フェードアウトした側の話。返信しなかった理由を、今なら言葉にできる
私がフェードアウトした。3人に。既読をつけて、返信しなかった。「忙しかった」は嘘だ。本当の理由はもっと情けなくて、もっと身勝手だった。された側の話はたくさんある。した側の話は、あまりない。
私がフェードアウトした。3人に。
「された側」の記事はたくさん読んだ。「なんで消えたの」「せめて一言ほしかった」。読むたびに胃が重くなった。私がやったことだから。
28歳、メーカーの営業。Pairsで1年間に7人と会って、3人にフェードアウトした。残りの4人にはちゃんと「ごめんなさい」を送った。なぜ3人には送れなかったのか。今なら言葉にできる。
1人目:返信が「作業」になった
Pairsで2回デートした26歳の事務職の人。2回目のデートは恵比寿のイタリアンで、普通に楽しかった。でも帰りの東横線の中で、LINEを開いたとき、「返信するの、めんどくさいな」と思った。
嫌いじゃなかった。でも「会いたい」でもなかった。ちょうど仕事が忙しくて、金曜の夜に返信を考える余力がなかった。
1日放置した。2日放置した。3日目に「返さなきゃ」と思ったけど、3日空いた後に何て送ればいいかわからなかった。
4日目に相手から「お忙しいですか?」と来た。見た。返さなかった。
理由を正直に言えば、返信を「考える」のが面倒だった。相手への気持ちがゼロじゃないから「もう会わない」と断るのも違う気がした。でもゼロに近いから返信を書く気力もない。
中途半端な気持ちが、一番タチが悪い。
2人目:比較して、選べなかった
3人と同時にやりとりしていた時期。Aさんと3回、Bさんと2回、Cさんと1回デートした。
Bさんへのフェードアウトは、Aさんに絞った翌日だった。Aさんには「気になる人ができました」と送った。でもBさんには送れなかった。
理由は、Bさんのことを「いい人」だと思っていたから。断ると傷つけると思った。でもそれは建前で、本音は「断る文章を書くのが気まずかった」。
Bさんから2回メッセージが来た。「来週どうですか?」「お忙しいですかね?」。2通とも既読をつけた。返さなかった。
3週間後、Bさんのアカウントが消えていた。退会したのか、ブロックしたのか。どちらにしても、私が彼女の時間を3週間奪った。
中目黒のドトールで、スマホのトーク画面を見て、喉の奥がつかえた。
3人目:断る言葉が、見つからなかった
3人目が一番きつい。
Cさんとは1回だけ会った。渋谷のカフェで1時間話した。帰り際に「楽しかったです、また会いたいです」と言われた。
正直に言う。会った瞬間に「違う」と思った。写真と違ったわけじゃない。会話がつまらなかったわけでもない。でも「また会いたい」と思わなかった。
「楽しかったです」と返した。嘘じゃない。楽しかったのは本当。でも「また会いたい」は嘘になるから言えなかった。
翌日、Cさんから「来週の土曜空いてますか?」と来た。
ここで「ごめんなさい、恋愛としてのイメージが持てませんでした」と送れば終わる。たった30文字。でもその30文字が打てなかった。
「楽しかった」と言った直後に断るのは、嘘つきに見える。 それが怖かった。自分が悪者になるのが怖かった。
結局、返信しなかった。
フェードアウトする側の本音
3人に共通していたのは、「相手が嫌い」ではなかったこと。
嫌いならブロックする。怖いなら通報する。フェードアウトは「嫌いじゃないけど、会いたくもない」という、一番中途半端な感情の末路。
そして中途半端だから、「ごめんなさい」を送る理由も中途半端になる。「何がダメだったの?」と聞かれたとき、「何もダメじゃない、ただ会いたくないだけ」という答えが残酷すぎて言えない。
新宿のワンルームで、3人のトーク画面を並べて見た。全員、最後のメッセージが相手からだった。全員、私の既読で止まっていた。
3つの既読が、3つの「ごめんなさい」の代わりだった。そんなもの、代わりになるわけがないのに。
4人目以降で変えたこと
4人目以降は、全員に「ごめんなさい」を送った。
テンプレートをスマホのメモに保存した。「正直にお伝えすると、恋愛としてのイメージが持てませんでした。○○さんの時間を大切にしたいので、お伝えしました。」
この30文字を毎回コピペして、名前だけ変えて送る。冷たいと思うかもしれない。でもフェードアウトよりはマシ。
代官山の蔦屋書店で本を読みながら、ふと思う。あの3人は今、元気にしているだろうか。もうアプリで出会えた人がいるだろうか。
謝りたい。でも今さら連絡するのは、自分の罪悪感を軽くしたいだけな気もする。
この話に結論はない。ただ、した側にも後悔はある。それだけ伝えたかった。
よくある質問
フェードアウトする人の心理はどういうものですか?↓
フェードアウトしてしまった相手に謝るべきですか?↓
フェードアウトをやめるにはどうすればいいですか?↓
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。