失恋直後にマッチングアプリを始めた夜。後悔してわかったことがある
3年付き合った人と別れた翌週、吉祥寺のカフェでコーヒーが冷えていくのを見ながらアプリを入れた。「前に進み始めた」と思っていたが、実はただ逃げていた。失恋直後のマッチングアプリがうまくいかない本当の理由を振り返る。
正直に言う。失恋した翌週にアプリを入れたけど、全然ダメだった。
3年付き合っていた人と別れた、11月の終わりだった。終わり方は静かだった。「もう向いている方向が違う気がする」と言われて、私が「そうかもしれない」と言った。吉祥寺のカフェで、ミルクたっぷりのコーヒーが冷えていくのを横目に見ながら話した。
その夜、アパートに帰って一人でいるのが怖くて、スマホを触っていた。気づいたらアプリをインストールしていた。「新しい出会いで傷を癒そう」と思っていた。実際は逃げていた。静けさが怖かった。
失恋直後に動いた結果
マッチングして、毎日LINEした。話しているあいだは、考えずに済んだ。相手は私のことを「元気な人」だと思っていたかもしれないけど、内側は空虚だった。
会った人もいた。下北沢のバーで、2時間話した。「悪くないな」と思いながら、気がついたら元カレの話をしていた。「最近別れたんですよ」と。「そうなんですね」と相手が言ったとき、空気が変わったのがわかった。2回目はなかった。
2人目と恵比寿で会ったとき、似たようなことが起きた。「前の彼が〇〇で」と話し始めた自分に、話しながら気づいた。でも止められなかった。帰りの日比谷線の中で、スマホの画面を暗くしたまま、「これはまずい」と思った。
3人目と会ったのは12月だった。代官山のイタリアンで、テーブルが小さくて向かいの顔が近かった。「好みのタイプは?」と聞かれて、「前の彼みたいな」とかけそうになって、口をつぐんだ。ようやく「やってしまっている」という自覚が生まれた。新しい人を探しているつもりで、元カレの代替を探していた。目の前にいる人を「前の彼に比べて」のフィルターで見ていた。それは誰に対しても失礼な行為だった。その人と2回目はなかった。なくて当然だった。
なぜうまくいかなかったか
今の自分より、過去の人を探していたからだ。
「前の彼より優しい人」「前の関係よりうまくいく人」「あの人が持っていなかったものを持っている人」。比較していた。新しい人を「新しい人」として見られていなかった。目の前にいる人を、前の恋愛のフィルター越しに見ていた。
それは相手に失礼だし、自分にとっても損だった。出会いに投資した時間とエネルギーが、全部空振りになる。
「動き始めてもいい時期」の目安
正解はないが、「前の恋愛の話をしなくていい状態」になってから、が目安だと思っている。
失恋を「笑い話にできる」「そういえばそんなことあったな、と思える」くらいになってから。自分の中でその恋愛に対して、一通りの感情が収まってから。
「まだ引きずってる自覚がある間は動かない」という友人もいる。それも正解だと思う。引きずっている自覚がある状態で出会いに出ると、相手を踏み台にしてしまう可能性がある。相手はそれを知らないまま、温度差のある関係に放り込まれる。
私の場合は、動き始めてから実際に「ちゃんと動けている」と思えるようになるまで、2〜3ヶ月かかった。最初の動きはまだ「逃げ」だった。
再起動したとき
前の恋愛の記憶がまだあるのに、「でも目の前のこの人が面白い」と思えた瞬間があった。
新宿のカフェで、普通に話していた。いつの間にか前の彼のことを思い出していなかった。話しながら、目の前の人に対する純粋な興味があった。その瞬間が来たとき、ちゃんと動ける時期になったんだと思った。
コーヒーカップを両手で持ちながら、「あ、今すごく楽しい」と気づいた。久しぶりの感覚だった。
傷の上に絆創膏を貼っても、傷は癒えない。先に傷を洗った方が、早く回復する。失恋直後にアプリを入れて消耗した経験は、無駄ではなかった。「まだ早かった」とわかったのも、動いたからだ。タイミングを学ぶのに、少し遠回りしただけだった。
吉祥寺のカフェで「向いている方向が違う」と言われた日から、ちゃんと動けると思えるようになるまで、3ヶ月と少しかかった。短いようで、あの3ヶ月は長かった。スマホを触ることで紛らわしていた夜と、ようやく一人でいることが平気になった朝が、あの時間の中にある。急いで埋めようとしなくてよかった。
失恋の傷が癒えたサイン
代官山のカフェで、ふと元カレの好きだった曲が流れた。以前なら胸が締め付けられたのに、その日は「いい曲だな」と思えた。喉の奥のつかえがなくなっていた。それが、癒えたサインだった。新宿の帰り道、新しい気持ちでアプリを開いた。手のひらに汗はあったけど、恐怖じゃなく期待の汗だった。失恋直後のアプリは前の恋の代替を探してしまう。でも傷が癒えた後なら、新しい人をちゃんと見れる。タイミングは自分の心が教えてくれる。
傷は癒える。でも完全には消えない。その傷跡が、次の恋を慎重に、そして優しくしてくれる。代官山の夕暮れがきれいだった。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。