アプリに疲れた3ヶ月が、ちゃんと私を正しい場所に連れていってくれた
出会いを完全にやめていた冬、友人から「一回だけ」と言われた恵比寿のイタリアンで、引き分けのプログラマーに会った。断りかけた夜のことを、今でも何度も思い返す。
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出会いを完全にやめていた冬、友人から「一回だけ」と言われた恵比寿のイタリアンで、引き分けのプログラマーに会った。断りかけた夜のことを、今でも何度も思い返す。
代官山の蔦屋書店で、偶然を装って会いに行った。本棚の前で並んで、川沿いを歩いて、気づいたら3時間。嘘をついていたのに、最後に見抜かれた。
同じ絵を見て、「悲しい」と言った私に、彼は「広い」と言った。
台風で映画が流れた夜、渋谷の居酒屋で5時間話した。計画通りにいかない夜ほど、ずっと覚えている。
ドキドキは薄れた。でも「この人でよかった」という確信は、2年分だけ重くなっている。記念日の定食屋で、私はたぶん、一番深いところにいる。
オンラインゲームで知り合って3年。顔も声も知らないまま、現実の友達より深い話をしていた。会場で彼を見つけた瞬間、胸の奥で何かがほどけた。
10月の木曜日、人のいない写真展で声をかけてきた女性と3時間話した。同じ一枚を見て、まったく違うものを受け取った。それがこんなに心地よいと、それまで知らなかった。
マッチングから半年、私たちは一度も会わなかった。会えなかったのではなく、会う必要を感じなかった。3日に一度届く少し長い文章が、気づけば私の一番深いところに届いていた。
行く気のなかった同窓会で、ゼミの同期と隣になった。4年分の空白を埋めるように話し続けた夜、「また会いましょう」はいつもと違う重さを持っていた。
「今更」と思っていた。でも使ってみたら、偏見がほとんど間違っていた。
自炊のバリエーションを増やしたくて通い始めた料理教室で、気づいたら毎回隣にいる人がいた。好意なのか、ただ居心地がいいだけなのか。玉ねぎを焦がしながら、答えを探していた。
終電を逃した12月の深夜、渋谷の裏路地で豚骨ラーメンを食べていた。隣に座ってきた人と、ただそれだけで話し始めた。あの夜の匂いを、まだ覚えている。