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アプリで出会って半年で同棲した。早すぎたのか正解だったのか

Pairsで出会って半年で同棲を決めた。周囲の「早すぎない?」という声。彼のいびきと、洗面台の髪の毛と、それでも一緒にいたいと思えた朝のこと。アプリカップルの同棲リアルを正直に書く。

·橘みあ·6分で読める

Pairsで出会って半年で同棲して、周り全員に反対された。


結論から言うと、正解だった。ただし正解の中身は、想像と全然違った。


吉祥寺のハモニカ横丁で焼き鳥を食べているとき、付き合って4ヶ月目の彼が「一緒に住まない?」と言った。2杯目のレモンサワーに口をつけた瞬間だった。グラスを持つ手が止まった。心臓がどくん、と一回大きく鳴って、耳の奥がじんわり熱くなった。


「早すぎない?」と5人に言われた


彼とはPairsで出会った。最初のメッセージが「プロフィールの本棚、村上春樹多いですね。どれが一番好きですか」だった。「ノルウェイの森」と答えたら、「僕はねじまき鳥です」と返ってきた。そこから始まった。


付き合い始めたのは3回目のデートの後。中目黒の目黒川沿いを歩いていて、桜はもう散っていたけど、葉桜が街灯に照らされて緑に光っていた。「付き合ってください」と言ったのは彼の方だった。


そこから4ヶ月で「一緒に住もう」。Pairsでマッチングしてからだと、半年ちょっと。


親友に電話で報告したら、開口一番「早すぎない?」だった。会社の先輩にも「せめて1年は見た方がいいよ」と言われた。母には「アプリで出会ったんでしょう? なおさら慎重に」と言われた。5人に話して、5人全員に「早い」と言われた。


自分でもわかっていた。半年は早い。一般的には早い。でも「一般的」って何なんだろう、とも思っていた。


同棲を決めた本当の理由


正直に言うと、経済的な理由もあった。彼は三軒茶屋の1K、私は下北沢の1K。どちらも家賃7万円台。二人で住めば、広い部屋に住めて、トータルの家賃は下がる。


でも本当の理由は別にあった。


付き合って3ヶ月目くらいから、週末のたびに彼の家に泊まるようになっていた。金曜の夜に行って、日曜の夜に帰る。月曜の朝、下北沢の自分の部屋で目覚めたとき、布団が冷たかった。隣にいるはずの体温がなくて、天井を見上げて、喉の奥がきゅっと縮んだ。


あの月曜日の朝の寒さが、同棲を決めた一番の理由だった。


三軒茶屋の2LDK


物件を探し始めて2週間で決めた。三軒茶屋の駅から徒歩8分、築15年の2LDK。家賃は12万5千円。一人あたり6万ちょっと。前より安い。


内見のとき、リビングの窓から見えた景色がよかった。遠くにビルが並んでいて、手前に古いアパートの屋根が見えて、夕方だったから空がオレンジ色だった。彼が「ここにしよう」と言って、私はうなずいた。


IKEAで家具を買った。ソファとダイニングテーブルとカーテン。二人でカートを押しながら歩くのが、デートみたいで楽しかった。「色はどうする?」「グレーがいい」「グレーのカーテンって暗くない?」「じゃあベージュ」。そういうやりとりの一つ一つが、二人の生活を作っている感じがした。


同棲1週間で気づいたこと


最初の1週間で気づいたことがある。


彼はいびきをかく。結構大きい。週末に泊まっていたときは、疲れていたから気にならなかったのかもしれない。毎日となると違った。最初の3日間、眠れなかった。耳栓を買った。3日目の夜、ドラッグストアで耳栓を選んでいる自分がおかしくて、一人で笑った。


洗面台に髪の毛が残っている。私の髪は長いから、排水口にも溜まる。彼が「排水口の髪、取ってくれない?」と言ったとき、一瞬イラっとした。でも同時に、「ああ、これが一緒に暮らすってことか」と思った。


トイレの蓋を閉めない。牛乳パックをほぼ空のまま冷蔵庫に戻す。テレビのチャンネルを無言で変える。小さなことが、毎日積み重なる。


2週目の火曜日、仕事から帰ったら彼がキッチンに立っていた。「今日は俺が作るよ」と言って、肉じゃがを作っていた。味は少し濃かったけど、温かかった。テーブルについて一口食べたとき、肩の力が抜けるのがわかった。ああ、これだ、と思った。帰る場所に人がいるということ。ご飯の匂いがすること。「おかえり」と言われること。


それだけで、いびきも髪の毛も牛乳パックも、まあいいかと思えた。


アプリカップル特有の不安


アプリで出会ったカップルには、特有の不安がある。「出会いが軽い」と思われる不安。「他にもっといい人がいたんじゃないか」という不安。同棲して、その不安が消えるかと思ったら、最初は逆だった。


彼がスマホを触っているだけで、「まだアプリ入ってるのかな」と考えてしまう瞬間があった。聞けなかった。聞いたら信頼してないみたいで、聞けなかった。胸の中がもやもやして、でも顔には出さなかった。


1ヶ月目の夜、布団の中で彼が急に言った。「Pairs、退会したよ。先月」。暗闇の中で、心臓がどくどくした。嬉しいのか安心なのか、よくわからない感情が胸にあふれて、声が出なかった。「......ありがとう」とだけ、小さく言った。


半年経って、思うこと


同棲して半年が経った。


「早すぎたのか正解だったのか」と聞かれたら、正直に言う。正解だった。でもそれは結果論だ。


早く同棲したから、早く相手の「生活の素」が見えた。いびきも、髪の毛も、牛乳パックも。それを受け入れられるかどうかが、半年でわかった。1年待っていたら、1年後に同じことを知っただけだ。


ただ、これは「早く同棲した方がいい」という話じゃない。半年で見えるのは生活の相性であって、人生の相性はもっと長い時間がかかる。


今朝、目が覚めたら隣でいびきが聞こえた。うるさかった。でも耳栓を外して、その音を聞きながら、もう少しだけ布団の中にいた。


いびきがうるさいのに安心する。それが同棲の答えだった。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

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