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恋愛体験談エッセイTapple

笑ってごまかしていた夜、4回目のデートで指摘された。後悔の話

緊張すると何でも笑ってしまう癖があった。Tappleで知り合った彼女との初デートでも、2回目でも、3回目でも、笑ってごまかしていた。4回目に、ようやく言われた。「ずっと気づいてたけど、聞けなかった」と。

25歳・男性の体験
·橘みあ·5分で読める

正直に言う。笑い癖があるのに、4回目でやっと指摘された。


緊張しているとき、特に。なんでもないことで笑ってしまう。会話が途切れたときとか、返答に困ったときとか、なんかやばいと思ったときとか。笑うことで場を乗り越えようとするくせがあった。子どもの頃からずっとそうだった。授業中に当てられて答えられなかったとき、笑いながら「わかりません」と言ったら先生に「何がおかしいの」と怒られた。おかしくなかった。ただ笑ってしまった。


Tappleで知り合って、初めて会ったのは吉祥寺のカフェだった。イノダコーヒーの支店。秋の土曜午後、店内は適度に人がいて、窓から井の頭通りが見えた。彼女はすでに席に着いていて、ハーブティーを両手で包んでいた。


初回から、メニューを見ながら笑っていた


テーブルに着いて5分後には、もう笑っていた。


「好きなスポーツとかありますか?」


「いや、全然運動しなくて——笑」


「笑 私も」


「なんか、しなきゃとは思うんですけど——笑」


「わかります笑」


メニューを選ぶときも笑ってた。「これとこれ、どっちにしよう——笑」。なんで笑うんだ、と自分でも思う。でも止められなかった。コーヒーが来て、「おいしいですね」と言いながら笑っていた。相手の話に笑ったとき、「え、そこ笑う?」という顔をされた気がした。でも何も言われなかった。


帰り道、吉祥寺のアトレの前で別れて、電車に乗った。正直、自分でも嫌だった。楽しかったのに、ずっと笑ってた。緊張してたのが全部バレてた。次がないかもな、と思いながら中央線に揺られた。


でもLINEが来た。「今日ありがとうございました。また会いたいです」。


2回目、3回目のデートも同じだった。吉祥寺の居酒屋、三軒茶屋のバー。緊張が解けてきたかな、と思う瞬間もあったけど、やっぱり節々で笑っていた。3回目のデートの帰り際、「また来週?」という話になったとき、「来週——笑——空いてます」と言ってしまった。なぜ笑うのか。全くわからない。


4回目に、初めて言われた


4回目のデートは下北沢だった。ライブハウスでインディーバンドを見て、その後に近くの居酒屋に入った。ビールを飲みながら、話していた。バンドの話、対バンの話、下北沢の街がどう変わったかという話。居酒屋は混んでいて、隣のテーブルの声が飛んでくる感じで、なんかそのざわめきのせいか、いつもより少し緊張が薄れていた気がした。下北沢の夜の空気が、少し懐かしい音楽みたいに流れていた。


「ちょっと聞いていいですか」


急に声のトーンが変わった。


「なんですか?」


「笑い癖、ありますよね」


指先が少し冷えた。ビールのグラスを置く手が止まった。


「……え、そんなに?」


「最初から気づいてた」


「えっ」


「初めて会ったとき。メニュー見ながら笑ってたじゃないですか」


返せなかった。イノダのメニューを見ながら笑っていた、確かに。フレンチローストか何かを見ながら、緊張で笑っていた。それを、初回から気づかれていた。


「なんか、責めてるわけじゃなくて。ただ、緊張してるのかなって思って。3回、何も言わなかったのは、なんか言ったら緊張させるかなと思ったから」


ビールの泡がゆっくりなくなっていくのを見ていた。下北沢の居酒屋の、木のテーブルが視界に入ってきた。


「……笑ってると、楽なんですよ。なんか口をつぐんだけど」


「うん」


「別に面白くないのに笑っちゃうんですよね、緊張してるとき。自分でもわかってる」


「知ってた」


また「知ってた」という言葉が来た。知ってた上で、3回待った、ということだった。初回から気づいていて、3回目まで何も言わなかった。ただ待っていた。その重さが、急にのしかかってきた。


「次から、笑わなくてもいいですよ。笑えないときは笑わなくていい」


喉の奥に何かひっかかった感じがした。声が出なかった。ビールを一口飲んで、また置いた。


「……はい」


とだけ言った。


5回目のデートから、少し笑う回数が減った。減ると、かえって会話が詰まる瞬間があった。でも彼女は埋めようとしなかった。沈黙を「まずい」と思わなかった。そこに、ただ、いた。


下北沢で時々飲んだ。同じインディーバンドをまた見に行って、今度は終演後もそのまま話し続けた。ビールを飲みながら、笑わなかった瞬間もあった。笑わなくても、会話は続いた。


素の自分を見せることの怖さより、見せた後の静けさの方がずっと怖かった。


でも彼女は、逃げなかった。

よくある質問

Tappleで出会った彼女に「笑ってごまかしていた」ことを指摘されたのは何回目のデートでしたか?
4回目のデートでした。1・2・3回目は気づいていたのに何も言わなかった、と本文から伺えます。
笑い癖はいつからあったのですか?
子どもの頃からありました。授業中に当てられて答えられなかった時、笑いながら「わかりません」と言ったら先生に怒られた、というエピソードが書かれています。
4回目にどんな場面で指摘されたのですか?
その指摘の場面と内容が本文の核心になっています。3回待ってから言われた言葉の重さと、それを受け取った主人公の反応が描かれています。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

#Tapple#男性視点#緊張#笑い癖#素の自分

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