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3回目で彼の部屋に行った夜。翌朝、付き合おうって言われたのに答えられなかった

withで出会って3回目のデートの夜、彼の部屋に行った。翌朝、目玉焼きを2枚作ってくれた彼に「付き合ってほしい」と言われた。嫌じゃなかった。でも「はい」とすぐに言えなかった。なぜ言えなかったのか、3日後にようやくわかった。

27歳・女性の体験
·橘みあ·6分で読める

withで出会って、3回目のデートの夜だった。


中目黒のビストロで2時間くらい食べて、川沿いを歩いた。10月で、目黒川がビルの灯りを反射してオレンジ色に揺れていた。「まだ帰りたくない」という空気が2人の間にあった。どちらが先に言ったのか、どちらも言わなかったのか、もう正確には覚えていない。


「うち来る?」と彼が言った。


断る理由を探した。探したけど見つからなかった。見つけようとしていたかどうかも、今となってはよくわからない。


ここまでの2回のこと


1回目は渋谷のランチ。with の心理テストで「落ち着いた休日の過ごし方」が同じタイプだとわかってマッチした。会ってみると、話し方がテンポよくて聞き上手だった。1時間半があっという間だった。


2回目は三軒茶屋のご飯。ワインを飲みながら話していたら22時を過ぎていて、「もう少しいますか」とお互いに言い出した。店が閉まるまでいた。帰り道に手を繋いだ。


そのあたりから「3回目はどこへ行こう」ではなく「3回目はどこで終わらせよう」と考えていた。自分でもその計算に気づいていたけど、止めなかった。


代官山よりの1Kの部屋


木のフローリングに、本棚と小さいソファ。テーブルの上にルービックキューブが転がっていた。余分なものがない部屋だった。


「飲み物、水しかないんだけど」


「水でいい」


ソファに並んで座って、Netflixをつけた。何か観るタイトルを選んでいる途中で、観なくなった。


その夜に何があったかを細かく書くつもりはない。ただ、朝になった。


翌朝の目玉焼き


朝6時半、カーテンの隙間から光が差し込んできた。


彼はキッチンで何かしていた。卵を割る音と、フライパンに油が当たる音。目玉焼きを焼いていた。2枚。


「起きてたの」


「うん」


2枚の目玉焼きとトーストしたパンを持ってきた。「バターしかないけど」と言いながら横に座った。


外から代官山の静かな朝の音が聞こえた。遠くで電車の音がした。コーヒーも出てきた。インスタントだったけど、温かかった。


食べ終わって、お皿を流しに持っていったとき、彼が言った。


「付き合ってほしい」


声が小さかった。


振り返ったとき、彼はテーブルのルービックキューブをぼんやり触っていた。こっちを見ていなかった。


なぜ「はい」と言えなかったのか


体の中で何かが止まった感覚があった。嫌じゃない。でも「はい」とすぐに言えなかった。


なんで言えなかったのか、あの朝はわからなかった。


「……少し、考えさせてもらっていい?」


彼は「うん」と言った。ルービックキューブを一面だけ揃えて、テーブルに置いた。


中目黒の駅まで並んで歩いた。10月の朝、空がよく晴れていた。川沿いのケヤキが少し黄色くなり始めていた。昨夜と同じ道なのに、全然違う景色に見えた。


改札の前で「またね」と言って、東横線に乗った。膝の上にスマホを置いたまま、窓の外を見ていた。


3日後に出した答え


好きかどうかはわかっていた。3回会って、一緒にいて心地よかった。笑い方が好きだった。目玉焼きを2枚焼いてくれた。


でも「付き合う」という言葉が、昨夜のことと急に結びついた。昨夜のことがあったから言ってくれたのか、昨夜のこととは別に前から思っていたのか、どちらなのかが気になった。


その区別が、自分には必要だった。


3日後に返事をした。


「好きです。付き合いたい。でもあの朝すぐ答えられなかったことを、ちゃんと伝えたかった」


彼から「わかった。ゆっくりでよかったのに」と来た。


「ゆっくりでよかったのに」という言葉を、電車の中でしばらく考えた。焦っていたのは私の方だったのかもしれない。


あの夜のことは、きれいな記憶とも怖い記憶とも、どちらとも言えない。ただ、朝の目黒川と目玉焼きとルービックキューブのことを、ときどき思い出す。

よくある質問

付き合う前に関係が進んでしまうことへの不安をどう考えればいいですか?
正解はないと思っています。その夜がどんなものだったか、相手がどんな人かによって判断するしかない。私の場合、翌朝の目玉焼きで「この人は丁寧な人だ」と感じました。先に関係が進んだことへの不安より、朝の彼の行動の方が記憶に残っています。
告白されてすぐ答えられないのは普通ですか?
普通だと思います。「はい」と即座に言える人もいる。でも即答できないことが「乗り気じゃない」の証拠じゃない。私は3日間考えて返事をしました。その3日間があってよかったと思っています。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

このテーマを読む:告白体験談

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