人見知りだった夜、後悔しなかったマッチングアプリの話
初対面の人と2時間話し続ける自信がなかった。人見知りがひどくてアプリを入れてから1ヶ月、誰とも会わなかった。でも気づいたことがある。「テキストなら話せる」——内向的な人間がマッチングアプリで出会いを掴んだ話。
「人見知りがひどいのに、マッチングアプリなんて無理でしょ」と自分でも思っていた。
初対面の人と2時間向かい合って、何を話せばいいか。緊張で頭が真っ白になって、変なことを言って、相手を不快にさせてしまうかもしれない。会う前からそのシミュレーションが始まって、アプリを入れてから1ヶ月、誰とも会わずに過ごした。
でも気づいたことがある。「テキストなら話せる」ということ。
アプリを入れた最初の1週間、メッセージのやりとりがすごく楽だった。言いたいことを考えて、整理して、送る。相手の返信を読んで、また考えて返す。会話が怖くなかった。「あ、これなら私でもいける」という感覚が、少しずつ積み上がっていった。
内向的な人にマッチングアプリが向いている理由
リアルな場での出会い——合コン、街コン、職場の紹介——は、「突然初対面で話さなければいけない」という状況から始まる。内向的な人間にとって、それが一番しんどい。
マッチングアプリは「テキストでやりとりしてから会う」という設計だ。会う前にある程度お互いを知っていて、話す内容の見当がついている。その「予習できる」感覚が、内向的な人にとっては大きな安心材料になった。
会う前に「共通点」を確認できる
プロフィールを読んで、「この話題なら盛り上がりそう」という見当をつけてから会える。ゼロからの会話じゃないから、最初の緊張が少し薄れる。
文章で考える時間がある
「どう返すか」を考える時間がある。会話は相手の言葉に即座に反応しなければいけないが、テキストは少し考えてから返せる。内向的な人が得意とする「じっくり考えてから話す」という強みが活かせる。
実際に会ったときに使えたこと
「テキストで話していた内容を、実際に話す」という感覚で臨んだ。「映画が好きって言ってたじゃないですか、あの作品はもう見ましたか」という始め方が、最初の沈黙を消してくれた。
テキストで事前に作った「共通の文脈」が、会話の足場になっていた。
初めて会った人とのカフェで、「ところでプロフィールに書いてた韓国ドラマって、何がきっかけで見始めたんですか」と聞いたとき、相手の表情がぱっと明るくなった。「それ聞いてくれる人、初めてかも」と言って、20分くらい話し続けてくれた。私はほぼ聞いていただけだったけど、帰り際に「すごく話しやすかった」と言われた。聞く、という得意なことが、会ってからも活きた。
人見知りが気をつけること
会う前のやりとりを長くしすぎない
テキストが得意だからといって、2ヶ月もやりとりしてから会おうとすると、「テキストの関係」が完成してしまって、実際に会うモチベーションが下がる。3週間から1ヶ月を目安に会う提案をするのがちょうどよかった。
テキストで積み上げすぎると、会ったときに「あ、文章の人より話すのが苦手なんだ」という落差が生まれることがある。テキストで完成した関係を壊したくないから会いたくない、という気持ちが出てくる前に動く方がいい。
「緊張してる」と正直に言う
「実は人見知りで、最初は少し緊張するかもしれないんですが」と事前に伝えておくと、相手が少し優しく接してくれることがある。隠すより正直な方が、むしろ印象が良かった。
「人見知りで」と伝えたとき、「私もです!」という返しが来たことがある。お互いが少し安心した状態で会えた。人見知りであることを言い訳にするのは違うが、「そういう人間です」と正直に伝えることは、関係の始まり方を楽にする。
人見知りはデメリットじゃない。「慎重に選ぶ」という特性だ。マッチングアプリはその特性を活かせる、数少ない出会いの場だった。
下北沢のカフェで、一人で予行演習した話
人見知りの私は、初デートの前に下北沢のカフェで一人予行演習をした。カウンター席に座って、店員に注文する。それだけのことに、手のひらが汗ばんだ。
でもこの小さな練習が、翌日のデートで効いた。カフェでの注文をスムーズにこなせたとき、相手が「慣れてるね」と言った。全然慣れてない。昨日練習しただけ。でも黙っておいた。
人見知りでもアプリを使えた理由
テキストから始まるのが救いだった。対面だと言葉が出てこない私でも、メッセージなら考えてから送れる。恵比寿のカフェで初めて会う前に、2週間かけてやりとりした。相手の好きな映画、仕事の愚痴、休日の過ごし方。会う前に情報があるだけで、喉の奥のつかえが和らいだ。
会ってからの沈黙が怖かったけど、事前にやりとりした話題を振ればよかった。「あの映画、結局観ました?」と聞くだけで会話が動く。心臓はバクバクしていた。でも、話す内容が頭にあるだけで、恐怖が半減した。
人見知りだったのに、まだ「はじめまして」の勇気を覚えている。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。