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恋愛体験談Pairs

「ご飯行きませんか」と送ったのは私。24歳、Pairs、3週間待てなかった話

3週間、毎晩LINEが続いた。でも彼はデートに誘ってこなかった。待ちくたびれた私は、ある夜スマホを持ち直して「ご飯行きませんか」と打ち込んだ。送信ボタンを押す指が、少し震えていた。

24歳・女性の体験
·橘みあ·5分で読める

3週間で、たぶん1000通近くやりとりした。


彼のプロフィールを最初に見たのは、仕事帰りの電車の中だった。23時過ぎ、大崎駅で乗り換えながらPairsを開いたら、彼の写真が出てきた。眼鏡をかけて、少し下を向いてる写真。自撮りじゃなくて、誰かに撮ってもらったやつ。その「下を向いてる感じ」が、なんか良かった。


マッチしてすぐ、彼から最初のメッセージが来た。「プロフィールに読書好きって書いてありましたけど、最近何か読みましたか?」。丁寧。でも話しやすい入口。私も本が好きで、「最近、村田沙耶香の『コンビニ人間』を再読しました」と返したら、「それ、ちょうど読もうと思ってたやつです!」って。


そこから毎晩、仕事終わりにLINEを交換してやりとりした。好きな食べ物、嫌いな季節(二人とも夏が苦手だった)、最近ハマってるドラマ、失敗した料理の話。彼はエンジニアで、休日は中目黒の川沿いを散歩するのが好きだと言っていた。控えめで、自分の意見をじっくり考えてから伝えてくれる人。返信は早くないけど、丁寧だった。


1週間が過ぎ、2週間が過ぎた。


話題は尽きない。でもデートの話が出ない。


私はずっと待っていた。彼から「今度会いませんか」って来るのを。でも3週目に入っても、その言葉は来なかった。彼が消極的なのか、まだそのタイミングじゃないと思っているのか、あるいは私に対してそこまで積極的じゃないのか。考えれば考えるほどわからなくなった。


ある木曜の夜。仕事が終わって、品川の居酒屋で同期と飲んでた。「最近気になる人いるの?」と聞かれて、「Pairsで会う前から好きになってる人がいるんだけど」と言ったら、「誘えばいいじゃん」と言われた。


「でも、女から誘うのって……」


「何がいけいけないの?」


「別に、いけなくはないけど……」


「じゃあ誘えば」


その夜、家に帰ってから45分くらい、スマホを眺めていた。彼とのトーク画面を開いて、閉じて、また開く。「ご飯行きませんか」と打っては消して、打っては消した。


なんでこんなに怖いんだろう。


断られるのが怖いのか。それとも、誘う側になることが、ずっと「してはいけないこと」みたいに思い込んでいたのか。


気づいたらもう24時を過ぎていた。


「ご飯行きませんか」


打って、送った。


首の後ろが熱くなった。耳まで。送ってから、うわやばいと思って枕に顔を押し込んだ。でも取り消せない。もう送ってしまった。


3分後、通知音。


「行きましょう! 来週の土日どっちかどうですか?」


びっくりした。秒じゃない。でも早い。そして感嘆符つき。彼からメッセージにびっくりマークがついたの、初めて見た。


翌週の土曜。恵比寿で待ち合わせた。


彼は私を見て、ちょっと早口で「今日は誘ってもらってありがとうございます」と言った。少し耳が赤かった。「私が誘ってよかったんですか?」と聞いたら、「正直ずっと誘おうと思ってたんですけど、タイミングがつかめなくて」と言って、また耳が赤くなった。


ああ、この人も緊張してたんだ。私と同じで。


イタリアンのお店で向かい合って座った。ナポリ風のマルゲリータを頼んで、二人でシェアした。彼がワインを注いでくれた時、指先がグラスのふちに少し触れた。それだけなのに、なんか喉が乾いた。


「送ってもらえてよかったです」


食後に彼が言った。


「私も送ってよかった」


それから4ヶ月。今でも付き合っている。


先日、LINEを遡って「ご飯行きませんか」の前後を読み返したら、彼が前日の夜に「来週どこかで……」と書きかけて消した痕跡があったらしい。彼に教えたら「バレてたの!?」と言って、照れた顔をした。


待ってたら、もう少し待っただけだったかもしれない。二人とも奥手で、ずっと様子を見てたまま。でも誰かが動かなきゃ始まらないなら、動いた方が早い。


女から誘ったら何かが変わるかと思ってた。変わらなかった。ただ、始まっただけだった。

この記事を書いた人

橘みあマッチングアプリ体験談ライター

27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。

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