感謝を忘れた夜、後悔した恋愛の終わりの話
「ありがとう」を言わなくなったのはいつからか。2年付き合った彼に「最近少ないね」と言われ、渋谷のイタリアンでトマトソースのパスタが半分残ったまま固まった——感謝を忘れたとき恋愛は終わりに近づいていた話。
「ありがとう」を言わなくなったのは、いつからだったか。
付き合い始めて最初の半年は、たぶん言っていた。「待っててくれてありがとう」「傘持ってきてくれてありがとう」。でも1年を過ぎたあたりから、言わなくなっていた。気づいたのは、言われて気づいた。
「ありがとうって言ってくれること、最近少ないね」
2年付き合った彼に、そう言われた。渋谷のイタリアン、食事の途中だった。トマトソースのパスタが半分残っていた。テーブルの向こうで彼がそう言った瞬間、フォークを持つ手が止まった。
「そう?言ってるよ」と言いかけたけど、手が止まった。思い当たることがあった。「言ってなかったかもしれない」と正直に言ったら「うん、気になってた」と言われた。「なんで黙ってたの」と聞いたら「言いにくかった」と言われた。
言いにくい、と思わせていたことの方が、問題だった。
「当たり前」になるとき何が起きるか
付き合いが長くなると、相手のことが「当たり前の風景」になる。
待っていてくれることも、返信してくれることも、傘を持ってきてくれることも。全部が「そういうもの」になる。してくれることへの感謝がなくなると、「してくれないこと」が気になるようになる。欠点が目立つようになる。「なんでこれくらいできないの」という言葉が、口には出さなくても頭に浮かぶ。
関係が、少しずつ下り坂になっていく。
付き合って1年半の頃、彼が「最近なんか距離感ある気がする」と言った。私は「そんなことない」と答えたけど、内心「そうかもしれない」と思っていた。感謝がなくなると同時に、一緒にいる時間が義務に近い感覚になり始めていた。
「当たり前」は相手を見えなくする。長く一緒にいるほど、この罠にはまりやすい。
感謝を言いにくくなる理由
付き合いが深くなるほど、「ありがとう」を言うのが恥ずかしくなることがある。仲良くなりすぎると、ちゃんとした言葉が照れくさくなる。「いちいち言わなくてもわかるでしょ」という空気ができる。
でも「わかるでしょ」は幻想だ。言わないとわからない。特に愛情言語が「言葉」のタイプの人には、言葉にしないと伝わらない。
彼は言葉で確認する人だった。それを私はちゃんとわかっていたはずなのに、「もう長いんだから言わなくてもいい」と無意識に手を抜いていた。付き合い始めの頃は自然にできていたことを、ある時点からやめていた。
再び言い始めた後に変わったこと
小さなことにも「ありがとう」を言うようにした。
「待っててくれてありがとう」「メッセージくれてありがとう」「一緒にいてくれてありがとう」。最初はちょっと恥ずかしかった。声が少し固くなった。言いながら「なんかわざとらしいかな」と思った。
でも相手の顔が少し変わった。目が、少し柔らかくなった。渋谷で待ち合わせたとき、「待っててくれてありがとう」と言ったら、彼が少し驚いた顔をした。「最近また言ってくれるようになったね」と言われた。「大事なことを忘れてた」と言ったら「気づいてよかった」と言われた。
感謝が関係を変えるしくみ
言葉にすると不思議なことが起きる。言う方も、言われた方も、少し柔らかくなる。
「ありがとう」を言うと、なぜ感謝しているのかを意識する。意識すると、相手が見える。見えると、「この人がいてよかった」という気持ちが出てくる。感謝は関係の水だ。あげ続けないと、枯れていく。
言い続けることで、相手が「当たり前の風景」じゃなくて、「今ここにいる人」に戻ってくる。それだけのことで、関係の温度が変わる。朝起きてLINEが来たとき、「ありがとう」と返すだけで、1日の始まりが少し違う気がした。
感情は言葉にしないと消える。「わかってるでしょ」は、だいたいわかっていない。
結局、あのパスタが冷えた夜のことを、私は今でも感謝している。言いにくいことを言ってくれた彼に、ちゃんと「ありがとう」と言えたのは、それから3日後のことだった。
「ありがとう」を意識的に言い始めた後の変化
意識して感謝を伝えるようになってから、彼の行動も変わった。吉祥寺のスーパーで一緒に買い物をしたとき、彼が「これ好きでしょ」とお菓子をカゴに入れてくれた。以前なら気づかなかった小さな心遣い。でも「ありがとう」を言うようになってから、彼もこういう細かいことをするようになった。心臓がじんわり温かくなる。感謝は循環する。片方が始めれば、もう片方にも伝染する。代官山の夜道で手をつなぎながら、そう実感した。
感謝を言い続けることは、相手のためだけじゃない。自分が幸せを確認する作業でもある。吉祥寺の帰り道、彼が「今日もありがとう」と言ってくれたとき、心臓がドクンと跳ねた。この人がいる日常は当たり前じゃない。手のひらが温かくなった。恵比寿のカフェで二人分のコーヒーを注文する幸せ。それを幸せだと気づけるのは、「ありがとう」を言い続けているからだ。感謝は恋愛の酸素だった。
よくある質問
恋愛で感謝を言わなくなるのはなぜ?↓
カップルが別れる前兆は何?↓
恋愛を長続きさせるコツは?↓
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。