初デートで何も話せなかった私が変わった——奥手・人見知りのマッチングアプリ攻略
初デートで2時間、ほぼ無言だった。相手の女の子が話してくれた。私は「そうですね」と「あー」しか言えなかった。帰り道、地下鉄の窓ガラスに映る自分の顔を見て、もう諦めようかと思った。でも、辞めなかった。奥手でも、出会える。ただし、やり方が違う。
初デートで2時間、ほぼ無言だった話
初デートで2時間、ほぼ無言だった。
相手は同い年の女の子で、渋谷のカフェで会った。注文を終えて、コーヒーが来て、「最近どうですか」という話になった瞬間、頭が真っ白になった。
何を話せばいいかわからなかった。メッセージなら書ける。頭の中で考えてから送れる。でも目の前に人がいると、言葉が喉でつかえた。
彼女は優しい人で、一生懸命話題を作ってくれた。私は「そうですね」と「あー、それいいですね」を繰り返した。2時間後、「また連絡します」と言われて終わった。もちろん、連絡は来なかった。
帰りの渋谷の交差点、雑踏の中で立ち止まって、スマホを取り出してアプリを消そうとした。でも、消さなかった。
消さなかった理由は今でもうまく説明できないが、「メッセージは楽しかった」という感覚が残っていたからだと思う。
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なぜ奥手な人こそマッチングアプリが向いているか
これは逆説のように聞こえるかもしれないが、本当だと思っている。
リアルの出会い(職場、飲み会、合コン)では、第一印象と即興の会話力が全てを決める。瞬発的なコミュニケーション能力が低い人は、最初から不利なゲームを戦っている。
マッチングアプリは違う。テキストコミュニケーションは、奥手に有利な環境だ。
送信前に、内容を確認できる。頭の中で何度も言葉を作り直してから送れる。リアルの会話で起きる「言葉が出てこない」という問題が、テキストでは起きない。
見た目より中身が先に伝わる。リアルの出会いでは、外見・声・雰囲気が先に評価される。アプリでは、書いた文章が先に届く。「文章の面白い人」「言葉の選び方がいい人」という評価は、奥手でも作れる。
自分のペースで進められる。次の返信まで1時間かけても、1日かけてもいい。リアルタイムで反応する必要がない。
私はこの「テキスト先行の出会い」を徹底することで、デートへの障壁が下がった。すでにメッセージで仲良くなっているから、会った時に全くの初対面じゃない感覚になる。
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奥手・人見知りに向いているアプリの選び方
全てのアプリが奥手に向いているわけではない。
withは、心理テストや性格診断がプロフィールに表示される仕組みで、「このテストの結果面白かったです」という会話の入口が作りやすい。「初めて何を話せばいいかわからない」という問題を、アプリ側が解決してくれている。
Pairsは、コミュニティ機能で「人見知り同士」「引っ込み思案」「静かな人が好き」といったコミュニティがある。同じ属性の人と最初から繋がれるため、「奥手であることを説明しなくていい環境」が作れる。
タップルは趣味ベースのマッチングで、「同じ映画が好き」という共通点から会話が始まるため、何を話すか迷いにくい。共通の話題がある状態でスタートできるのは、奥手にとって大きい。
一方、Tinderは「とにかくスワイプ」「会ってから判断」という文化が強く、テキスト関係を深める前に会おうとするユーザーが多い。奥手には合わない場合がある。
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テキストで「話せる自分」を作るコツ
「アプリのメッセージで自分を出す」——これが奥手の最大の武器だ。
メッセージの書き方で一番意識したのは「質問で終わらせること」。「昨日なに食べましたか?」ではなく、「昨日、初めてガパオライスを自炊したんですが、思ったより簡単で。料理してみたりしますか?」のように、自分の話を添えてから質問する。こうすると相手も答えやすい。
話題の作り方については、相手のプロフィールから1つだけ拾う。全部に触れようとすると、相手は何から返せばいいか迷う。「映画好きと書いてましたが、最近見て良かったのってありますか?」と1点に絞る。
間を恐れないこと。返信が1日来なくても、「もう終わりかな」とは思わない方がいい。仕事や日常で忙しい時間はお互いにある。「昨日返信できなくてすみません」と来たら「大丈夫です、私もそういうことあります」と返す。この「余裕感」がテキストにも出る。
具体的に変わったメッセージの例を挙げると——以前の私:「趣味は読書です。よろしくお願いします。」→変わってから:「最近は東野圭吾の『白夜行』を読み返していて、何回読んでも雪穂の底冷えするような怖さが好きです。読書されますか?」前者は会話が終わる。後者は始まる。
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初デートで奥手が失敗しないための事前準備
「とりあえず会いましょう」で行くと、私のように白目を向く。事前準備が全てを変える。
話題リストを3つ持っていく。スマホのメモに「①仕事の面白かった話②最近ハマってること③子供の頃の話」と書いておいて、カバンの中に入れておく。見なくていい。書いただけで安心感が出る。
