終電を3本見送った夜、あの人はもう誰かのものになっていた
広告代理店に勤める26歳の私は、終電を逃しながら仕事をしていた。久しぶりに連絡した相手が「付き合ってる人いる」と返してきた夜、後悔よりも先に浮かんだのは、あの頃の私には何も選べなかった、という静かな事実だった。
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広告代理店に勤める26歳の私は、終電を逃しながら仕事をしていた。久しぶりに連絡した相手が「付き合ってる人いる」と返してきた夜、後悔よりも先に浮かんだのは、あの頃の私には何も選べなかった、という静かな事実だった。
「妥協しない」と言い続けて、2年間誰とも付き合わなかった。20人以上会ってゼロ。条件に当てはまる人とも「なんか違う」で終わった——「妥協しない」こととただ「条件に縛られている」ことの違いに気づくまでの体験談。
10月の木曜日、六本木のギャラリーで知らない女性に話しかけられた。同じ写真を3時間見て、まったく違うものを受け取った。それがこんなに心地よいと——偶然の出会いから始まった、探していたものの名前を知った話。
マッチングから半年、私たちは一度も会わなかった。会えなかったのではなく、会う必要を感じなかった。3日に一度届く少し長い文章が、いつの間にか私の一番深いところに届いていた——声も知らない人に好きになった話。
最初のデートの翌日、私はほぼ丸一日廃人だった。10時間寝ても疲れが抜けなかった。人に会うことが苦手で、初対面が緊張する——内向的な人間がマッチングアプリで出会いを掴み続けるためにした工夫と心構えの話。
行く気のなかった同窓会で、ゼミの同期と隣になった。4年ぶりに聞いたその声が、私の同窓会の目的を全部塗り替えた。帰り際の「また会いましょう」は、いつもと違う重さを持っていた——4年分の空白を埋めた夜の話。
10月末に骨折して入院した。退屈で死にそうだった病院の夜、Pairsで「行ったことのない場所」について話し続けた人がいた。退院の翌週、松葉杖でタクシーに乗って会いに行った——入院中に始まったマッチングアプリ体験談。
withで知り合い4ヶ月会い続けた人に告白して、振られた。「恋愛的な気持ちにはなれない」と言われた夜、恵比寿の夜景が急に遠い国の景色に見えた——振られた相手とその後また話せるようになるまでの、気持ちの整理の話。
31歳の秋、初めてマッチングアプリを入れた。中目黒のバーで「まだアプリやってないの?」と言われたその夜に。「今更感」があった——30代で初めてアプリを使って気づいた、20代の頃に持っていた偏見がほとんど間違っていた話。