恋のアーカイブ
マッチングアプリ攻略攻略ガイド

背景に歯ブラシが映っていた夜、ダメ出しされた写真の話

洗面台の鏡で撮った自撮り。蛍光灯で顔色が悪くて、背景に歯ブラシとコップが映っていた。渋谷の焼き鳥屋で同僚に見せたら、2秒で「無理」と言われた。プロフィール写真がダメだった理由は、顔じゃなくて撮り方だった。

·橘みあ·5分で読める

正直に言う。歯ブラシが映っていたのに、友達に2秒でダメ出しされた。


3ヶ月間、Omiaiでその写真を使い続けた。


いいねは週に2件。2件来ればいい方で、ゼロの週もあった。「まあ、顔がそこまでじゃないし」と思っていた。鏡に映る自分の顔が特別かっこいいとは思わないけど、別にひどくもない。中の中。その「中の中」がアプリでは埋もれるんだろう、と。


そう思い込んでいた時期が、一番もったいなかった。


渋谷のガード下で2秒のダメ出し


金曜日の夜、渋谷のガード下にある焼き鳥屋。会社の同僚4人で飲んでいて、誰かがマッチングアプリの話を始めた。「俺も最近始めたんだよ」と言ったら、隣の席の山田が「見せて」とスマホを奪い取った。


画面を見て、2秒。


「無理。これは無理」


箸を置いて、はっきり言われた。ビールのジョッキ越しに、向かいの女性の同僚も画面を覗き込んで、苦笑いしていた。


「なんで洗面所?」

「歯ブラシ映ってるじゃん」

「顔色悪くない? 蛍光灯のせいだよこれ」


3人から同時に突っ込まれて、耳の奥が熱くなった。焼き鳥の煙で目がしみたフリをした。しみてなかった。恥ずかしかっただけだ。


なぜ洗面所で撮ったのか


理由は単純で、他に場所が思いつかなかったから。


朝、出勤前に「そうだ、写真撮らなきゃ」と思い立って、一番手近な鏡の前に立った。カメラを起動して、インカメラに切り替えて、とりあえず1枚。表情が硬かったからもう1枚。3枚目で「まあこんなもんか」と妥協した。


所要時間、たぶん40秒。


冷静に考えると、40秒で撮った写真に3ヶ月の運命を託していたことになる。履歴書の証明写真だって、もう少し気を使う。なのにマッチングアプリの写真は、朝の洗面所で40秒。その感覚のずれに、山田のダメ出しがあるまで気づけなかった。


歯ブラシが映っている写真の何がダメなのか


山田に言われたことを、翌日ひとりで整理した。


まず、背景。洗面所の壁、歯ブラシスタンド、プラスチックのコップ、排水溝の蓋。写真を見た人が最初に受ける印象は「この人の生活空間」だ。きれいに片づけていたとしても、洗面所は洗面所。「休日にどこかへ出かける人」ではなく「家にいる人」の印象になる。


次に、照明。蛍光灯は上から光が当たるから、目の下に影ができる。顔色も青白く見える。飲食店の暖色の照明の下で見る顔と、蛍光灯の下で見る顔は、同じ人でも印象がまるで違う。コンビニの蛍光灯の下で自分の顔を見て「疲れてるな」と思ったことがある人は多いだろう。あれが写真に焼き付いている状態だった。


そして距離感。自撮りは腕の長さが限界だから、顔のアップになる。鼻の毛穴まで見えそうな距離で、知らない人の顔を突きつけられたら、誰だって引く。街で知らない人がその距離に来たら後ずさりするのに、写真では平気だと思っていた。


歯ブラシの問題は、歯ブラシ自体じゃない。「この写真にかけた手間がゼロである」ことが、見た人に一瞬で伝わってしまうことだ。


代々木公園で撮り直した日曜日


焼き鳥屋のダメ出しから3日後の日曜日。友達のタカシに頼んで、代々木公園で写真を撮り直した。


朝10時、原宿門から入って、芝生の広場のそばのベンチに座った。11月の空気がひんやり冷たくて、吐く息がかすかに白かった。木漏れ日が斜めに差していて、タカシが「この光いいじゃん」とスマホを構えた。


「笑え」

「笑ってるって」

「笑ってない。口だけ動いてて目が死んでる」


言われて、自分の表情がわからなくなった。「自然に笑う」って、意識した瞬間に自然じゃなくなる。鏡の前で練習しても、カメラを向けられると固まる。


タカシがやり方を変えた。「じゃあ俺の話聞いて。昨日さ、マッチした子とデートしたんだけど」と、自分の失敗談を話し始めた。待ち合わせ場所を間違えて30分遅刻した話。申し訳なさすぎて、駅の改札で土下座しかけた話。


笑った。声を出して笑った。その瞬間にシャッターが切れた。


20枚撮って、いい写真は3枚だった。打率15%。でもその3枚は、洗面所の自撮りとは別人みたいだった。同じ顔なのに。光が違う、距離が違う、表情が違う。ユニクロの紺色のオックスフォードシャツだったけど、背景の緑と朝の光で、それなりに見えた。


変えた結果


代々木公園の写真に差し替えた翌日。いいねが3件来た。


その週のトータルは8件。それまでの4倍。プロフィールの文章は一文字も変えていない。使っているアプリも同じ。変えたのは写真だけだ。


届くメッセージの中身も変わった。「写真の場所、公園ですか?」「笑顔が自然でいいですね」。写真が会話のきっかけになった。洗面所の自撮りには、誰も何もコメントしなかった。当たり前だ。歯ブラシに触れる言葉なんてない。