デートの時間を短くする。2時間カフェより1時間カフェの方がいい。「もっと話したかったな」で終わる方が次のデートへの期待が生まれる。最初から3時間のコースを組まない。
逃げ場を作る。「この後予定がある」と先に言っておくと、だらだら続けなくていいプレッシャーが消える。「17時には出ないといけないので」と最初に言うだけで、心が軽くなる。
場所の選び方も重要。無音のカフェより、BGMが流れているカフェを選ぶ。沈黙が重くならない。渋谷の喧噪より、中目黒の川沿いのカフェのような「環境音で自然と場が埋まる」場所がいい。
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コミュ障でも「また会いたい」と思ってもらえる行動
会話が上手くなくても、「また会いたい」と思ってもらえる行動がある。
聞く力を使うこと。話すことが苦手な分、聞くことに集中する。相手が話した内容を、次の返しで使う。「さっきの話、○○って言ってましたよね」——これ一つで「ちゃんと聞いてる」が伝わる。
正直に言うこと。「実は人見知りで、緊張してます」と伝えると、多くの場合相手の態度が柔らかくなる。隠そうとして無言でいるより、「緊張してる」と言った方が親近感が出る。
小さなリアクションを丁寧にすること。「それ面白いですね」「へえ、そうなんですか」という短いリアクションでも、頷きながら言うと伝わり方が違う。会話の量より、相手の話への反応の質が「また会いたい」につながる。
別れ際に一言、印象に残る言葉を言うこと。「今日、楽しかったです。○○の話、もっと聞きたいです」——これだけでいい。長い感想は不要。別れ際の一言が記憶に残る。
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「話せなかった私が、ある日気づいた。聞くことも、会話だ。」
奥手がやってしまいがちな失敗パターンと切り替え方
失敗してから気づいたことが、いくつかある。奥手あるあるの失敗を、どう切り替えるかをまとめておく。
失敗パターン1:「何を話せばいいかわからなかった」と沈黙を放置する
沈黙が30秒続くと、頭の中でパニックが始まる。「何か言わないと」「重い空気になってる」と焦れば焦るほど、言葉が出なくなる。これは奥手にとってほぼ全員が通る道。
切り替え方:沈黙を「埋めるもの」ではなく「休憩」と捉え直す。「ちょっと沈黙しちゃいましたね」と笑いながら言えるだけで、場が和む。沈黙に言葉で反応するという逆転の発想。コーヒーを一口飲む仕草でリセットして、「そういえば、さっき言ってた○○って、もう少し聞かせてもらえますか?」と戻る。
失敗パターン2:緊張を隠しすぎて「感情がない人」に見える
奥手の人は緊張を隠そうとして、表情が固まる。笑顔を作ろうとして、逆に怖い顔になる。「楽しんでないのかな」と相手に思われて、相手のテンションも下がる。
切り替え方:最初の5分で「実は緊張しいなんです」と一言言う。下北沢のバーで初めてこれをやったとき、相手が「私もです!」と笑って、そこから場が動いた。弱さを言葉にすることで、相手に「この人は正直だ」という安心感が生まれる。
失敗パターン3:相手の話を引き出しすぎて、自分の情報を何も渡さない
「聞くのが得意」なのはいいが、自分の話を一切しないと、相手は「私だけ話してる」と感じる。一方通行のインタビューになって、「なんか疲れた」と思われる。
切り替え方:相手が話したら、「それ、私も似たことあって。吉祥寺の喫茶店でひとりで本を読んでる時間が一番落ち着くんです」というように、短く自分の話を挟む。共感から自己開示へ、一言でつなぐ。比率で言うと、「聞く:話す=7:3」くらいが奥手には心地よい。
奥手のためのメッセージ例文集——会話を続けるための返し方
メッセージの「返し方」がわからなくて止まる、という声をよく聞く。具体的な例文を並べる。
相手が旅行の話をしてきたとき
NG返し:「いいですね!私も旅行好きです」
改善:「大阪、行ったことあります。道頓堀の人の多さに圧倒されて、路地裏に逃げ込んだ先の串カツ屋が最高だった。どのあたりに行ったんですか?」
G返しは会話が「いいですね!」で止まる。改善版は「道頓堀→路地裏→串カツ屋」という具体的な自分の体験を添えて、質問で返している。
相手の返信が短かったとき
NG対応:「もしかして私、何か失礼なこと言いましたか?(不安)」という追いメッセージを送る
改善:一日待って、「昨日は変なこと聞いてたらごめんなさい。今日もOmiaiのぞいてたら気になる投稿があって——」と別の話題から入り直す
相手が短い返信だったのは、忙しかっただけかもしれない。不安を全部相手にぶつけると、相手が重く感じる。間を置いて、新しい話題で戻る方が関係が続く。
デートの場所を決めるとき
NG:「どこがいいですか?」と丸投げする
改善:「中目黒か吉祥寺、どちらが近いですか?二つ候補があって」
奥手は相手に決めてもらおうとしがちだが、「どこでもいいです」の往復は決まらない。二択を出す方が、相手も動きやすい。決断を全部相手に任せず、選択肢を渡す。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。