離婚から1年、アプリに登録した夜——バツイチの出会い直しの完全ガイド
離婚届を出した日の夜、一人でコンビニのホットスナックを食べた。泣くでもなく、怒るでもなく、ただ白い天井を見ていた。それから1年後、アプリを入れた。バツイチであることを最初から書くかどうか、何度も迷った。この記事は、その迷いを全部書いた。
離婚届を出した半年後、アプリを入れた理由
離婚したのは32歳の春だった。
5年間の結婚生活の終わり方は、派手でも激しくもなかった。ただ少しずつ、お互いの距離が開いていって、気づいた時には修復できなかった。離婚届に押印した日、区役所の窓口で「受理されました」と言われた時、泣かなかった自分に少し驚いた。
半年間は、恋愛のことを考えなかった。考える余裕がなかったというより、考えることを意図的に避けていた。友人との飲みを増やして、仕事に集中して、週末は一人で映画を見ていた。TOHOシネマズの会員ランクが上がったのが、その時期だった。
アプリを入れたのは、秋口。同じくバツイチの友人に「マリッシュ、バツイチでも全然普通に使えるよ」と言われたのがきっかけだった。スマホを持つ手が、少し重かった。
「また傷つくのかな」じゃなくて「また傷つけてしまうかもしれない」という怖さの方が大きかった。
---
バツイチであることを開示するタイミングと方法
「離婚歴、いつ言えばいいの?」——これが一番迷う問題だ。
3つの選択肢がある。プロフィールに書く、初回メッセージの流れで伝える、初デートの時に話す——どれが正解かは、アプリによっても相手によっても変わる。
プロフィールに書く場合のメリットは、隠すストレスがないこと。バツイチであることを問題にしない人だけが残るため、マッチしてからの関係が安定しやすい。マリッシュのように「バツイチウェルカム」な環境では、プロフィールへの記載が普通になっている。デメリットは、マッチ数が減ること。20代や未婚歴のある相手と出会いたい場合は、最初から弾かれる可能性がある。
初デートで話す場合は、相手の反応を見てから伝えられる利点がある。「話せる関係になってから言う」方が自然に感じる人もいる。ただ、「なぜ最初に言わなかったの?」と感じる人もいる。特に真剣交際を考えている相手には、早めに伝える方がトラブルが少ない。
私が試して良かった方法は「プロフィールには書かず、3〜5通目のメッセージで自然な流れで話す」こと。「実は一度結婚していたことがあって」と書いたら「そうなんですね、いろいろ経験してきたんですね」と返ってきた。そこから会話が深くなった。離婚歴は、話題になりうる。
---
バツイチ向けのアプリ選び
アプリによって「バツイチの扱われ方」が全然違う。
マリッシュは、バツイチ・シングルマザー・シングルファーザーを明示的に応援している唯一のアプリと言っていい。プロフィールに「再婚活中」と書いても違和感がなく、会員の過半数が離婚経験者という環境。「バツイチだから…」という萎縮がいらない。ただし婚活前提の色合いが強いため、「まず出会いを広げたい」よりも「再婚を目標に動きたい」人向け。
Omiaiは真剣度が高く、プロフィールの記入項目に「婚歴」の選択肢がある。バツイチを選択しても普通にマッチングする環境。30〜40代の会員が多く、離婚経験者も珍しくない。婚活の雰囲気がマリッシュよりやや薄く、「出会いながら考える」人に向いている。
Pairsは会員数が多いぶん、バツイチに対する反応も人それぞれ。抵抗なく受け入れる人もいれば、敬遠する人もいる。コミュニティ機能で「バツイチの方でも歓迎」などのコミュニティを活用すると、同じ立場の人と出会いやすい。
ゼクシィ縁結びは結婚前提の真剣度が高いため、バツイチへの理解も高い傾向にある。特に「子連れ可」のフィルターで活動している会員も一定数いる。
---
バツイチのプロフィール戦略
離婚理由をプロフィールに書くべきか、という質問をよくされる。
書かなくていい。「離婚経験あり」という事実だけで十分。理由は、関係が深まってから話せばいい。「価値観の違いで」という一言だけで多くの人は納得する。詳細に書くと「まだ引きずっている?」という印象を与えることがある。
子供の有無の書き方は、プロフィールに正直に書くことを推奨する。子供がいることを後から知る相手のショックより、最初から知っている相手と付き合う方が、長期的に安定する関係を作りやすい。
「前向きさ」の表現について。よくやってしまうのは「過去を乗り越えた感」を強調しすぎること。「離婚を乗り越えて今は前向きです!」という書き方は、かえって傷跡を強調する。「今は一人暮らしを楽しんでいて、週末は荻窪のカフェで本を読むのが好きです」のように、今の生活を普通に書く方がいい。
---
バツイチが出会いやすい相手・難しい相手
