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初デートで話しすぎた。なぜ沈黙が怖かったのか、やっとわかった

3時間話し続けて、帰宅してから「やりすぎた」と思った。沈黙が怖い人が恋愛でやってしまいがちなこと。

·橘みあ·7分で読める

3時間、私はひとりで喋り続けた


Pairsで出会った彼と、初めて会ったのは恵比寿のイタリアン。待ち合わせ場所に着いたとき、「思ったより背が高い」と思った。それだけで少し心臓が跳ねた。


席についてメニューを開いた瞬間から、私の口は止まらなくなった。仕事の話、家族の話、好きな映画の話、最近読んだ本の話。話題が一個終わりそうになると、脳みそが猛スピードで次のネタを引っ張り出してきた。「ねえ、旅行は好き?」「お酒強い方?」「出身どこでしたっけ」。矢継ぎ早に質問して、彼が答えている途中でもう頭の中では次の質問を用意していた。


3時間後、中目黒の駅で別れた。電車に乗ってドアが閉まった瞬間、どっと疲れた。スマホで時間を確認したら23時を過ぎていた。


座席に沈み込みながら思った。あれ、彼のこと、何も聞けてない。



家に帰ってから気づいた「やりすぎた」の感覚


玄関のドアを閉めて、靴を脱ぐ前にスマホを開いた。彼からLINEが来ていた。「今日楽しかったです、また会いましょう」。


ほっとした。でも喉の奥に何かがつかえた。


「楽しかった」のは本当かもしれない。でも私は今日、この人のことをほとんど知れなかった。彼が話そうとしたとき、たぶん私が被せていた。相手が「そういえば——」と言いかけたタイミングで、「わかる!私もそれ思う、なんか——」とかぶせていた気がする。気がする、じゃなくて、たぶんそうだった。


聞いた量の倍は喋った。もっとかもしれない。


なんで話しすぎるんだろう。布団に入ってからも、その問いが頭をぐるぐるした。



沈黙が怖い、その正体


答えはわりと早く出た。怖かったのだ。沈黙が。


会話が途切れる=場が死ぬ=私がつまらない人間だと思われる。この方程式が頭の中に完全にインストールされていた。27歳になった今も、ずっとそのまま。


思い返せば中学のころからそうだった。グループでの昼ごはん、友達の家でのたまり、バイト先の休憩室。沈黙になると体がざわっとして、なんでもいいから喋らなきゃと思っていた。それがそのまま恋愛のデートにも持ち込まれていた。


だから話題が途切れそうになると、次の話題を先読みして喋り続けた。相手が話そうとしているのに、0.5秒速いタイミングで私が口を開いてしまう。結果、彼は「聞き役」になるしかなかった。


しんどかっただろうな、と思う。正直に。



「うん、ちょっとそう思ってた」


その彼とはその後も3回ほど会う関係になった。5回目のデートで、下北沢の小さなバーでハイボールを飲みながら、思い切って聞いた。


「ねえ、最初のデート。私、話しすぎなかった?」


一瞬の間があった。彼は笑った。「うん、ちょっとそう思ってた」


「マジで?」


「でも緊張してるのはわかったから、そんなに気にしなかったけど」


笑顔で言われたのが救いだった。でも同時に、ちゃんと気づかれていたのだということも、その笑顔でわかった。「気にしなかった」は「気になってなかった」じゃない。気にしていたけど、許してくれていた。それだけのことだ。


許してもらえたことに甘えるのは、なんか違うと思った。



沈黙は「死」じゃなかった


それから意識が変わった。少しずつ、ゆっくり。


沈黙は、考えている時間だ。コーヒーカップに手を伸ばす時間だ。窓の外を一緒に見る時間だ。相手の横顔を、会話の邪魔なく眺められる、数少ないチャンスでもある。


話しすぎると何が起きるか。「この人と話すのは疲れる」という印象になる。これ、自分が受ける側になれば一発でわかる。ずっとしゃべり続ける人と向き合っていると、うなずくのがだんだんしんどくなってくる。「えー」「そうなんだ」の相槌が義務になってくる。


逆に、沈黙のなかでも居心地がいい人がいる。一緒にいてラクな人、と言われる人。そういう人は、喋らないことを恐れていない。静かな間を、関係のすき間じゃなくて、関係そのものとして扱っている。


私が目指すべきはそっちだった。



実際に変えた3つのこと


頭でわかってもなかなか変わらないのが人間なので、行動レベルで具体的に決めた。


1. 質問したら、答えが終わるまで黙って待つ。相手が話し終えて、さらに1秒待つ。そこで初めて口を開く。最初はこの1秒が恐ろしく長く感じた。吉祥寺のカフェで試したとき、脳が「喋れ喋れ」と叫んでいた。でもその1秒で、相手が続きを話してくれることに気づいた。待てば、向こうが埋めてくれる。


2. 会話の3割くらいは相手が話している状態を目指す。これは数字にしたのがよかった。感覚じゃなくて、ざっくりでも「今日は相手が話してる時間、短くなかった?」と帰りの電車でチェックする。3割というのは別に根拠はないけど、目標値があると意識が変わった。


3. 沈黙になったら、飲み物を飲む。これが一番シンプルで一番効いた。間を持て余したとき、とにかくグラスを持ってひと口飲む。それだけで「沈黙を埋めなきゃ」という焦りが少し落ち着く。飲み終わるころには、相手が何か言っていたり、自分の中に自然な話題が浮かんでいたりする。沈黙の処理として、これだけで十分だった。



「また会いたい」が増えた理由


正直なことを言う。上手くなった実感は、まだあまりない。今でも調子に乗って話しすぎる夜がある。帰りの電車でまた「やりすぎた」と思う夜がある。


でも変わったことがある。「また会いたい」と言われる回数が増えた。


話し上手になったからじゃないと思う。聞いてもらう側に立てるようになってきたから、相手が「この人といると自分の話ができる」と感じるようになったんじゃないか。そう考えている。


Omaiで出会った人に、最近こう言われた。「なんか、一緒にいてラクです」。


ラク、か。昔の私が一番なれないと思っていた言葉だ。


沈黙を埋めることをやめたら、ようやく「ラク」に近づけた気がする。埋めなかった余白に、ちゃんと何かが宿っていた。

よくある質問

初デートで話しすぎてしまった場合どうすればいい
次のデートで相手の話をしっかり聞く、沈黙を意識的に作る、短めに会うなど調整しましょう。一度の失敗で関係が壊れることは少ないため、改善する姿勢が大切です。
沈黙が怖い心理の原因は何か
沈黙を避ける心理は、不安感や相手に嫌われる恐怖が根底にあります。幼少期の親子関係や過去の人間関係の経験が影響していることが多いです。
恋愛で沈黙を克服するトレーニング方法
短時間の沈黙から始める、相手の話をメモして深掘りする、リラックス法を練習するなどが有効です。焦らず段階的に慣れていくことが重要です。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

このテーマを読む:初デート体験談

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