マッチングアプリを6ヶ月続けて疲弊した——アプリ疲れから抜け出す方法
6ヶ月で20人以上と会った。全員まあまあ良い人だった。なのに消耗した。どこで間違えたのか、ずっとわからなかった。アプリ疲れは意志が弱いわけじゃない——構造的に疲弊するように設計されている、という話をする。
6ヶ月目に「もう無理」と思った日
Omiaiを始めて6ヶ月目のある日曜日、アプリを開いたらリストに40人以上の「いいね」が溜まっていた。
「いいね返さなきゃ」と思って画面を見た瞬間、スマホを伏せた。胸の奥がじんわりと重くなる感覚。40人分の顔写真を、スワイプで選別する。また返信の管理が始まる。また「はじめまして、よろしくお願いします」を送る。また「趣味はなんですか」から会話が始まる。
そこまで思い浮かべて、充電器に刺さったまま充電されているスマホを、そのまま放置して散歩に出た。
代官山から中目黒の川沿いを歩いた。1時間ぐらい。カップルが並んで歩いていた。「あの人たちはどこで出会ったんだろう」と考えながら歩いた。
その夜、Omiaiを退会した。「疲れた」という一言で要約できる6ヶ月だった。
マッチングアプリ疲れの原因TOP5
アプリ疲れは、意志の弱さでも向いていないわけでもない。疲弊する構造が、アプリ自体に組み込まれている。
①比較され続けるストレス
マッチングアプリはプロフィールが並列表示される。自分も相手のリストに並んでいて、常に「どの人を選ぶか」「どの人に選ばれるか」という評価の中に置かれている。就活の書類選考を毎日やっているようなもので、精神的なコストが蓄積する。
②返信の管理疲れ
複数の人と同時進行することがアプリのデフォルトになっている。3〜5人と会話が重なると、「あの人には○○の話をした、この人にはしていない」という管理が必要になる。誰に何を話したかを覚えておくだけで、脳のリソースを使う。
③同じような会話の繰り返し
「趣味はなんですか」「休日は何をしてますか」「どんな仕事してますか」。20人と会うと、20回同じ自己紹介をする。会話に慣れることで退屈が生まれ、「また同じ話か」という感覚が積み重なる。
④断るストレス
会ってみて「合わない」とわかったとき、断る側のストレスは軽くない。「申し訳ないが次はない」というメッセージを書く、ということを何度も繰り返すと、心が摩耗する。断られることよりも、断ることの方が消耗するという人も多い。
⑤期待と現実のギャップ
「アプリで素敵な人と出会えるはず」という期待があると、会ってみて「まあ普通だったね」という体験が続くたびにモチベーションが落ちる。アプリを始めた時の「ときめき」が、回数を重ねるごとに薄れていく。
疲れのサイン——休止のタイミングの見極め方
以下のうち3つ以上当てはまったら、休止を真剣に考える時期だ。
・アプリを開くのが億劫で、通知をオフにした
・プロフィールを見るのが嫌、または見ても何も感じない
・デートの約束が「楽しみ」ではなく「義務」になってきた
・断ることに対して、以前より強い罪悪感を感じる
・マッチングしても「またか」と思う
・アプリのために土日の時間を削ることに抵抗を感じる
・「いい人いないかな」から「早く終わらせたい」に変わった
この状態で続けても、会う相手に失礼だ。消耗した状態での出会いは、相手にも伝わる。
正しい休止の仕方(アプリ別の休止機能)
Pairs(ペアーズ)
「設定」→「アカウント設定」→「非表示設定」でプロフィールを他のユーザーから見えなくできる。退会せずにデータを保持したまま活動を止められる。課金中の場合は停止タイミングに注意。
Omiai
「設定」→「プロフィール公開設定」→「非公開」に変更することで、検索結果から外れる。やりとり中の相手には引き続きメッセージを受け取れる。
with
「設定」→「アカウント」→「アカウント休止」から休止設定が可能。休止中は相手の検索に表示されない。
タップル
「設定」→「退会・休会」から「休会」を選択。30日間の休会期間が設けられており、その間は非表示扱いになる。
退会 vs 休止の違い
退会するとデータが削除され、マッチング済みの相手とのやりとりも消える場合がある。「少し休みたいだけ」なら非公開・休止設定が無難。「もうこのアプリはいい」と明確に決めたなら退会でいい。
休止中にすること
アプリをやめた時間で、何をするか。これを決めておかないと、ただぼんやりと過ごして「やっぱり開いてしまった」になる。
