恋愛体験談
同じ会社の人を好きになってはいけないと思っていた
社内恋愛はしない、と決めていた。別れたら地獄になる、噂になる、仕事がやりにくくなる。でも田園都市線の朝の電車が、その決意をゆっくりと溶かしていった。
♡
すべての体験談
社内恋愛はしない、と決めていた。別れたら地獄になる、噂になる、仕事がやりにくくなる。でも田園都市線の朝の電車が、その決意をゆっくりと溶かしていった。
アプリで一度会って、自然消滅させた人からLINEが届いた。断る理由もなくて、恵比寿で2時間話したら、「違う」と思っていた理由を思い出せなくなっていた。
清澄白河のコーヒー屋から始まった話。特別なことは何もなかった。ただ、ちゃんと選んで、ちゃんと会って、ちゃんと好きになった。それだけのことが、3年後に結婚になった。
最初のメッセージは「どの村上春樹が好きですか」だった。宣言じゃなく、問い。それだけで、この人とは話せると思った。
新幹線の自由席で、いつも同じ景色を見ていた。富士山が見えるたびに、まだ好きだと思っていた。
日本語と英語の練習のはずが、3ヶ月後には中目黒を一緒に歩いていた。
34歳の秋に離婚して、半年間「また誰かと付き合えるのか」という問いを抱えて生きた。翌春、勇気を出して始めたアプリで気づいたのは、過去より今の自分が見られているということだった。
「今日は普通の夜ご飯だから」と彼は言った。知っていた、全部。それでも私は驚いてみせた。演じた喜びじゃない。本物の喜びが、ちゃんとそこにあったから。
高円寺の古いカフェ、窓際の席、酸味の強いコーヒー。毎週土曜日だけが、完全に自分のものだった時間。その隣に、いつも同じ人がいた。