代官山で、待ち合わせた人が別人だった話
代官山の蔦屋書店前で待っていた相手は、Tinderのプロフィール写真と10年ほど時間がずれていた。写真詐欺を事前に防ぐ5つのチェック法と、会ったときの対処法を実体験から書く。
正直に言う。待ち合わせた人が別人だったのに、続けようとした。
代官山の蔦屋書店の前で待っていた。待ち合わせの30分前から緊張していた。手のひらが汗ばんで、スマホを何度も持ち替えた。
プロフィール写真の女性が来るはずだった。でも待ち合わせ時刻に近づいてきた人は、写真とはっきりと違う顔つきだった。「○○さんですか?」と聞いたら「はい」と返ってきた。笑顔はよかった。でも写真で「一目見て会いたい」と思った印象とは、10年ほど時間がずれていた。
その場の気まずさを、どう処理すればいいかわからなかった。喉の奥に何かつかえたまま、「あ、どうも」と言った。声がうわずっていた気がする。
なぜ写真詐欺が起きるか——悪意ばかりじゃない
「詐欺」と言っても、悪意があるとは限らない。
「昔の自分の方が好きだから」「今の自分に自信がないから」——こういう理由で古い写真を使い続ける人が多い。後から知ったが、その日会った女性は「この写真が一番好きな自分だから使っていた」と言ったそうだ。悪意ではなく、自分への理想を手放せなかっただけ。
でも会った相手が「思っていた人と違う」という体験は、双方にとって気まずい。彼女も「写真と違うって思われたかも」と気づいていたはずだ。その空気の中で1時間話すのは、お互いにとってきつかった。
会う前に確認できること——5つのチェック
あの日以来、会う前に必ずやっていることがある。
1. 複数のアングルがあるか
プロフィール写真が全て正面・同じ角度の場合、加工しやすい状態で撮られている可能性がある。横顔、自然な表情の写真、日常シーンの写真が混在していれば、実態に近い。「全部同じ角度」は、フィルターで統一している可能性がある。
2. 背景から時期を読む
写真の背景にヒントがある。季節の植物、スマホの機種(手に持っている場合)、ファッションの流行。さかのぼって「これ何年前?」と聞くのは難しいが、背景を見ると季節や年代感がわかることがある。恵比寿のカフェで友達と一緒に確認したとき、「この服のデザイン、5年くらい前のやつだよ」と指摘されたことがある。
3. 加工感を見る
顔の境界線が不自然にぼやけている、肌がツルツルすぎる、目が大きすぎる——これらは重加工のサインだ。フィルターを外した状態を想像してみる。吉祥寺のドトールで友達が「この人、鼻のラインが消えてる」と指摘してくれて、言われてみれば確かにそうだった。
4. 最近の写真を1枚送ってもらう
「今日撮った写真じゃなくていいんですけど、最近のやつを見せてほしいです」と言うのは自然な流れで聞ける。「料理作ったとか、外出したとか、なんでも」と範囲を広げると送りやすくなる。断られた場合は、少し警戒したほうがいい。
5. ビデオ通話で事前確認する
5分でいいので、会う前にビデオ通話をする。断られるか、カメラがオフのまま、または都合が合わないという場合は注意。「会う前に少し声も聞いてみたかった」という形でお願いした相手は、みんなすんなり応じてくれた。ビデオ通話が一番確実なフィルターだと思っている。
会ってからの対応——正直に書く
「思ったのと違った」と感じても、その日は普通に過ごす。帰り際に「また会いましょう」と言わなければ、断ったことになる。
代官山でその日会った女性とは、蔦屋書店の中のスタバで1時間ほど話して別れた。アイスラテを飲みながら、話の内容は悪くなかった。本の趣味が合って、30分くらい村上春樹の話をした。でも「また」とは言わなかった。
帰り道、蔦屋書店の前の道を一人で歩きながら、「写真と違ったことより、写真を変えられなかった彼女の気持ちの方が少し気の毒だな」と思った。風が頬に当たった。秋の乾いた空気だった。
会ってがっかりするより、会う前に少しがっかりしておく方が、お互いにとって親切だ。
写真は「見せたい自分」じゃなくて、「会ったときの自分」を載せたほうがいい。それは自分にも相手にも言えることだった。
写真のギャップを経験して変わったこと
あの日以来、自分のプロフィール写真も見直した。盛りすぎないこと。恵比寿の公園で友人に撮ってもらった、素の自分に近い写真に変えた。マッチ数は少し減ったけど、会ったときに「写真と同じですね」と言われるようになった。心臓がドクンと跳ねた。その一言が、何十件のマッチより嬉しかった。吉祥寺で会った人にも、「加工してないでしょ」と見抜かれた。「はい」と答えたとき、喉の奥がすっとした。正直でいることの清々しさ。
写真と実物のギャップは、信頼の問題だ。最初に嘘をつく人は、後からも嘘をつく可能性が高い。代官山のあの経験は痛かったけど、おかげで見る目が養われた。恵比寿のカフェで「写真通りの人」に会えたとき、心臓がドクンと跳ねた。手のひらの汗が温かかった。正直な出会いは、正直な写真から始まる。盛らない勇気が、信頼を作る。自分もそうありたいと思った。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。
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