それでもまだ、少し恥ずかしい


3ヶ月間、歯ブラシの映った写真で戦っていたことを、今でもときどき思い出す。あの写真を見て「いいね」を押さなかった人たちの画面に、自分の洗面所が表示されていたと思うと、腹の底がきゅっとなる。


山田に焼き鳥屋でダメ出しされたあの夜がなかったら、たぶんまだあの写真のままだった。「顔のせいだ」と言い訳しながら、いいねが来ない理由を自分の容姿に押しつけて、一番楽な結論で止まっていた。


顔は変えられない。でも写真は変えられる。照明を変えて、距離を変えて、背景を変えるだけで、同じ顔でも見え方がまるで違う。


正直に言うと、タカシに撮ってもらった写真を初めて見たとき、「これ俺?」と聞いた。タカシは「お前だよ」と笑った。同じ顔だった。ただ、光が違っただけだった。


あの40秒の自撮りに3ヶ月を費やした自分に、今なら言える。歯ブラシは映すな、と。でもあの3ヶ月がなかったら、写真を変えたときの衝撃も味わえなかった。そう考えると、まあ、無駄ではなかったのかもしれない。いや、やっぱり無駄だった気がする。

よくある質問

マッチングアプリの写真は自撮りでもいいですか?
自撮りはおすすめしません。腕の長さ分の距離しか取れないため顔がアップになりすぎて圧迫感が出ます。友達やタイマー撮影で上半身が入る距離から撮った方が、自然な印象になります。実際に自撮りから友人撮影に変えただけで、いいね数が4倍に増えた体験があります。
マッチングアプリの写真の加工はどこまでOKですか?
「会ったときに気づかれないレベル」が境界線です。明るさの調整や色味の補正はOKですが、目の大きさを変えたり輪郭を削ったりするのはNGです。会ったときに「写真と違う」と思われると、その時点で信頼関係が崩れます。スマホ標準のNaturalフィルター程度で十分です。
写真を撮る場所はどこがいいですか?
公園やカフェのテラス席など、屋外の自然光がある場所がベストです。曇りの日が実は最適で、光が柔らかく回るため肌がきれいに見えます。背景に緑や街並みがあると「休日にこういう場所に行く人」という好印象を与えられます。代々木公園や井の頭公園など、緑のある場所がおすすめです。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

このテーマを読む:プロフィール攻略

この記事が刺さったら、シェアしてください

あなたへのおすすめ

マッチングアプリ」に興味があるあなたへ

自然に撮れた写真が強いと気づいた夜。後悔したいいね激減の話
マッチングアプリ攻略

自然に撮れた写真が強いと気づいた夜。後悔したいいね激減の話

スタジオで撮ったきれいすぎる写真に変えた途端、いいねが激減した友人の話。Pairsで実感した「作り込んだ写真より自然な写真が強い」理由を、実例をもとに書く。プロフィール写真の選び方が変われば、マッチング率も変わる。

女性27歳
7
withで相性85点なのにゼロだった夜、後悔した写真の話
マッチングアプリ攻略

withで相性85点なのにゼロだった夜、後悔した写真の話

withで心理テスト相性85点の相手に10件いいねを送ってマッチング0件。吉祥寺のタリーズで友達に写真を見せたら「これじゃ無理だよ」と言われた。変えたら翌週からマッチングが動いた話。

with
4
写真を変えた夜に週15件来た。後悔した女性のいいね激増術
マッチングアプリ攻略

写真を変えた夜に週15件来た。後悔した女性のいいね激増術

登録から3ヶ月、週2件しかいいねが来なかった。写真を撮り直した翌週から週15件になった。何が変わったのか——2026年のマッチングアプリで男性が惹きつけられる写真の傾向と、スマホだけでできる撮り方を全部書いた。

15
プロフィールを更新した夜、いいねが増えた。やめない理由
マッチングアプリ攻略

プロフィールを更新した夜、いいねが増えた。やめない理由

Pairsに登録して3ヶ月、プロフィールを一度も更新しなかった。気づいたらいいね数がじわじわ落ちていた。作りっぱなしのプロフィールは静かに沈んでいく。定期的な更新がマッチング数を変える理由と最適なタイミング。

女性27歳
7
プロフィール文は短いほうが読まれる、たった一つの理由
マッチングアプリ攻略

プロフィール文は短いほうが読まれる、たった一つの理由

Pairsのプロフィールに600文字以上書いていた頃、いいねがほとんど来なかった。「長く書けば伝わる」は間違いだった。なぜプロフィール文は短いほうが読まれるのか——マッチングアプリ攻略で多くの人がやりがちな、

女性27歳
6
いいねが激変した夜。後悔した写真の選び方と完全ガイド
マッチングアプリ攻略

いいねが激変した夜。後悔した写真の選び方と完全ガイド

Pairsを始めて最初の3ヶ月、週に1〜2件のいいねが来ればいいほうだった。プロフィール文は何度も書き直したのに。転機は「写真」だった。マッチングアプリのプロフィール写真選びで何が変わったか、1枚目の写真が持つ力を体験から書く。

女性27歳
7

マッチングアプリ攻略」はまだ 397 本あります

次の記事

ダウンロードボタンを3回押しかけて、3回やめた夜。28歳の私がPairsを入れた理由