自分を整える
運動・睡眠・食事。アプリに使っていた夜の時間を、ここに充てる。ジムに行く、料理をする、早く寝る——どれでもいい。「自分の生活を取り戻す」という感覚を作ることで、「出会いを求めている自分」から少し離れられる。
趣味・友人に時間を使う
アプリを使い始めると、知らないうちに「アプリのための自分」になっていることがある。週末をデートのために空けていた、友達との予定を断っていた。休止中に、それを取り戻す。
目標を再設定する
「なぜアプリを始めたのか」を紙に書いてみる。「結婚したい」「自然に会える人が欲しい」「恋愛の感覚を取り戻したい」——どれが本音か。目標が曖昧なまま使い続けると、疲弊するだけで何も残らない。休止中に、自分が本当に求めているものを整理する。
再開のタイミングと再開時の作戦
再開のサイン
・アプリを開いてみようかな、と自然に思えた
・友達の恋愛話を聞いて「いいな」と思った
・「ちゃんと出会いに向き合える気がする」という感覚がある
焦りで再開するのは逆効果。「また始めなきゃ」という義務感で再開しても、休止前と同じ疲弊が繰り返される。
再開時にやること
プロフィール写真を変える。最低でも1〜2枚、新しい写真に変える。プロフィール文を読み直して、今の自分に合わない部分を書き直す。「半年前の自分が書いた文章」を使い続けると、今の自分と一致しない違和感が生まれる。
目標を1つだけ決める。「今月は3人と会う」でも「良いと思った人だけにいいねをする」でも、シンプルな基準を作る。漠然と再開すると、また管理疲れが起きる。
アプリは道具だ。道具は、使いたいときだけ使えばいい。
アプリ疲れを感じた時に試せること——休止前の「小さな調整」
退会や休止の前に、試せる調整がある。いきなりやめると「やはり出会いたい」と数週間後に戻ってきて同じ疲弊を繰り返す、というパターンに入ることがある。
調整1:通知をオフにする
アプリの通知が来るたびに「確認しなければ」という義務感が生まれる。通知をオフにするだけで、「見たい時に見る道具」に変わる。スマホが震えるたびにアプリのことを考えるのをやめられる。
調整2:同時進行の人数を減らす
「5人と会話中」を「2人まで」に絞る。返信を管理するストレスは、関わる人数に比例する。全員に誠実に返そうとするから疲れる。「今週はこの人とだけちゃんと話す」と決めるだけで、心の負荷が減る。
調整3:アプリを変える
OmiaiでもPairsでも半年使っていると、「新鮮さ」が完全になくなる。別のアプリに移るだけで、プロフィールを作り直す作業が「自分を見つめ直す時間」になる。withやHingeは使い方がOmiaiやPairsと少し違い、操作の新鮮感があることがある。
調整4:プロフィールを書き直す
「半年前に書いた文章」を使い続けていることに気づいていない人は多い。自分が変わっているのに、プロフィールが変わっていない。プロフィールを書き直すことで「今の自分が何を求めているか」が整理され、それがそのままアプリへの向き合い方を変える。
「アプリに疲れた人」がやりがちなNG行動
疲れたまま動くと、かえって状況が悪くなる。
NG1:ヤケでいいねを乱発する
「早く出会わなければ」という焦りから、基準を下げて全員にいいねを送り始める。マッチング数は増えるが、会いたくもない人と会うデートが増えて余計に疲弊する。
NG2:疲れた気持ちのままデートに行く
「約束してしまったから」「キャンセルするのが悪い」という義務感でデートに行く。消耗した状態での出会いは相手にも伝わる。「なんか元気なさそう」「距離感があった」という印象を残すだけで、双方にとって良い時間にならない。キャンセルするなら早めに。
NG3:「どうせうまくいかない」前提で会う
諦めの感情を抱えたままデートに行くと、相手のいいところを見つけようとする前に「やっぱりダメだ」という結論を先に探し始める。疲弊して判断力が落ちている時に会う人は、フラットな状態の自分が会う人より「良く見えない」可能性が高い。
休止は撤退ではない。整えてから再び動く、そのための時間だ。
よくある質問
退会と非表示(休止)の違いは何ですか?↓
再開するとき何から始めればいいですか?↓
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。