withの心理テストで「性格が合う」と判定された人に会ったら、想像と全然違った
スコア92点。「この人なら間違いない」と思っていた。3回会って気づいた、データと現実の落差。
スコア92点。
withのアプリを開いたとき、その数字がまず目に入った。心理テストの相性診断で出た数値。100点満点で92点。「この人なら間違いない」と、スマホを持つ手が少し温かくなったのを覚えている。
あれは26歳の秋のことだった。
withの心理テストを信じすぎた、私の話
Pairsを半年使って疲れ果てた私が、withに乗り換えたのは「心理テストで相性がわかる」という口コミを読んだから。
外見重視のスワイプに嫌気が差していた。顔写真を見てはスワイプ、見てはスワイプ。その繰り返しに、なんか違うと思い始めていた。withの心理テストは「価値観」や「行動パターン」を数十問の質問から分析して、相性スコアを出してくれる。感情タイプとか共感性とか、見えない部分を可視化してくれる気がして、素直に「これだ」と思った。
登録してすぐ、心理テストを全部受けた。
恋愛観、コミュニケーション、ストレスの解消法、休日の過ごし方。ひとつひとつ答えていくうちに、「私ってこういう人間なんだ」という確認作業みたいになっていって、それ自体が楽しかった。
そして表示されたのが、山田くん(仮名)との92点という数字だった。
「データが完璧」な人とのマッチングが始まった
プロフィールを読んだ。28歳、会社員、趣味は読書と料理。休日は近所の公園を散歩するのが好き、と書いてあった。
「落ち着いてそう」「穏やかそう」「私と似てる」
全部、そう思った。心理テストのスコアがそう思わせた、というのが正確かもしれない。数字が先にあって、プロフィールをそのフィルターで読んでいた。
最初のメッセージのやりとりは、確かに心地よかった。「最近読んだ本なんですか」と聞いたら、村上春樹の名前が出てきて、私も好きだと返したら「どの作品が好きですか」と続いた。会話が途切れなかった。レスポンスも早すぎず、遅すぎず。
2週間のやりとりを経て、恵比寿で会う約束をした。
実際に会って、3回目に気づいたこと
1回目のデートは恵比寿ガーデンプレイス近くのカフェ。
彼は時間通りに来た。背が高くて、写真より感じがよかった。「はじめまして」と言ったとき、声が想像より低くて、少し面食らった。それだけ。最初の30分はよかった。
でも、何かがずっとかみ合わなかった。
私が「最近ちょっと仕事しんどくて」と話すと、「それはつらいですね」で終わる。追いかけてこない。話題を変えると、新しい話題にスムーズに乗ってくる。表面はなめらかなのに、どこかに手が届かない感覚。
「マジで? それってどういう状況なんですか」みたいな、踏み込み方をしない人だった。
2回目は中目黒を歩いた。川沿いを並んで歩きながら、私が「この街好きなんですよね、なんか落ち着く」と言ったら、「そうですね、おしゃれですよね」と返ってきた。それだけ。「私はなんか、水辺が好きなのかも。実家が川の近くで」と続けたら、「へえ、いいですね」で次の話題に移った。
おかしい、と思い始めたのはこのあたりだった。
3回目のデートは下北沢のバーで、少しお酒を飲んだ。アルコールが入ったせいか、彼が少しだけほぐれて、「俺、人の感情の話が正直よくわからなくて」と言った。
「えー、どういう意味?」
「なんか、共感とか感情移入とか、苦手なんですよね。相手がどう感じてるか、あんまりピンとこなくて」
喉の奥に何かつかえた。
withの心理テストで「共感性が高い」と分析されていた人が、目の前で「感情移入が苦手」と言っていた。
with 心理テストの体験談として正直に書くと
数字が嘘をついていたわけじゃない、とは思う。
心理テストの設問に、彼は「正直に」答えたはずだ。でも、自分が「感情移入が苦手」だと自覚していない人は、「あなたは相手の気持ちを想像しますか」という質問にどう答えるだろう。「はい」と答えるかもしれない。嘘じゃなく、本当にそう思って。
これが、性格診断の限界だと気づいた瞬間だった。
テストは「自己認識」を測るものであって、「実際の行動」を測るものじゃない。92点の相性は、私たちの「自己申告した性格」同士の相性。実際に会って、時間をかけて出てくる反応や癖、無意識の行動パターンは、どんな精度の高い診断も事前にすくいきれない。
だから間違いだったとも言えない。でも、私は数字を信じすぎていた。
「スコアが高いから、きっと話が合う」
「心理テストで相性がいいから、価値観が同じはず」
会う前から結論を決めていた。そのせいで、最初の違和感をずっと「気のせい」として処理し続けた。
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性格診断を「入口」として使うための3つの切り替え
今は、心理テストの使い方を変えた。
1. スコアは「話題の入口」として使う
92点だから会う、ではなく「心理テストで共感性が高いって出たんですけど、どんなときに共感しますか」という質問の起点にする。相手の「自己認識」と「具体的なエピソード」のギャップを、自分で確かめる材料にする。
2. 最初の3回は「観察期間」と決める
好きかどうか判断しようとしない。この人がどういう反応をする人なのか、を見る期間だと思う。相手が誰かの話をしているとき、どのくらい掘り下げてくるか。予定外のことが起きたとき、どう対応するか。データより、現場。
3. 「違和感」を「慣れれば消えるもの」と分類しない
初回デートで感じた「何かかみ合わない感」を、「まだ緊張してるだけ」と片付けない。違和感の種類を見極める。緊張からくるぎこちなさと、根本的なすれ違いは別物。山田くんの場合は、3回会ってはっきりした。もう少し早く、自分の感覚を信じてよかった。
それでも、withの心理テスト自体は好き
誤解しないでほしいのは、心理テストが嫌いになったわけじゃないということ。
自分の傾向を言語化する作業として、あれは面白い。「私ってこういうときにストレスを感じるんだ」「これが自分の恋愛観か」と気づかせてくれる。Pairsのように顔写真だけで判断するよりも、見えない部分に光を当てようとしている設計は、正直好きだ。
ただ、データと人間の間には必ず誤差がある。
92点の彼と3回デートして、私が学んだのはそれだった。数字が示すのは可能性の話。現実は、会って、話して、時間をかけて、初めてわかる。
山田くんのことを思い出すとき、もう悔しくも悲しくもない。ただ、あの下北沢のバーで「感情移入が苦手」と言ったときの彼の顔が、なんとなく正直でよかったな、と思う。
データよりも、あの一言のほうがずっと、彼のことを教えてくれた。
この記事を書いた人
27歳・東京。Pairs・with・Tinder・Omiai・タップルを延べ3年間使用。マッチングアプリで3人と出会い、2回失恋した経験をもとに執筆。失恋した夜に誰かのブログで楽になった経験から、このサイトを始めた。