好きだった。性格も合った。でも体の相性だけが、どうしても合わなかった
Pairsで出会って3ヶ月付き合った。会話は最高だった。価値観も合った。でも体の関係だけが、どうしても噛み合わなかった。「好き」だけじゃ続けられないことがあると知った、28歳の冬の話。
好きだった。性格も合った。でも体の相性だけが、どうしても合わなかった。
Pairsで出会った彼とは、最初のデートから息が合った。恵比寿のイタリアンで3時間話して、帰りたくなかった。映画の趣味が同じで、本の趣味が同じで、笑いのツボが同じだった。2回目のデートで手を繋いで、3回目のデートで告白された。
28歳、出版社の編集。「この人だ」と思った。本気でそう思った。
1ヶ月目——気づいた違和感
付き合って1ヶ月目に、初めて彼の家に泊まった。中目黒のマンション、6階の角部屋。夜景がきれいだった。
詳しいことは書かない。ただ、終わったあとに天井を見つめながら、「……なんか違う」と思った。
彼のことは好きだった。隣にいるだけで嬉しかったし、手を繋ぐとき心臓が跳ねた。でも、体の距離がゼロになった瞬間に、何かがずれていた。リズムが合わない。温度が合わない。求めるものが違う。
言語化が難しい。「下手」とか「上手い」の問題じゃない。もっと根本的な——呼吸のタイミングみたいなもの。
2ヶ月目——「慣れる」と思おうとした
2回目、3回目と重ねれば慣れると思った。慣れなかった。
彼は優しかった。「大丈夫?」と聞いてくれたし、こちらの反応を気にしてくれた。でも「大丈夫」と答えるたびに、小さな嘘が積み重なっていくのを感じた。
代官山のカフェで彼と向かい合って座っているとき、ふと「このままでいいのかな」と思った。ラテを口に運ぶ手が、ほんの少し震えた。
会話は変わらず楽しかった。映画を見て感想を言い合って、電車の中で肩が触れて、手を繋いで歩いた。その時間は、完璧だった。完璧だったからこそ、夜の違和感が余計に際立った。
言えなかった言葉
友達のサチに相談した。下北沢の居酒屋で、レモンサワーを3杯飲んだあとに、ようやく言えた。
「体の相性が合わない」
サチはグラスを置いて、真顔になった。
「それ、彼に言った?」
「……言えない。傷つけるでしょ」
「言わないほうが傷つくよ。あんたが我慢してること、いつかバレるから」
帰り道、下北沢の商店街を歩きながら考えた。サチの言葉は正しい。でも「体の相性が合わない」をどう伝えればいいのか、わからなかった。
3ヶ月目——話した夜
結局、彼に話した。中目黒のマンションで、2人でソファに座っているときに。
「ちょっと話したいことがあるんだけど」
彼がテレビのリモコンを置いた。
正確な言葉は覚えていない。でも「体のことで、少し合わないと感じている」と、できるだけ彼を否定しない言い方を選んだ。声が震えた。手のひらが汗で湿っていた。
彼は30秒くらい黙った。窓の外の車の音だけが聞こえた。
「……俺も、なんとなく感じてた。無理してない? って聞いたとき、『大丈夫』って言ってたけど、目がちょっと泳いでたから」
泣いた。彼の前で、初めて泣いた。
別れた理由
話し合って、2人で試行錯誤した。でも1ヶ月経っても、根本的なずれは変わらなかった。
別れを切り出したのは、彼のほうだった。中目黒の駅前で。
「俺は好きだよ。でも、お前が我慢してるのは見てわかる。それが続くのは、お互いにつらい」
改札の前で、5分くらい立っていた。冬の風が首筋に当たって、涙が冷たかった。
好きだった。本当に好きだった。でも「好き」だけでは、2人の間の全部を埋められないことがある。
好きと合うは、同じ言葉のふりをした別物だった。
別れた後に考えたこと
別れてから1ヶ月、Pairsは開かなかった。下北沢の自宅で、仕事から帰ってソファに座って、彼とのLINEのトーク履歴をスクロールしていた。楽しかった会話が並んでいる。映画の感想を言い合った夜、カルボナーラのレシピを送り合った昼休み、「おやすみ」のスタンプ。
全部、良い思い出だった。体のことだけが合わなかった。
サチに「体の相性で別れるのっておかしいかな」と聞いたら、即答された。「おかしくない。むしろ我慢し続けるほうがおかしい」。
2ヶ月後にPairsを再開した。次の人とは、最初からもう少し正直でいようと思った。好きだけじゃ足りないことがある。でも「好き」がなければ始まらないことも確か。
好きと合うは、同じ言葉のふりをした別物だった。でも両方揃う人は、きっといる。
よくある質問
体の相性が合わないとき別れるべきですか?↓
マッチングアプリで付き合った人と体の相性が悪い場合どうすればいいですか?↓
好きなのに体の相性で別れるのはおかしいですか?↓
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。