いのポイントがずれていても、大事な話のときにちゃんと向き合ってくれる人だとわかっていれば、ずれは欠点じゃなくなる。個性になる。



第一印象を信じすぎていた、あの頃の私へ


1回目のデートで感じる「違う」は、相手のことを何もわかっていない段階で撮ったスナップショットだ。しかも、お互い緊張していて表情が硬い日に撮った、ちょっとピントのぼけた写真。それを見て「この人とは違う」と判断するのは、早い。


もし今「1回会って、なんか違った」と感じている人がいるなら、試してほしいことが3つある。


1. 2回目は「探る」より「話す」モードで行く。相手を評価しようとすると会話が弾まない。自分が話したいことを話してみる。

2. 3回目に「最初、緊張してましたか」と聞いてみる。お互いが緊張していたと確認できると、1回目のギクシャクが笑い話になる。距離が縮まる瞬間だった。

3. 「合う」と「好き」を切り離して考える。趣味や笑いのポイントが完全一致しなくても、一緒にいて安心できるなら、それは十分な理由になる。


恵比寿の帰り道で「次はないかな」と思っていた私が、半年後に吉祥寺の公園で彼の隣にいる。


第一印象は、その人の一部分じゃない。まだ打ち解けていない二人が作り出した、仮の空気だ。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

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