3cm、5歳、写真は10年前——後悔した夜のプロフィールの嘘
1年間で8人会って、プロフィールと印象が大きく違ったのが3人。10年前の写真、身長詐称、肩書きのズレ。「騙された」というほどではないが、確かめる方法はあった。プロフィール情報を鵜呑みにしないためのチェックのコツ。
正直に言う。8人会ったのに、3人が全然違った。
1人目:写真より実際が老けて見えた。後でわかったが、10年前の写真を使っていた。
2人目:身長「175cm」と書いてあったが、並ぶと私(163cm)とほぼ同じだった。
3人目:「大手メーカー勤務」と書いてあったが、その後の話を聞いていると実態はグループ会社の派遣だった。
どれも「騙された」というほどではないが、「思っていたのと違う」という感覚は残った。その感覚が何かというと、「信頼の土台が最初からなかった」という気持ちだと思う。小さな嘘が積み重なると、「他の何も信じにくくなる」という感覚がある。
どのフィールドに嘘が多いか
写真
最も多い嘘がここだ。古い写真、加工しすぎた写真、プロに撮ってもらった写真。実際に会うと「少し太った」「少し老けた」「もっと背が低い」という差が出ることが多い。
10年前の写真を使っていた1人目の男性は、会って最初の5分で「あ、違う人だ」と思った。でも気づいていないフリをした。食事の間ずっと、プロフィールの写真との差を意識し続けた。それがしんどかった。「なんで嘘をつくんだろう」と思いながら、でも「好きな自分の写真で出たかっただけかもしれない」とも思った。どちらも本当だと思う。
身長
男性の場合、実際より2〜5cm高く書くケースが多い。170cmと書いて実際は165cm、という差が一番よくあるパターンだという話をアプリ友達から聞いた。
年収・職業
正確な数字より「印象を良く見せる書き方」をする人が多い。「会社員」「メーカー勤務」は曖昧なまま通せる表現だ。「大手」という言葉を使えば、グループ会社でも派遣でも通せる。悪意があるとは限らないが、会ってからのズレにはなる。
会う前の確認方法
写真:複数のアングルがあるか確認する
プロフィール写真が1種類(同じ構図の写真が複数)の場合、古い写真の可能性がある。自撮り、友人との写真、場所のわかる写真など、複数の場面があれば実態に近い。
最近の日常写真を自然にお願いする
「先週撮った写真とか、もしあれば見たいです」という形で聞くことはできる。「最近どんな感じで過ごしてますか」という流れで写真を送ってもらうのが自然だ。
職業・年収:具体的な質問をする
「どんな仕事してるんですか?」から始まる会話で、具体的な内容が出てくるか確認する。「大手で働いてます」で止まるのか、「何部門で何をしているか」まで話せるのかで、実態が見えてくる。
ビデオ通話を一度やってみる
写真と実際の差を最小にするには、会う前に一度ビデオ通話をするのが一番早い。「声も聞いてみたかったので」という言い方なら自然に提案できる。
嘘への正しい向き合い方
全員が正直だとは思わないことが前提だ。でも「ある程度の誇張はある」という前提で会うと、差が小さく感じる。嘘を見破るより、嘘をつかなくていい関係を作ることの方が大切だった。
自分も正直でいることが、相手に正直でいさせる。「実は少し盛ってた」という打ち明け話ができる関係は、最初から嘘がない関係より続くことがある。人は完璧じゃないし、アプリの中では少しだけ良く見せたくなるのは、みんな同じなのかもしれない。
プロフィールの嘘を「責めない」という選択
3人目の「大手メーカー勤務」の人と、表参道のカフェで会った日のこと。
話を聞いていて、「ん?」と思った瞬間があった。「メーカーのどの部署ですか?」と聞いたら、目線が一瞬だけ下に落ちた。喉のあたりがピクッと動いた。「えっと、グループ会社なんですけど」と小さい声で言った。
怒りは感じなかった。「ああ、この人も見栄を張りたかったんだな」と思った。手のひらが少しだけ汗ばんだ。嘘をついた相手を責めるより、「なぜ嘘をつきたくなるのか」を考えた方が、次のデートが楽になる。
渋谷のスクランブル交差点を一人で渡りながら考えた。アプリのプロフィールは「理想の自分」を書く場所になっている。本当の自分を書いたら選ばれないかもしれないという恐怖が、小さな嘘を生む。誰だって、少しだけよく見せたい。
プロフィールの嘘を見抜く「会話の技術」
嘘を見破るために尋問する必要はない。自然な会話の中で、具体的な質問をするだけでいい。
「仕事でどんなプロジェクトやってますか?」と聞くと、実態がある人は具体的に答える。「いろいろです」で止まる人は、プロフィールと実態に差がある可能性が高い。
代官山のカフェで初デートした人に「趣味のランニング、最近どこ走りましたか?」と聞いたら、「駒沢公園を週3で走ってます。1周2.1キロを4周。ベストは38分」と返ってきた。数字が出る人は本物だ。
逆に、中目黒の蕎麦屋で会った人に「料理好きなんですか?最近何作りました?」と聞いたら、「えっと、パスタとか」で止まった。プロフィールの趣味欄に「料理」と書いてあった人だった。
嘘を見破る方法は、「具体的な体験」を聞くこと。体験は捏造しにくい。
完璧なプロフィールより、正直な沈黙の方が信じられる。
「嘘をつかなくていい関係」を作るには
でも、もっと先の話をすると、「嘘をつかなくていい空気」を自分が作れるかどうかの方が大きい。恵比寿のバーで「ぶっちゃけ、年収いくらなんですか」と聞かれたとき、心臓がバクバクした。でも正直に答えたら、「私も実は全然で」と相手も正直になった。
自分が先に弱みを見せると、相手も鎧を脱ぎやすくなる。プロフィールの嘘は、「弱みを見せたくない」という防衛の結果だから。
表参道で会った「大手メーカー勤務」の彼も、3回目のデートでは「実はグループ会社の派遣で、転職活動中なんです」と打ち明けてくれた。中目黒の川沿いを歩きながら、小さい声で。それを聞いたとき、1回目のデートで感じた不信感が消えた。嘘の向こう側にあったのは、「選ばれたい」という切実さだった。
下北沢のカフェで友達と話したとき、「完璧なプロフィールの人ほど疑ってしまう」と言ったら、「わかる。ちょっと隙がある方が安心する」と返ってきた。
正直な沈黙の方が信じられたのに、まだ嘘をつく人がいる。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。