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3ヶ月目の夜、迷った末に私がAirbnbを予約した。京都旅行

Pairsで付き合って1ヶ月目、2ヶ月目、3ヶ月目と「京都行きたいね」を3回言い続けた彼の代わりに、私がAirbnbをポチった。「行きたい」を3回言えるのに一歩が踏み出せない人を、静かに追い越した秋の旅行の話。

27歳・女性の体験
·橘みあ·5分で読める

「京都、行きたいね」を彼が言ったのは、3回だった。


最初は付き合って1ヶ月目、中目黒を歩きながら。「秋に京都行きたいな」と言ったから、「いいですね」と私も言った。2回目は2ヶ月目、彼の家でご飯を食べながら。「そういえば京都の話、どうしますか」と言ったから、「考えてます」と彼が言った。3回目は3ヶ月目、電話で。「京都、本当に行きたい」と言ったから、「じゃあ予約しましょうか」と私が言った。「そうだね、してもらえる?」と彼が言った。


翌日、Airbnbを開いた。


「してもらえる?」は、頼み方としてはあまり主体的ではないけど、行きたい気持ちはあるということだ。行きたいのに動けない人は、一緒に動けばいい。そう思った。


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「京都、行きたいね」を彼は3回言って、予約しなかった


亮太くんとはPairsで出会った。31歳、設計事務所に勤める建築士。プロフィールの写真が、どこかの建物の前で撮ったものだった。「どこですか」と聞いたら「東大の安田講堂です」と来た。「建物が好きなんですか」「好きというか、仕事で毎日見てるんですが、休日も見てしまいます」と返ってきた。


「仕事と休日が地続きな感じ、わかります」と私が言ったら、「そういう人と話したかった」と来た。最初のメッセージとしては、少し重かったけど、嘘がないと思った。


初めて会ったのは代官山。彼は建物の話になると止まらなくて、「あの角の使い方が」とか「窓の比率が」とか言い始めた。私は建築に詳しくないけど、聞いていると楽しかった。好きなことを話す人の顔は、好きな話題のときに輝くから。


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京都行きを決めたのは11月。宿はAirbnbで探した。


鴨川の近く、築60年の京町家をリノベーションしたもの。1泊2日、2名で予約。亮太くんに「取りました」とスクリーンショットを送ったら、「え、ほんとに?」という返信が来た。「言ってくれましたよね、3回」と私が送ったら「ごめん、ありがとう」と来た。


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11月の京都、鴨川沿いの京町家に着いた


11月の京都は、紅葉が始まりかけていた。


京都駅で待ち合わせして、荷物を宿に置いて、鴨川沿いを歩いた。川の水が澄んでいて、遠くに東山が見えた。空気が東京と違う。冷たくて、でも澄んでいる。銀杏が落ち始めていて、足元が黄色かった。


亮太くんは歩きながら、建物を見るたびに少し立ち止まった。「あの庇の出し方、いいな」とか「この石畳の組み方は珍しい」とか独り言みたいに言う。「何がいいんですか」と聞くと、説明してくれる。建築の話は難しかったけど、彼が楽しそうだから聞いていられた。


夕方、宿に戻って、スーパーで買ってきた食材でパスタを作った。キッチンが古くて、鍋の置き場所を二人で悩みながら作った。換気扇がうるさくて、会話するために少し声を上げた。ちゃんとしたパスタが作れる場所じゃなかったけど、できあがったものを窓の外の鴨川を見ながら食べた。川の向こうに、夜の山の稜線が見えた。


「来てよかった」と亮太くんが言った。「来れてよかったです」と私も言った。「来れた、じゃなくて、来た、でしょう」と彼が言う。「私が予約したから来れたんです」と私が言い返す。「それは本当にそう」と彼が笑う。


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翌朝、朝の鴨川を二人で歩いた。


「なんで予約できなかったんですか」と私が聞いた。冷たい空気の中で、彼は少し考えた。「決めることが苦手で。でも行きたい気持ちはあった」。


「言い続けてくれたから、わかってましたよ」と私は言った。「言い続けるだけで、行動しない人と思わなかった?」「思った。でも思ってるだけじゃなくて言ってたから、まあいいかと」。


彼が笑った。「次は俺が予約する」と言った。「次があるんですか」「ある。絶対に」。


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東京に帰って2週間後、亮太くんから「金沢どうですか、宿調べてる」とLINEが来た。


「行きます」と即返した。


決めることが苦手な人が、決めてきた。そのことの方が、金沢がどこかより嬉しかった。


「また行きましょう」は、今度は行動になった。言葉は遅れてくるけど、行動は本物だ。


京都で作ったパスタは、正直そこまで美味しくはなかった。鍋が小さすぎて、ソースが絡み切らなかった。でも鴨川の見える窓際で二人で食べて、「おいしい」と言い合った。


料理の出来より、一緒に作ることが大事だった。そういうことが、旅の中でわかった。


決めることが苦手な人と、決めることが好きな人。たぶん、これでちょうどいい。


鴨川沿いを、次は夏に来たい。緑の季節の京都を、亮太くんと一緒に見たい。そう思いながら新幹線に乗った。窓から琵琶湖が見えた頃、彼からLINEが来た。「今度は金沢も考えてる」。決めることが苦手だった人が、次のことを考えている。それが嬉しかった。


決める前に3回言う人は、決めたら本当にやる人だ。亮太くんのことを、そう覚えた。


Airbnbのメールが残っているのに、また行きたいと思う。

よくある質問

Pairsで出会った彼が「京都行きたい」と言ったのは何回でしたか?
3回でした。付き合って1ヶ月目・2ヶ月目・3ヶ月目と、それぞれ別の場面で言い続けたにもかかわらず具体的な行動には移りませんでした。
旅行を自分で予約することにためらいはなかったですか?
「してもらえる?」という言い方は主体的ではないと感じながらも、行きたい気持ちはあるということだと受け取りました。彼が言い出せなかった分を自分が動くことで前に進んだ体験談です。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

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