Omiaiを3ヶ月真剣に使った。うまくいかなかった話と、そこから学んだこと
課金して、写真撮り直して、毎日ログインして。Omiaiを3ヶ月本気で使って12人に会った29歳女性。全員と続かなかった理由は、意外なところにあった。12人と会って、全員と続かなかった話をする。
12人と会って、全員と続かなかった話をする。
29歳、IT企業の事務。Omiaiに課金した夜、スマホの画面を見つめながら、手のひらがじっとり汗ばんでいた。——3ヶ月で結果を出す。そう自分に言い聞かせた。
1ヶ月目——「完璧な婚活女子」を演じた
プロフィール写真は友達に撮ってもらった。表参道のカフェで、髪を巻いて、SHIROのサボンをつけて。自己紹介文は3回書き直した。「読書と旅行が好き」なんて書かないように、村上春樹の短編の話とか、去年行った直島の話とかを入れた。
最初の2週間でいいねが23件来た。その中から5人を選んで、メッセージを始めた。
1人目は丸の内のイタリアンで会った。33歳、金融系。清潔感があって、話も上手だった。でも2時間の会話の間ずっと、私は「良い印象を与えなくちゃ」しか考えていなかった。
「お仕事は楽しいですか?」
「はい、やりがいがあります」
「休みの日は何をされてますか?」
「読書とカフェ巡りです」
……就職面接か。
帰りの丸ノ内線で、ドアに映る自分の顔を見た。笑顔が引きつっていた。心臓がまだバクバクしていたけど、それは恋のドキドキじゃなくて、面接の緊張だった。
2ヶ月目——週4で会って、名前を忘れた
「数を打てば当たる」——そう思い込んだ。
週3〜4人のペースで会い始めた。恵比寿、渋谷、中目黒、新宿。カフェ、イタリアン、焼き鳥、ワインバー。場所も店も変えた。
5人目あたりから、異変が起きた。
日曜の朝、スマホのカレンダーを見て「今日は……誰だっけ」と思った。名前は覚えていても、顔がぼやける。メッセージを遡って「あ、犬が好きな人」と確認してから出かける。
8人目の人と、代官山のカフェで向かい合った。窓から午後の日差しが差していて、彼のアイスラテの氷がカランと鳴った。
「最近お仕事忙しいですか?」
その質問に、胸の奥がぎゅっと縮んだ。——この質問、今週3回目だ。
彼は丁寧に答えてくれた。でも私は聞いているようで聞いていなかった。目の前の人に集中できない。疲れていた。心も、体も。
3ヶ月目——「頑張る婚活」の限界
10人目を超えたあたりで、体に出た。
日曜の夜、翌日のデートのことを考えると喉の奥が詰まるようになった。アプリを開くと胃がきゅっとする。「いいね」を押す指が、重い。
11人目は吉祥寺の焼き鳥屋。煙の匂いの中で、35歳の公務員がビールを飲みながら言った。
「正直、婚活疲れてませんか?」
目が、じわっと熱くなった。図星だった。「……ちょっとだけ」と返したけど、声が震えた。
「僕も3ヶ月目です。お互い頑張りすぎてるのかもしれないですね」
その言葉が、喉に刺さったまま、抜けなかった。
12人目に会った翌日、アプリを閉じた。
友達の一言と、気づいたこと
渋谷のルノアールで、友達にビールを飲みながら話した。
「3ヶ月、失敗した」
友達はカップを置いて言った。「12人と会ったことは失敗じゃないよ。何もしないことが失敗でしょ」
確かにそうかもしれない。でも、ずっと引っかかっていたことがある。
「婚活を頑張ること」と「好きな人と付き合うこと」は、同じゴールに見えて、実は違うんじゃないか。
私は婚活を頑張っていた。プロフィールを整えて、メッセージをすぐ返して、デートの約束を取り付けて、週3〜4人会った。「婚活を頑張っている自分」に満足していた。
でも目の前の人に「この人を好きになりたい」と思ったことは、12人中、何回あっただろう。
正直に数えたら、2回だった。残りの10回は「消化試合」だった。そのことに気づいたとき、スマホを裏返しにして、テーブルに突っ伏した。
休憩後の今
1ヶ月休んで、再開した。
今は週1人のペースで、会いたいと思った人だけに連絡している。いいねの数は減った。でもメッセージの中身が変わった。「この人と話してみたい」と思ってから送るいいねは、返信率が全然違う。
頑張りすぎた婚活は、相手じゃなくて自分を消耗させていただけだった。
「好きになりたい」と「好きになった」は、似ているようで全然違う。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。