人見知りが10人に会うまでにやった、たった3つのこと
初対面で声が震える。沈黙が怖い。帰り道はいつも反省会。そんな自分がPairsで10人と会えた方法は、コミュ力を上げることじゃなかった。「自分の取扱説明書」を作ったら、全部変わった。
初めてのデートは、30分で逃げた。
失敗から見えたこと
Pairsでマッチした人と、渋谷のスタバで待ち合わせ。席について、キャラメルマキアートを頼んで、「お仕事は何されてるんですか?」と聞かれた。答えた。「趣味は?」と聞かれた。答えた。「休日は何してますか?」と聞かれた。答えた。
——全部、一問一答。面接だった。
会話が広がらない。相手の質問に答えるだけで、自分からは何も聞けない。声がうわずっているのが自分でもわかる。手に汗がにじんで、コーヒーカップが滑った。テーブルにこぼした数滴を、ナプキンで拭いながら「すみません」を3回くらい言った。彼女は「大丈夫ですよ」と笑ってくれたけど、その笑顔が同情に見えた。
30分後、「ごめんなさい、ちょっと用事を思い出して」と嘘をついて逃げた。渋谷のスクランブル交差点を渡りながら、胃がぎゅっと縮んだ。信号が変わって人の波に押されて、センター街の入り口まで流された。立ち止まって壁にもたれて、深呼吸した。目を閉じたら、彼女の「大丈夫ですよ」の声が頭の中で反響してた。
私はいわゆる「コミュ障」。初対面の人と話すと声が震える。沈黙が3秒続くと焦る。「何か話さなきゃ」と思うほど頭が真っ白になる。相手のリアクションが薄いと「嫌われた」と思う。帰り道は毎回、反省会。「あの返し方はダメだった」「なんであんなこと言ったんだろう」「コーヒーこぼすとかありえない」。布団に入っても脳内再生が止まらなくて、3時まで寝られない。4時にようやく寝て、翌朝むくんだ顔で出社する。
こんな自分が、マッチングアプリで10人と会えるようになった。
魔法みたいな方法はない。コミュニケーション講座に通ったわけでもない。本屋で「話し方の教科書」みたいな本を立ち読みしたけど、「相手の目を見て笑顔で」って書いてあって、それができたら苦労してない、と棚に戻した。やったのは3つだけ。
【1つ目:自分の取扱説明書を作った】
変えたこと・試したこと
これが一番効いた。A4のノートを開いて、「自分はどういう時に緊張するか」「どういう話題なら話せるか」「どういう場所が落ち着くか」を書き出した。2時間くらいかけて、びっしり書いた。
結果、わかったこと。
・向かい合う席より、カウンター席の方が楽(目を合わせ続けなくていい)
・カフェより居酒屋の方がリラックスできる(お酒の力を少し借りる。ビール1杯で緊張が半分になる)
・オープンクエスチョンが苦手(「休日何してますか?」より「最近見た映画ありますか?」の方が答えやすい)
・最初の15分が一番きつい。30分を超えると慣れてくる
・沈黙が怖い。でも食べ物があれば沈黙を「食べてる時間」に変換できる
・相手が早口だと焦る。ゆっくり話す人の方が安心する
これを元に、デートの設計を変えた。待ち合わせはカフェじゃなく、恵比寿のカウンター居酒屋。横並びの方が緊張しない。視線が正面でぶつからないから、横を向いたまま話せる。最初の15分は食べ物を頼むことに集中すれば、会話の空白を「メニューを見る時間」で埋められる。「これ美味しそうじゃないですか?」「枝豆と……あと何頼みます?」。メニューが会話の橋渡しになる。
場所選びだけで、緊張度が3割は下がった。環境は自分の味方にできる。
【2つ目:「聞く」のハードルを下げた】
コミュ力がある人は「質問が上手い」と言われる。でも人見知りにとって、質問すること自体がハードル。「こんなこと聞いていいのかな」「変な質問だと思われないかな」「踏み込みすぎかな」って考えて、口が開かない。考えてるうちに3秒が経って、焦って、結局何も言えない。
だから「質問」じゃなくて「感想」に切り替えた。
相手が「最近、高円寺のカレー屋にハマってて」と言ったら、「え、高円寺って意外とカレー屋多いですよね」と返す。質問じゃなくて、ただの感想。でもこれで会話が続く。相手が「そうなんですよ、あの辺はインドカレーもスリランカカレーもあって」と勝手に広げてくれる。
今だから言えること
「旅行が好きで、先月京都行きました」に対して、「京都、修学旅行以来行ってないなあ」。質問してない。自分のことをちょっと言っただけ。でも相手は「え、行った方がいいですよ、最近の京都は……」って話してくれる。
感想を言うだけなら、「変な質問」と思われるリスクがない。相手の話を聞いて「へー」「なるほど」「わかる」で相槌を打って、たまに感想を挟む。それだけで「聞き上手」に見える。人見知りこそ聞き役の才能がある。口下手は、耳上手。
【3つ目:「緊張してます」と先に言った】
これは神保町の居酒屋で3人目と会った時に、偶然やったこと。席について、メニューを開いて、手が小刻みに震えていて、「すみません、めっちゃ緊張してて」と口走った。本当に緊張していたから、思わず出た。計算じゃなく、本音がこぼれた。
相手が笑った。「俺もですよ。めっちゃ安心しました」。
その瞬間、肩の力がすとんと抜けた。「緊張してる」と宣言すると、それ以上緊張できなくなる。不思議なことに。秘密にしてるから苦しいのであって、言ってしまえば楽になる。相手も構えなくなる。空気がやわらかくなる。「じゃあお互い緊張してるってことで、乾杯しましょう」って彼が言って、生ビールで乾杯した。
これ以降、毎回のデートで最初に「人見知りなんで緊張してます」と言うようにした。10人中8人が「自分もです」と返してくれた。マッチングアプリで会うのは相手も緊張してる。先に弱みを見せた方が、距離が縮まる。弱みは武器になる。
10人に会って、付き合いには至らなかった。でも「もう一回会いたい」と言ってくれた人は4人いた。スタバで30分で逃げた頃の自分からしたら、信じられない数字。10人中4人に「また会いたい」って言ってもらえるなんて、打率4割。イチローより上。
コミュ力は上げなくていい。自分の取扱説明書を作って、環境を自分に合わせて、最初に弱みを見せる。それだけで、人見知りでもアプリデートは乗り越えられる。
完璧に話せなくてもいい。震える声で絞り出した「緊張してます」が、一番人の心に届く言葉だった。
よくある質問
人見知りでもマッチングアプリで会えるようになるものですか?↓
初デートで緊張しない場所選びのコツは何ですか?↓
デート中の沈黙が怖い場合はどう対処すればいいですか?↓
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。
Pairsの他の攻略記事