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感謝を忘れた夜、後悔した恋愛の終わりの話

「ありがとう」を言わなくなったのはいつからか。2年付き合った彼に「最近少ないね」と言われ、渋谷のイタリアンでトマトソースのパスタが半分残ったまま固まった——感謝を忘れたとき恋愛は終わりに近づいていた話。

27歳・女性の体験
·橘みあ·5分で読める

「ありがとう」を言わなくなったのは、いつからだったか。


付き合い始めて最初の半年は、たぶん言っていた。「待っててくれてありがとう」「傘持ってきてくれてありがとう」。でも1年を過ぎたあたりから、言わなくなっていた。気づいたのは、言われて気づいた。


「ありがとうって言ってくれること、最近少ないね」


2年付き合った彼に、そう言われた。渋谷のイタリアン、食事の途中だった。トマトソースのパスタが半分残っていた。テーブルの向こうで彼がそう言った瞬間、フォークを持つ手が止まった。


「そう?言ってるよ」と言いかけたけど、手が止まった。思い当たることがあった。「言ってなかったかもしれない」と正直に言ったら「うん、気になってた」と言われた。「なんで黙ってたの」と聞いたら「言いにくかった」と言われた。


言いにくい、と思わせていたことの方が、問題だった。


「当たり前」になるとき何が起きるか


付き合いが長くなると、相手のことが「当たり前の風景」になる。


待っていてくれることも、返信してくれることも、傘を持ってきてくれることも。全部が「そういうもの」になる。してくれることへの感謝がなくなると、「してくれないこと」が気になるようになる。欠点が目立つようになる。「なんでこれくらいできないの」という言葉が、口には出さなくても頭に浮かぶ。


関係が、少しずつ下り坂になっていく。


付き合って1年半の頃、彼が「最近なんか距離感ある気がする」と言った。私は「そんなことない」と答えたけど、内心「そうかもしれない」と思っていた。感謝がなくなると同時に、一緒にいる時間が義務に近い感覚になり始めていた。


「当たり前」は相手を見えなくする。長く一緒にいるほど、この罠にはまりやすい。


感謝を言いにくくなる理由


付き合いが深くなるほど、「ありがとう」を言うのが恥ずかしくなることがある。仲良くなりすぎると、ちゃんとした言葉が照れくさくなる。「いちいち言わなくてもわかるでしょ」という空気ができる。


でも「わかるでしょ」は幻想だ。言わないとわからない。特に愛情言語が「言葉」のタイプの人には、言葉にしないと伝わらない。


彼は言葉で確認する人だった。それを私はちゃんとわかっていたはずなのに、「もう長いんだから言わなくてもいい」と無意識に手を抜いていた。付き合い始めの頃は自然にできていたことを、ある時点からやめていた。


再び言い始めた後に変わったこと


小さなことにも「ありがとう」を言うようにした。


「待っててくれてありがとう」「メッセージくれてありがとう」「一緒にいてくれてありがとう」。最初はちょっと恥ずかしかった。声が少し固くなった。言いながら「なんかわざとらしいかな」と思った。


でも相手の顔が少し変わった。目が、少し柔らかくなった。渋谷で待ち合わせたとき、「待っててくれてありがとう」と言ったら、彼が少し驚いた顔をした。「最近また言ってくれるようになったね」と言われた。「大事なことを忘れてた」と言ったら「気づいてよかった」と言われた。


感謝が関係を変えるしくみ


言葉にすると不思議なことが起きる。言う方も、言われた方も、少し柔らかくなる。


「ありがとう」を言うと、なぜ感謝しているのかを意識する。意識すると、相手が見える。見えると、「この人がいてよかった」という気持ちが出てくる。感謝は関係の水だ。あげ続けないと、枯れていく。


言い続けることで、相手が「当たり前の風景」じゃなくて、「今ここにいる人」に戻ってくる。それだけのことで、関係の温度が変わる。朝起きてLINEが来たとき、「ありがとう」と返すだけで、1日の始まりが少し違う気がした。


感情は言葉にしないと消える。「わかってるでしょ」は、だいたいわかっていない。


結局、あのパスタが冷えた夜のことを、私は今でも感謝している。言いにくいことを言ってくれた彼に、ちゃんと「ありがとう」と言えたのは、それから3日後のことだった。


「ありがとう」を意識的に言い始めた後の変化


意識して感謝を伝えるようになってから、彼の行動も変わった。吉祥寺のスーパーで一緒に買い物をしたとき、彼が「これ好きでしょ」とお菓子をカゴに入れてくれた。以前なら気づかなかった小さな心遣い。でも「ありがとう」を言うようになってから、彼もこういう細かいことをするようになった。心臓がじんわり温かくなる。感謝は循環する。片方が始めれば、もう片方にも伝染する。代官山の夜道で手をつなぎながら、そう実感した。


感謝を言い続けることは、相手のためだけじゃない。自分が幸せを確認する作業でもある。吉祥寺の帰り道、彼が「今日もありがとう」と言ってくれたとき、心臓がドクンと跳ねた。この人がいる日常は当たり前じゃない。手のひらが温かくなった。恵比寿のカフェで二人分のコーヒーを注文する幸せ。それを幸せだと気づけるのは、「ありがとう」を言い続けているからだ。感謝は恋愛の酸素だった。

よくある質問

恋愛で感謝を言わなくなるのはなぜ?
慣れや甘えが生じると、相手の行動が当たり前だと感じるようになります。感謝の言葉が減るのは、関係が冷え込むサインです。相手を大切にする気持ちを忘れずに。
カップルが別れる前兆は何?
感謝の言葉が減る、連絡が減る、一緒にいても気が散るなどが前兆です。小さな変化を見逃さず、コミュニケーションを取ることが大切です。
恋愛を長続きさせるコツは?
日頃から「ありがとう」と感謝を伝え、相手の行動を当たり前と思わないことです。感謝の気持ちを忘れずに保つことで、関係を良好に保てます。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

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