出会いやすいのは、同じくバツイチか、離婚歴のある相手。経験の共有があるため、深い話が早くできる。「また傷つけたくない、傷つきたくない」という慎重さを、お互いが自然に持っている。
年齢が近い相手(±5歳以内)は、人生のフェーズが似ているため話が合いやすい。30代での離婚なら、30代後半〜40代前半の相手と相性がいい傾向がある。
難しいのは、20代の未婚者。悪い人では全くないが、人生経験の差が会話に出ることがある。「結婚って実際どうなんですか?」と聞いてくる人もいて、その答え方に毎回悩む。
アプリ別で言うと、Tinderは真剣度が低いユーザーも多く、バツイチの事情を理解してもらいにくい場合がある。マリッシュ・Omiai・ゼクシィ縁結びは、真剣度の高い会員が多くバツイチへの理解も深い。
---
再婚を前提に活動する時のスタンス
再婚を目標にするかどうか、最初から決めなくていい。
「また結婚したいかどうか、まだわからない」——この状態でアプリを使っている人は多い。そしてそれは、正直に書いていい。「今は出会いを大切にしながら、自然に関係を深めていきたいです」という書き方でいい。
再婚を急ぐ焦りは、相手に伝わる。離婚を経験した人間ほど、同じ失敗をしたくないという慎重さを持っている。その慎重さは強みだ。「また失敗したくない」という気持ちが、相手を丁寧に見る目を育てる。
一人でいる時間を怖がらないこと。離婚後の孤独は、埋めようとするほど誤魔化しになる。その孤独を一度ちゃんと感じた人間の方が、次の出会いに本気になれる。
---
「もう一度だけ、誰かを信じてみよう」——そう思った夜に登録したアプリが、私の人生の続きを作った。
バツイチがやりがちなNGメッセージと改善例
「バツイチ補正」でついやってしまう言動がある。当事者には気づきにくいが、相手からしたらサインになっているパターンを整理した。
NG①:初期メッセージで離婚の話を詳しく語りすぎる
NG例:
「はじめまして。プロフィールに書いていませんでしたが、実は一度結婚して離婚しています。原因は相手の浮気で、2年間は立ち直れなかったんですが、今はちゃんと前を向けています。もし気になることがあれば何でも聞いてください」
改善例:
「はじめまして。一度結婚して離婚した経験があります。いろいろあって今は一人ですが、またちゃんと向き合える人と出会えたらと思ってアプリを始めました。よかったら話しましょう」
NGは情報量が多すぎて、相手に「どう返せばいいか」という負担をかける。離婚の詳細は、お互いがある程度打ち解けてから話せば十分。最初の一文は「事実」だけ、後は「今の自分」を書く。
NG②:デートの話題で「前の結婚では〜」を繰り返す
NG例(デート中の会話):
「この料理、おいしいですね」
「そうですね。前の結婚相手は和食が好きで、こういうお店に来ることが多かったんですが……(以下、元の話が続く)」
改善例:
「この料理、おいしいですね」
「ほんと。魚介の出汁、丁寧に取ってる感じがする。○○さんはどんな料理が好きですか?」
過去の話は「たまに出てくる」のは自然だが、毎回会話の着地点になると相手が疲れる。今を生きている自分が、会話の主人公のほうがいい。
NG③:「また失敗したくない」が過度な条件チェックになる
NG例(2回目のデートで):
「前の離婚でいろいろ学んで、次の相手には絶対に浮気しない人を選びたくて。それって証明できないですよね、でも……あなたはどう思いますか?」
改善例:
こういう話は2回目のデートでは早い。3〜4回目以降、「この人とは深く話せる」と感じた段階で、「自分の大切にしていること」として話す形のほうが自然に伝わる。
離婚歴は、「負い目」ではなく「経験値」だ。それをどう扱うかで、相手の受け取り方が全然変わる。
初デート前後のチェックリスト(バツイチ版)
初デート前に確認しておきたいことがある。バツイチ特有の地雷を事前に避けるためのリスト。
デート前:
- [ ] 元の話を自分から積極的に出さない、と決めておく
- [ ] 「前の結婚」が出たとき、どう話すかを一度頭の中でシミュレーションする
- [ ] 子供がいる場合、いつ話すかのタイミングを考えておく
- [ ] 「再婚希望かどうか」を聞かれた場合の答えを持っておく(正直でいい)
デート後:
- [ ] 「また会いたいかどうか」だけを判断軸にする(条件より感覚を信じる)
- [ ] よかった部分を1つ言語化してフォローのLINEを送る
- [ ] 「この人なら安心できる」という感覚が出てきたら、次回を提案する
バツイチだから慎重になるのは当然だ。でも、慎重すぎて動けなくなるのは、また別の損失だ。一度失った信頼を取り戻す方法は、また誰かを信じることだけにある。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。