顔写真なしで3ヶ月やってみた結果と、載せた翌日の変化
Pairsで顔写真を載せずに3ヶ月。月のいいねは平均2件。「中身で勝負する」と意地を張り続けて、限界が来た日に写真を1枚載せた。翌日、通知が15件。数字が突きつけた現実と、写真を載せて初めてわかったこと。
3ヶ月間、顔写真なしでPairsをやった。
いいねの数は、月に2件。3ヶ月で合計6件。そのうちメッセージが続いたのは1人だけで、会えたのは0人。数字だけ見れば、完全な失敗だった。
なぜ写真を載せなかったか
理由は単純だった。自分の顔に自信がなかった。
鏡を見て「いい顔だ」と思ったことがない。写真を撮られるのも嫌いだった。友達との集合写真で自分の顔を見ると、それだけで気分が沈む。マッチングアプリに顔写真を載せるなんて、公開処刑に近い。そう思っていた。
プロフィール写真は、代わりに飼い猫の写真にした。白いスコティッシュフォールドのモチ。これなら見てもらえるだろうし、動物好きな人が来てくれるかもしれない。そう期待した。
結果は、月2件。
写真なしの3ヶ月間で起きたこと
いいねが来るのは月に2件。どちらもプロフィール文を読んで来てくれた人で、メッセージの内容は丁寧だった。「猫ちゃんかわいいですね」から始まって、「お仕事は何をされていますか」と続く。
問題は、その先だった。
2人目の人に「会いませんか」と聞かれたとき、胸のあたりがざわっとした。「写真を載せていない自分」が「会う」って、相手にとってほぼギャンブルだ。それがわかっていたから、「もう少しやりとりしてからでも」と返した。すると返信が来なくなった。当然だと思った。
自分のプロフィールを検索結果から客観的に見てみた。並んでいる他の男性はみんな写真がある。笑顔の写真、旅行先の写真、友達と撮った写真。その中に猫の写真が1枚。私だったらスワイプしない。
「中身で勝負する」と言い聞かせていたけど、中身を見てもらう前にスキップされている現実があった。喉の奥に何かがつっかえたまま、2ヶ月が過ぎた。
写真を載せた日
3ヶ月目の終わり、限界が来た。
月2件のいいねに慣れてしまっている自分がいた。「来ないのが普通」になっていた。それが怖かった。諦めに慣れることが、一番まずいと思った。
友達に頼んで、写真を撮ってもらった。場所は代々木公園。秋で、イチョウが黄色くなりかけていた。カジュアルな格好で、UNIQLOのフリースにデニム。「自然に笑って」と言われて、無理やり口角を上げた。何枚か撮って、一番マシなやつを選んだ。
自分の顔を見るのがつらかった。でも手が震えながら、プロフィール写真を猫から自分の顔に変えた。スマホを裏返しにしてテーブルに置いた。見たくなかった。
翌日、通知が15件
翌朝、スマホを表に返した。
通知が15件。「いいね」が15件。一晩で。3ヶ月の合計が6件だったのに、一晩で15件。
手のひらが汗ばんだ。心臓がどくどくしていた。嬉しいはずなのに、最初に浮かんだ感情は嬉しさじゃなくて、「この3ヶ月、何だったんだ」という虚しさだった。
写真1枚で、こんなに変わる。中身は何も変わっていない。プロフィール文も同じ。変えたのは猫の写真を自分の顔にしただけ。それだけで15倍。
目の奥がじんとした。悔しいのか嬉しいのかわからなくて、しばらくベッドの上で天井を見ていた。
写真を載せて変わったこと
いいねの数だけじゃなく、メッセージの質も変わった。
写真がなかった頃は「猫ちゃんかわいいですね」が入り口だったけど、写真を載せてからは「プロフィール読みました、旅行好きなんですね」「一人暮らし歴長そうですね」と、私自身に関するメッセージが来るようになった。写真があることで「この人はどんな人か」の入口が開いて、プロフィール文まで読んでもらえるようになった。
1週間で3人とマッチして、そのうち2人と会った。1人目は池袋のカフェで。2人目は新宿のイタリアンで。どちらも「写真の印象と違いますね」とは言われなかった。代々木公園の自然光で撮った写真が、普段の自分に近かったからだと思う。
「中身で勝負」の間違い
3ヶ月間、「顔で判断する人は向こうから来なくていい」と思っていた。「中身を見てくれる人だけでいい」と。
間違っていた。
写真を載せないことは「中身で勝負する」ことじゃなかった。「勝負を放棄している」ことだった。中身を見てもらうには、まず存在に気づいてもらう必要がある。その最初の入口が写真だった。
代々木公園でイチョウを背景に撮ったあの1枚は、顔の良し悪しを見せたんじゃない。「この人は実在する人間です」という証明書を出しただけだ。猫の写真は「かわいい」けど、「この人と会いたい」にはならない。当たり前のことに、3ヶ月かかった。
載せるのが怖い気持ちはわかる。3ヶ月間、ずっと怖かったから。でも載せなかった3ヶ月より、載せた翌日の方が、人生が動いた。
怖さを乗り越えた先にしか、出会いはなかった。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。